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龍は私を守護してくれる ~神秘のお守りと、幼馴染との再会から始まる冒険譚  作者: 無海シロー
第二章 伝説 ~天地仁左編

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27.影の奥、更なる闇

「こちらが阿義甲斐の調書です」

 出雲志郎はディスクで執務中だった番場明に報告書の束を差し出した。

 すでに執務室のPCには他にもキロウに関する報告やデータが各セクションから送られてきている。

 JES由喜多支部はキロウと阿義の調査と並行して、全力を挙げて龍の力や鬼浪の伝承を解明しようとしていた。

「ご苦労。阿義甲斐の様子はどうだ?」

 出雲から番場はそれを受け取り、目を通す。

「ケガの具合も良好ですし、落ち着いていますよ」

 牢ではまるで修験僧のように座禅し、瞑想にふけっている。

「精神的にもか、憑き物が落ちたようだな」

「そうですね。当人も何者かに扇動されていたようだったと」

「血液から、微量ながら薬物反応があり、か」

 番場は背もたれに寄りかかるとレポートをめくっていく。

「詳しくは検証中ですが、どうやら精神によからぬ作用があるようです」

「平田さんでも分からないか」

 日本でも最高レベルを誇る頭脳でも解析できないとなると厄介な代物だった。

 JESジェスはJapanEspesialSafegurdOriginが正式名称で、その頭文字をとってJESOジェソーとも呼ばれている。彼らは日本の平和を守るために秘密裏に結成された防衛組織である。テロやクーデターのみならず、怪異と呼ばれるものや超常現象に至る社会的脅威から人知れず人々を守るために高度な技術力と戦闘力を持ち日夜闘い続けている。

「平田さんの話では精神を高揚させ、好戦的にさせていたようだ、ということです。それがあのような戦闘力をもたらしていたという見方をされています」

「精神操作に戦闘力アップか、考えたくないな」

「阿義幻斉は南米でランネルドと何らかの接触があったのでしょうね。甲斐も彼は帰国後に人が変わったようだったと話しています」

「南米での足取りは追えそうか?」

「関係各国へも調査の依頼は出していますが難しいでしょうね。誰か派遣したいところですが」

「無理だろうな」番場は肩をすくめる。「本部に派遣を要請しても、人材不足を理由に断られてしまったからな」

「こちらでもバイトを雇ってしのいでいるくらいですからね」

「そうだな」白い歯を見せ番場は微笑む。「彼らは優秀だろう?」

「隊長の眼識は認めますが、新人二人を見ていると時折心配になりますよ」

「フォローは君らに任せる」番場は出雲に屈託なく笑いかける。「それにしても闇が深すぎるな」

「まさか阿義とその一族がキロウだったとは思いもしませんでした」

 甲斐は長男。大男は驚くべきことに幻斉の次男だった。恵が捕らえた男も大場と出雲が倒した弓使い達も同じく幻斉の息子達だったのである。

「鬼浪の末裔。その怨念か……」

「それが本当だとしたら、異常だとしか言いようがありません。千年もの刻を経ているはずなのですから」

「そうだな。記憶や伝承とともに彼ら一族の血に刻み込まれたものなのかもしれないが、その心の隙を突かれランネルドによってそれらを増幅されたか」

 ランネルド。

 それは裏の社会で知られる組織である。世界中で起きているテロや紛争は言うに及ばずあらゆる犯罪や争いに加担している。それら様々な犯罪組織をたどっていくと彼らランネルドにかならず行き着く。資金、武器の提供だけでなく高度な技術供与まで行っているが、暗躍こそすれ実態は不明でその全貌を知るものはいない謎の結社だった。

「幻斉にはそれだけのカリスマ性があったということでしょうか」

「それがカリスマ性なのか血なのかは分からないが、彼らはキロウとして今の時代に戦いを挑んできた。狂信者の考えることはまったく理解することはできない。ただ言えることは彼らが凶悪なテロ組織であったということだ」

「トーヤとの接触はあの時が初めてだったようです」

「やはりランネルドとは別にキロウを援助していた組織があるとみるべきだろうな」

「甲斐の話では出入りしている医師が怪しかったという話です」

「特定はできているのか?」

「目下調査中です。推測の域は出ませんがランネルドとの関係が高い組織が存在していると思われます」

「阿義もまた末端にすぎないという事だな」

「そうなりますね。奥が深すぎるというか、根が深すぎてたどり着けるかどうか」

「やるしかないさ。龍の件は恵ちゃん達のおかげで事無きを得た」

「あの力がランネルドに渡っていたとしたら、我々には防ぎようがなかったかもしれません」

「防ぐさ。そのために我々JESはある。それにまだ謎は残っている」

「天地仁左の件ですか」

「そういうことだ。一刀に頑張ってもらおうかね」


読んでくれて本当にありがとうございます。

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