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龍は私を守護してくれる ~神秘のお守りと、幼馴染との再会から始まる冒険譚  作者: 無海シロー
第二章 伝説 ~天地仁左編

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49.JES支部壊滅!?

 平田は大きく息をつき、額の汗をぬぐった。

 JESの指揮車両から電子戦を行い社屋や地下の基地全体に張り巡らされていたシステムを掌握していったのである。

 JESの最深部にあるメインのスーパーコンピューターと基地の情報班の助けを借りてだったが、それでもかなり苦戦していた。

 秘密結社を名乗るだけはある。

 最深部の首領の部屋、番場が辿り着いた部屋の掌握はかなり時間がかかっている。

 番場は余裕ある様子で話を進めていたが、自爆システムや首領の緊急脱出用車両を押さえるのには苦労した。

「まったくギリギリだった……」

 平田が呟くと番場は労いの言葉を掛けてくる。どうやら通信もできるようになっている。

『一刀たちの様子は分かりますか? 彼らは無事ですか?』

「無事だよ。少し髪の毛が燃えたと一刀はぼやいているがな」

『分かりました。では一刀達にエレベーターの入口で合流するように言って下さい。ここを少し掃除してから向かいますから』

 改人は退治していたが、からくり人形戦闘員はまだ湧いてきていた。

 そう考えると恵たちは新改人だけだったのは運が良かったといえる。

 ただあの油まみれの改人の威力はすさまじいので、無差別な攻撃を繰り返していたならからくり人形の戦闘員がいたとしたら邪魔にしかならなかっただろう。

「それから地上部分はすべて掌握。今、捜査班を地下へ突入させている」

『助かります。それでは彼らに引き継いだら我々も撤収しましょう』

 その言葉と同時に支部が緊急のシグナルが送られてくる。

「番場君、急いだ方がよさそうだ!」

『何が起きている?』

 状況は分からないが支部長のところにもシグナルは届いているようだ。

「支部が攻撃を受けている! 急いで戻ってくれ!」

 平田は恵や一刀、大場にも通信を送るのだった。


「何が起きた?」

 いち早く指揮車両に戻った番場が運転席の平田に訊ねてくる。

「由喜多支部に正体不明の人物が侵入して暴れている」

「支部内に侵入を許したのか?」

「FBトリガーの連中ですか?」

 質問攻めだったが、平田も状況を把握しきれていない。

 JES支部内も混乱しているようだ。

「ああ十層まで侵入を許したところで通信が切れた」

 ロビーでのセキュリティを体験していたから、一刀も恵も驚きだった。

 全員が乗ったことを確認すると、サイレンを鳴らしながら支部を目指して走り出す。

「状況は分からないんですか?」

「不明だからこうして急いでいる。犯人は一人だ」

「単独で?」大場も出雲も信じられない様子だった。

「正面から入ってきて、すべてのセキュリティを突破されている」

 ため息交じりに平田が説明してくれる。

「FBトリガーの残党?」

「違う。見てくれ」

 一階フロアの監視カメラに残されていた映像を平田は番場らに見せる。

 覆面をした黒装束の男が剣を振るう様子が映し出されている。黒装束が剣を振るった瞬間、映像は途切れてしまう。数秒のことだった。

「こいつ……早田健三?」出雲が言う。

 背格好と日本刀から推測できた。

「そうだろうな。使われている武器は『うきくさ』で間違いないだろう。あの破壊力は異常だが……」

「確かに一刀の無双霞よりも威力があるな」

 番場は一刀を見る。

「オレは何も感じていませんよ」一刀は答えた。「確かにはではなく衝撃波のようなもので破壊しているような感じですが、オレにはあんなのできません」

 少し悔しそうにも見えた。

「早田健三だとして、平田さん、目的は何だと思いますか?」出雲は訊ねてくる。

「わざわざ自分が所属していた組織を裏切ってまで手に入れたいものか」

「それに自分も最小限の被害にとどめるため、我々の留守を狙っている」

「僕らの動向は筒抜けだった?」

「そう見るべきだろうなぁ」

「スパイが紛れ込んでいたとか?」

「あくまで推測だが、一刀だろう」ため息交じりに平田は言う。

「オレ? オレがスパイ? 情報を漏らしたの?」

 名指しされた一刀は素っ頓狂な声を上げ、全員の視線に慌てて首を横に振って否定するのだった。

「正確には、一刀の無双霞だな」

「これに何か発信機が?」

「違う、違う。天地仁左の作った刀同士は共鳴し合うのだろう? 一刀が出て行ったことを知れば戦闘班の主力が基地から出ていたことも分かるはずだ」

「一刀は感じてはいなかっただろう?」

 出雲の言葉に一刀は頷く。

「あの威力から推察すると、早田健三は萍の力をそうとう引き出しているんじゃないかな」

 平田の言葉は真実を言い当てているような気がする。

「一刀が共鳴を感じないくらい離れた場所から俺たちを見張っていたという事か」

「何が目的?」

「支部を壊滅させて、捜査を妨害する?」

「歌鳥じゃねぇの?」一刀がぶっきら棒に言い放つ。

「しかしあれは厳重に保管されていて、見つけるのは困難な場所にあるんだぞ」

「平田さんが言ったように、天地仁左関連のものと刀は共鳴していたら分かるんじゃないかな」

 一刀は大場の問いに答える。

「そんなこと報告していないじゃないか?」

 平田は驚いていた。

「歌鳥も動くようになったら、なぜか刀に共鳴していて、場所が近くならオレも分かりましたよ。刀の共鳴が分かっているから、知っているとばかり思っていた」

「そういうのはきちんと報告してくれよ……」

 平田は頭を抱えてしまう。それが分かっていたら、別の場所への移送も検討したはずだった。

「報告はどんな些細なことも大切だって言っているだろう」

「すいません」

 大場と出雲に睨まれて一刀は苦笑しながら頭を下げた。

「早田健三を止められますかね」

「時間との勝負だな」

 平田は緊急車両が出せる制限速度以上のスピードで支部へと向かうのだった。


 現場に到着するとJESの敷地と周辺は緊急車両で埋め尽くされている。

 番場が規制線の中にいるように指示すると、すでに現場の警察にも指示がいっているのだろう。すんなり入ることが出来た。

 そこで地上に避難してきていたJESの職員から情報を集めていく番場達だった。

 すでに早田健三は目的を果たし逃走していた。

 目的を達成したのだろう。三十分に満たない時間の間にだ。

 平田に会社の情報を流したときから、寝られていた計画なのだろう。完全に操作の裏をかかれた。



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