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地方知事の税金無双  作者: 桜音羽瑠
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第四事 マネーマネーマネー

「カインさん!町が見えて来ましたよ!」

「おおっ」


 目の前に広がる光景を見て、思わず感嘆の声を漏らす。町は町でもあれは完全に城下町だ。思っていたよりもとても大きい。

 少しだけみえる町の門は龍や様々な生き物の形が精巧に作り込まれており、その門から町全体を取り囲むように広がる城壁が威圧感を放っている。

 更に町のど真ん中に、白を基調とした壁に赤色の三角屋根という西洋風のお城が建っている。その大きさは回りの家を十個合わせても足りないくらい大きくて、その存在感で見る者を圧倒する。

 そのお城を中心に家々がところ狭しと建ち並び、市場らしきところも活気で満ち溢れている。

 素人が一目見ただけでも分かる素晴らしい町だ。


「……やっと見えてきたか」


 ウルレキア街道を歩くこと数時間。少し人が見え始めるとと同時に見えてきた町、名前はアストルジューマと言うらしい。

 今から五百年前にアストルという勇者が、当時権力を振るっていた王を、その人望と聖剣ジューマを使って人々を圧政から救って建国した国であることをローシェから聞いた。


 だがそんなことはどうでもいい。


 昨日の出来事は俺の記憶に深く残っている。やはりあれは本当に起こっていたのか。昨日起きたことがまだ信じられない。鍵山さんが俺の夢の中に入ってきたこと。そしてなんと言っても、俺の感情が表に出すぎていたこと。

 知事という仕事をやっていただけだけあって感情を殺すのは慣れているはずだった。

 しかし、あの夢の中ではあっさりと涙を流し、嗚咽とともに自分の思ったことをそのままただひたすらに叫んでいた。

 我ながら恥ずかしいところを見せたもんだ。


「カインさん、どうしたんですか?」

「ん、あ、いや、なんでもないよ」


 少し深く考えを過ぎていたようだ。


「そう言えば、カインさん盗賊からはいくら手に入ったんですか?」

「ああ、それについてだが、銀っぽい硬貨が三枚と銅っぽい硬貨が十二枚と後は宝石類かな」

「では関所は通過できそうですね」

「ん?関所を通るのにお金が要るのか?」

「はい。アストルジューマでは5ソルですね」

「5ソルって言うとどの硬貨を何枚?」

「銅の硬貨を五枚ですね。因みに、ソルを百個でアグソルになります。その銀の硬貨がアグソルです」


 ソルというものを日本円に例えるといくらくらいになるのかが分からないから、なんとも言えないが、そこのところはローシェに任せよう。


「なるほど、ありがとう」

「まさかとは思って言ってみましたが、お金のことについても分からないとは……」

「すまんな、ちょっと事情があってほとんど分からないから、分からないことはどんどん聞いていくんでそこんとこよろしくな」

「は、はぁ」


 とここまで話しておいてから、あの事を思い出す。「お主の右ポケッの中に、お主の全財産を異世界のお金に変換して入れておいたぞ」という言葉を。

 俺はおもむろに右のズボンのポケットに手をいれる。

 今更だが自分の服装が異世界風になっていることに気付いた。

 手を入れると、一枚の紙が入っていた。


『マネーマネージャーの使い方』

・この紙を腕に巻いてください。


 丁寧に日本語で、たったそれだけのことが書いてあった。

 マネーマネージャーってなんだよ、と心の中でツッコミながら紙を腕に巻く。

 すると、急に紙が輝きだし、そのまま俺の腕にしっかりとフィットした。


『音声案内を開始します』


 先ほどまでは紙だったものから機械音声が出てきた。流石さすが異世界、俺の常識は通用しない。


『まずは腕輪の赤いボタンを押してください』

「こう、か」



 「ブォン」という音とともに腕輪の上に一般的なパソコンの画面程度のウインドウ?らしきものが現れる。


『その画面の右上にあるのが今の所持金です』

「100……バル、ソル?」


 幸いにも文字も読めるようだ。言葉も通じるし、便利だなこの世界。


『そして、右下が秒間入手金です。今は1モクソルです』


 はぁ?秒間入手金?なんだそれ?


『左側の矢印を押してみてください』

「よし、こうだな」


 俺はそう言って三角形のボタンをタッチした。そうすると左側に0と表示してあったのが1に変わった。それにしても空中投影パソコンとは……未来だわー。


『今の数字を調整して、お金を引き出すことができます。それとは別に、左上のボタンを押すと画面が開くのでその中にお金を入れると所持金が追加されます』


 言われたとおりにまずは数字を1にし単位をソルにして、引き出しボタンを押す。すると銅貨が一枚出てきた。

 今度は、左上のボタンを押した。すると画面が縦に真っ二つに割れた。その中に今持ってるお金をすべて入れると、少しだけ右上の残高が上昇した。

 なお、今も残高は上昇し続けている。


『最後に、この世界でのレートをお伝えします。百円=1ソル、モクソル=十円です。つまりモクソル十枚で1ソルです。この世界には日本円でいう一円は存在しません。因みに、モクソル=青銅貨、ソル=銅貨、アグソル=銀貨、ガルソル=金貨、バルソル=白金貨です』


 10モクソル=1ソル、100ソル=1アグソルになるということか。


『更に、ソルを百枚でアグソル。アグソルを百枚でガルソル。ガルソルを百枚でバルソルです。アグソルは日本円で一万、ガルソルは百万、バルソルは一億円になります』


 なん……だと、俺は100バルソル持っていることになるから…………百億……。


『最後に、このシステムはあなたと、あなたが許可したものしか見られないことをお伝えします。……以上で音声案内を終了します』


 流石にあんなに税金は取ってないぞと若干顔をひきつらせる。それにしてもすごいシステムだ。あと、秒間入手金とか怖すぎる。


「カインさん、さっきからなにやってるんですか?」

「俺の全財産の確認」

「確認って、さっき3アグ12ソル持ってるって確認しましたよね?」

「いや、それがだなぁ」


 それとなしにローシェに心の中で許可を出す。


「なんですか?この画面は?」

「右上が所持金……らしい」

「……え?嘘ですよね?」

「いやほんとだ」


 数字を100、単位をバルソルに合わせて引き出しボタンを押す。


 ジャラジャラジャラン


 目の前に百枚の白金貨が出てくる。


「……嘘じゃないんですね」

「どうやらそうみたいだ」

「お城が建ちますよ」

「…………」


 しばしの沈黙……正直、俺もビックリしている。これだけお金があればずっと遊んでいられる。本格的に異世界永住が決まりそうだ。

 幸い、この行為は誰にも見られてなかった。


 さぁ、異世界を満喫しますかね?


お金について


日本円    ソル   

一円           

十円     1モクソル 青銅貨   

百円     1ソル   銅貨

千円       

一万     1アグソル 銀貨

十万        

百万     1ガルソル 金貨

千万         

一億     1バルソル 白金貨



覚えなくていいです。

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