25話 アクアの記憶8 突然の拘束
「…今は執務室にいるはずだ…手筈はいいな?」
「はっ!」
カイルの戦争での様子を聞き及んでいるため、マクロスに聞かれて皆、気を引き締める。
「行けっ!」
マクロスは十数名の兵士たちに号令を出した。
その声と共に兵士たちは扉を開けて一斉に雪崩れ込む。
ガチャッ
ガシャガシャガシャ…
「な、なんだ⁉︎お前たち⁉︎」
カイルは突然入ってきた兵士たちを見て驚いた。しかし、驚いている間に床に押さえつけられ、抵抗しようとすると扉の入り口にマクロスが見えた。
「…マクロス⁇これは何だ⁉︎何をしている⁉︎」
「兄上こそ…何をしたんです?…僕のマリーサに…」
マクロスは入り口から鋭い眼光を放ちながら、憎らしげにカイルを睨みつけた。
「マリーサ⁇…何のことだ⁉︎」
「…とぼけないで下さい!全部知ってるんですから!兄上…まさかこんな形で裏切られるなんて思いもしませんでしたよ…」
汚い物を見るような目でカイルを見たマクロスに、カイルは怖気さを感じた。
いつも素直で明るい弟の見せたことのない様子に、嫌な予感を感じずにはいられなかった。
「落ち着け!マクロス!お前は何か勘違いをしている!僕はあのガーデンパーティー以来マリーサとは何も関わっていない!何を言われてるのかわからないんだから釈明のしようもない!一体僕が何をしたって言うんだ⁉︎」
カイルは床に押さえつけられながら、必死にマクロスを見て叫んだ。
「…話はあとでゆっくりしましょう……連れて行け‼︎」
カイルを射殺すように見据えたマクロスは、それだけ叫ぶと部屋を後にした。
カイルはその兵士たちを力尽くでどうにかできないわけではなかったが、落ち着いて今の状況をよく考えた。
(…鎧を見る限り、ここにいる兵士たちは全て父上の私兵?僕を捕まえることに協力しているのか…?
そこまでしなければならないこととは…なんだ?)
あのマクロスの剣幕と言い、抵抗すればさらに大事になりそうな気がして、理由を知る必要もあったため、ひとまず大人しく捕まる事にした。




