レオパールでの会談
pixivにて新規キャライメージ画像更新中!
※AI生成画像
https://www.pixiv.net/users/15342558
※モチベーションに繋がります!※
いいね・ブックマーク・評価☆☆☆☆☆採点いただけますと励みになります。よろしくお願いします。
―――そうして飛行時間を終えて、レオパール魔導国の領空へと入った。
首都ウィズドムにあるサピエンツィア議事堂―――
この議事堂にもリオンのアサド評議会議事堂と同様に八雲が建設した空港がある。
上空でその空港に接舷するディオネから、
「接舷完了。マスター到着しました」
到着の報告を受けた八雲は空港と繋げられたタラップを渡り、レオパールの地に下り立った。
「お待ちしておりましたわ。八雲様、ノワール様」
空港エリアで八雲達を出迎えてくれたのはエルドナとエヴリン、そしてエディスの三人だった。
「三人とも久しぶり。これから色々相談させてもらうけどよろしく」
「黒神龍特区に創設する学園のお話は『伝心』でも大体のことは伺っておりますから。きっといいお話が出来ると思います」
エルドナがにこやかに優しい微笑みを湛えて答えると、次の瞬間八雲の後ろに控えるふたりに視線を向けた。
「其方にいらっしゃるのが……」
もの言いたげにふたりを見るエルドナに、
「その件は後から話そう。エヴリンとエディスも元気だったか?」
ラーンとグラハムドのことは他の重臣達も集っているこの場では話し辛いことだと別の話題へと切り替える八雲に、それを悟ったエヴリンが答える。
「ええ♪ 私もエディスも元気だったわ♪ ねぇ、エディス?」
「はい♪ 病気ひとつしていません!お会い出来て本当に嬉しいです♪」
エディスが此処にいる理由は、今は母とエルドナの手伝いをするためにレオパール魔導国の実家に戻っている。
エルドナはいずれエディスに自らの地位である指導者の後継者になってもらいたいと考えているのだが、当のエディスにその気がない。
母親であるエヴリンはエディスの好きにさせようという考えで、そのことを無理強いはしない。
一通り双方挨拶を終えた八雲達は、揃ってサピエンツィア議事堂へと魔術昇降機で地上に向かうのだった―――
―――サピエンツィア議事堂の会議室
大きな長机が設置された会議用の特別な部屋に通された八雲。
今回の会議もノワール、ラーン、グラハムドと四人で参加している。
その間にはリオンと同じくアリエス達がチビッ子達を連れて首都ウィズドムの街に遊びに出て行った。
会議の内容もリオン議会領でジョヴァンニ達に説明した話の内容と同じことを語っていく八雲と、その話を真剣に聴くエルドナ達レオパールの重鎮達。
唯一違う点と言えば選出して欲しい学部が魔術学部であることだ。
「レオパール魔導国からは魔術に精通した教師を選出してもらえるとありがたい」
「はい。その点はこちらで優秀な学者を選んでおります」
エルドナの返事に頷くと、
「こちらでもひとり頼んであるんだ」
「八雲様が直接ですか?それはどなたなのです?」
エルドナの質問に八雲は、
「レベッカ=ノイバウアーっていう人だよ」
「レベッカ=ノイバウアーですって!?」
エルドナの驚きはレオパールの重鎮達も同様に驚きを隠せずに驚愕の表情に変わる。
「あの《四重高速同時魔術詠唱》を操る天才が!?」
「まさかこの度の学園の教師を引き受けるとは……」
そこかしこから囁かれ、レベッカの名前が飛び交う。
「―――静粛に。申し訳ありません、八雲様。まさか我が国でも天才と謳われるレベッカが黒神龍学園の教師になるとは思ってもみませんでしたから」
エルドナの声に重鎮達のどよめきも収まり、八雲はレベッカの実力を改めて認識する。
「そこまで有名人だとは思ってなかったよ。英雄クラス保持者だから有名なのは分かるけど」
「いいえ、彼女は確かに英雄としても有名ですが、この国ではどちらかと言えば国始まって以来の天才と謳われていたことの方が有名と言っても差支えはないでしょう」
「そうなのか。確かに俺もたまに魔術の扱いについて教えてもらったりしているからな」
そこで黒帝が自ら天才から学んでいることに周囲は驚きの声を上げていた。
「彼女は此方にいた頃は他人に魔術など教えるような性格ではなかったのですが……それが変わるほど色々な経験をしたということでしょう」
そう言ってエルドナはレベッカの心境の変化については深く問い質すことはなかった。
勿論それを追求されても八雲はレベッカではないので、その心境の変化については答えることは出来ないのだが。
「彼女は長年ティーグルで孤児院を切り盛りして子供達を育ててきた。もうひとりの英雄クラスのルドルフも彼女の孤児院出身の男だよ」
ティーグルで何をしていたのかを話す八雲にエルドナは少し顔を暗くする。
「レベッカが……孤児院ですか……」
「どうかしたのか?」
エルドナの様子を見て不審に思った八雲が問い掛けるとエルドナは我に返ったように笑顔を作り、
「いえ、何でもありませんわ!さあ、話しを戻しましょう」
無理矢理感のある話題の変更を見せるが、八雲は何か理由があるのだろうと敢えてそこは突っ込まずに話しを進めていった―――
―――レオパールでの会談も良好に終わり、別室に移った八雲達
「改めて……このふたりのことを話そう」
別室のテーブルに着いた八雲とノワール、そしてラーンにグラハムド。
向かいにはエルドナ、エヴリン、そしてエディスの三人が座っていた。
「彼女は堕天使ラーン、そしてこちらの彼女が―――魔神グラハムドだ」
その名前に硬直するほど緊張感を走らせるエルドナ達三人。
このレオパールでルドナによって召喚された魔神が今、この世界の魔族の姿に変わって目の前にいるのだ。
緊張するなと言う方が無理だろう。
「我はこの地に召喚されし魔界の七十二柱アンドロマリウスの血統に連なる魔神グラハムドだ。今は主となりし九頭竜八雲様に従う身であり、この国に危害をもたらすようなことはしないと誓う」
表情を強張らせる三人の様子を見て、グラハムドが先に危害を加えないと宣誓した。
その様子を見ていたノワールが、
「なんだ?エヴリン、お前このようなことでビビッているのか?んん?」
と、ワザと煽る様な声色でエヴリンをニヤニヤとした表情で見る。
「なんですって!?馬鹿にしないでちょうだい!ちょっとだけ驚いていただけよ」
と、取り繕うようにして答える。
「エディスはそうじゃないみたいだが?」
隣にいるエディスを見て、ジト目で告げるノワールの言葉にエヴリンがエディスを見ると、
「はわわわっ……やっぱり直接そう名乗られると怖いですゥウウ」
と、涙目で震えているエディスがいた。
「エディス……」
見栄を張ったエヴリンもこれには気が抜けてしまった。
「心配するなエディス。グラハムドは敵対しない限り自分から襲い掛かるような真似はしないから」
八雲の言葉でようやく落ち着きを取り戻していくエディスは、涙目を拭って、
「失礼しました!お話の続きをどうぞ」
と、八雲に話の続きを促した。
「そうだな、今のこのふたりの立場は俺の直属の秘書官ということにしてある。この旅の間、各国と顔合わせをしながら俺の手伝いをしてもらう」
「―――というのは建前で本音は性奴隷なのだろう?」
「ッ!?ノワールさん!?」
冗談めいた声で横槍を入れるノワールと、その『性奴隷』という言葉に澄ました顔をしながらも頬をほんのり赤くするラーンとグラハムド。
「ンンッ!!八雲様が精力旺盛なのは我等『龍紋の乙女』としては頼もしい限りではありますが……魔神と堕天使までもとは、命知らずにも程があるのでは?」
「肝に銘じておきます……」
真顔でツッコミを入れるエルドナに八雲も恐縮する。
「どちらにしても魔神と堕天使の件は八雲様とノワール様に一任するしか我等には何かあっても対応出来ませんから」
「心配するな。その時は我が吹き飛ばして護ってやろう」
ノワールの不敵な笑みからもたらされる安心感を得て、エルドナは次に、
「それで……ルドナのことなのですが」
インディゴ公国で最後を迎えたレオパール魔導国の元三導師、ルドナ=クレイシアについて触れるのだった―――




