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記憶を取り戻す

「さぁユナトさん次はどんな魔法を見せてくださるのですか?」

「クロウさん、あなた戦闘狂か何かか?」

「昔はそうでしたねぇ。血というものは抑えきれない。戦いの中が一番成長できると思っています。

なので私をもっと強くさせてください。三の手、雪崩桜。」


魔力の塊が粒上になってこっちに飛んできた。

一粒一粒にそれなりの魔力が込められているに違いない。

さっき思いついた案を実行するにはこれを凌がないといけない。

俺自身を魔力で覆えば相殺できるのでは?

これではもう手加減なんてできないな。

手加減?無力化させないと俺は捕まってしまう。

俺の安全のため...。

何を考えてるんだ。


「瞬剣、逆袈裟斬り!」

「うっ!?」


まさか魔法以外も使えるとは思っていなかったようだ。

まて、俺は今何を振ったんだ。

手は何も握ってない。

なぜ使えたのか、どうやったのか、そんなことを考えてたうちに気を取られてしまった。


「隙あり、四の手、解放。」

「ぐはっ!」


おもいっきり木にぶつかった。

木に少しめり込む形で止まることができたが、俺には今とてもうれしいことが起きた。

今の衝撃で記憶が完全に戻った。

俺が何を過去にしでかしたのか、俺が開発した魔法やその他、左手にはめてる指輪、すべて思い出したぞ。


「ユナトさん、新しい魔法を早く見せてください。私久しぶりの戦闘で力の制御が難しくて大変なんです。お嬢様すみません、少し暴れさせていただきます。」

「クロウさん、だったっけ。俺は今記憶を完全に思い出すことができた。今の俺はさっきとは全然違う。

俺に優しくしてくれてた礼として、今ここで引いてくれれば痛い目に合わなくて済むがどうする?」

「なんだか雰囲気が少し変わりましたかね。でもユナトさんであることには変わりない。私戦闘がものすごく大好きでしてね、こうなってはお嬢様であっても抑えることはできないのです。」

「そうか、んじゃ改めて、挨拶をさせてくれ。これが俺の戦闘スタイルなんでな。

俺はユナト。《古今魔法創造協定》の幹部、『不断』のユナト。オーリゴ・ノウは俺がぶっ殺す。いくぞ。」


クロウさんはありえないといった表情をしているが戦闘時において油断は致命傷になる。常に笑顔で戦うべきだ。


「瞬剣、無刀霞。」

「しまった、というとでも思ったか!こちらはすでに四の手まで至っている。防げ五の手。」


黒い棒は布のように薄っぺらくなりクロウさんに纏わりついた。

こちらは瞬剣の応用技を使いながら、魔法を練り上げていく。


「瞬剣、大三段。」

「六の手、八卦。剣だけでなく魔法も...ごぼぁ!?」


クロウさんが吐血した。

六の手は目の前で霧散した。


「ば、馬鹿な。五の手を貫通させただと!うぅ...ぐ。」

「魔法もくらってみてえよな?たんまりと味わえよ?」

「これでは分が悪すぎる...が、反転、六の手!」


クロウさんの足元が光ったため俺はさっと後ろにとんだ。

攻撃かと思ったがあれは回復か。ヒールも使える上に特殊な技も使うクロウさん、こんな人初めて見たな。

魔人とか言っていたが生物に変わりはない。

なら殺せるな。


「逝ね。己の判断を間違えたこと悔やむといい。龍の一声。」

「そ、それは...まずい、まずいぞ。一刻も早くお嬢様に伝えなければ!」

「これを知っているのか。新しい魔法じゃなくて悪かったな。」

「そんな魔法使ったら、私どころじゃなくこの魔族領にまで被害が及んでしまう。魔族を敵に回すぞ!」

「落ち着けよクロウさん。あの冷静で温厚な執事さんはどこ行ったんだよ。」

「それを言うならお前さんこそ人の事言えないじゃないか。」

「時と場合によるもんだから仕方ないな。それよりいいのか?行かなくても?」

「見逃すというのか!?」

「もうほぼ俺の勝ちみたいなもんだが、身勝手ながら勝手に礼代わりにさせてもらうよ。貸しを作るのは嫌いなんでな。」


ついさきほどまでのクロウさんとは思えない、おぼつかない足取りでヴァジェが呼びに行った道を走ってる。

うーん、弱き者はわざと逃がすに限るな。

龍の一声、通称ドラゴンブレスは手のひらに黒い球を生み出す。

その球がゆっくりと地面に落ち、数秒ほどで衝撃波が広範囲に広がり球の上にいたやつは死ぬ。

対処法は二つ。一つ目は地面より下にいること。二つ目はこの球を落ちきる前に爆発させ消滅させる。

爆発させるには発動者の総魔素以上を保有していること。

ほぼ勝ちだが、万が一のことを考え行動するのが勝者への一歩だ。

無論発動者には効かないので俺は別に逃げる必要がない。

さてクロウさんはどう対処するかな?


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