執事、勝永は心配する
執事勝永の心の中の話しなのでエッチなことはないです。
R15にしたのはまあ何となくです。
「どうぞ、お嬢様」
言葉少なく目の前にいる若い女性に私は水の入ったグラスと薬を差し出す。
複雑な表情を見せながらも受け取り水を一口飲んでから薬を飲み込む。
そんな仕草の一つ一つが美しくて様になるのは将来性を感じる。
女優を目指していると聞いてなるほどと思う。 スタイルの良さや顔の美しさだけではなく所作が優雅だ。
まだどことなく垢抜けてはいないものの数年後には日本中に知らない人はいないはず。
そう感じさせるほど人の目を惹きつけるものを持っているお嬢様です。
さすが旦那様の未来の奥様だと私は内心欣喜雀躍としておりました。
どうやらお嬢様自身はなにやら鬱屈としておりましたが……。
いい加減に旦那様も正体を表して普通に交際をすれば良いものを……。
旦那様は俳優というご職業だけでなく実業家としても成功しているので若い女性にとっては魅力的な交際相手のはずですし……。
それに少し話しをしたところ旦那様のお名前を口にされていましたし。
あれは確かお好きな俳優の名前をお聞きしたら旦那様の名前が出てきたのです。
私は密かに嬉しいやら誇らしいやらで顔が緩むのを我慢するのが大変でございましたよ。
メイド達の目から見ても相思相愛らしいのですが肝心の二人だけはお互いの気持ちを知らないとは。
金曜日の夜から日曜日の夜までの拘束は長過ぎはしませんか?旦那様。
は? ああなるほど金土日と拘束しておかないと、どこの遊び人にたぶらかされないとも限らない、ですか。
旦那様は実は相当なヤキモチ妬きですね、しかも心配症で……。
勝永は旦那様第一の忠義者ですが偶に言いたいことも出てきます。
例えば旦那様の恋愛問題などが不安なのです。