シュヴァルツ出発
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―――ラーンとグラハムドを解放した翌朝
昨晩はあの後、自室に戻らせて休むように伝えたラーンとグラハムドは素直に八雲の命令に従って自室に戻り、《魔神拘束》で攻め続けられて疲労した身体を休めた―――
そして翌朝の朝食時に起きて来たふたりは、
「オオォ……似合ってるな!」
朝食の席に現れたラーンとグラハムドはお揃いの黒のタイトスカートに八雲のコートと同じ意匠でデザインされたルドルフやシリウスが着ている黒いジャケットを羽織っていた。
「この衣装は主の造った物か?」
グラハムドは袖周りやタイトスカートに触れながら八雲に問い掛ける。
「ああ。その服だけでも鎧並みの防御力は余裕である。何しろ黒神龍の革を加工して造っているからな」
「なるほど……しかし、下半身がやたらとスースーするのだが?」
短いタイトスカートがコントラストになって白い太腿を強調し、大人の女の色気を振り撒くグラハムドだが、履き慣れないスカートにモゾモゾと腰回りを気にしている様子だった。
「それは完全に俺の趣味だ!変更も意見も一切聴きません!」
すると今度はラーンが困ったような表情で八雲に問い掛ける。
「我が主、翼を出していてはいけませんか?」
「ダメだ。お前の翼は地上では目立つし、第一翼を持った人類はいないから、悪目立ちし過ぎて注目の的になる。これからお前にもグラハムドにもオーヴェストの各国を回るのに着いて来てもらうのに、翼があると余計なことに巻き込まれる可能性がある」
「……分かりました」
ラーンは不満そうにしていたが、これ以上反論すると例のピアスが動き出すかも知れない。
そう思ったらあの異空間に閉じ込められた時の触手拷問を思い出して、正気ではいられなくなってしまう。
そう考えたラーンは翼を隠したまま、八雲の指示を待つ。
「いい子だ……丁度いいから皆にも伝えておくよ。ラーンとグラハムドは暫く俺の秘書官というポジションについてもらう。これからオーヴェストの各国を回って黒神龍学園のことを話し合うのに着いて来てもらうことにした」
食事の場に来ていた全員に八雲がそのことを宣言する。
するとその中から、ラピスラズリが八雲に訊いた。
「ラーンも連れて行くの?」
「ああ。だからその間は引き続きラピスは天空基地の管理者代行を務めてもらう。頼むぞ」
「う、うん……分かったよ!」
一瞬戸惑ったラピスラズリだったが、八雲が信用して任せてくれたことに改めて力強く頷き、その信用に答えることを決意する。
するとラーンがラピスラズリに視線を合わせて、そっと右手をラピスラズリに翳す。
ラピスラズリは何だ?と戸惑っていたが、ラーンの右手が仄かに輝いたかと思うと光はラピスラズリの全身を包み込み、そして一瞬強く輝いて、ラピスラズリの身体の中に吸い込まれるようにして消えていく。
「……今のは?」
「このラーン天空基地の移動と施設の使用権限を一時的に貴方に移譲しました。これで主と私がいなくても、貴方の意志でこの天空基地は動かせます……頼みますね」
「ラーン……ありがとう」
ラーンから『天空基地の権限』を受け取ったラピスラズリは、普段は無表情で文句を言ってきていたラーンの頼むという言葉に、八雲と同じく責任を感じながらも任された任務を全うしようという意志を固める。
「よし、それじゃあ午後には出発するから。最初はリオン議会領に向かう」
八雲の宣言に出発の準備に入るのだった―――
―――天空基地の船渠に集まる使節団。
今回の各国との話し合いに向かうのは―――
九頭竜八雲
ノワール
アリエス
サジテール
ラーン
グラハムド
ユリエル
アマリア
シリウス
そしてシェーナ達チビッ子四人とファンロン
さらに葵御前、白金、七野
―――以上が八雲と一緒に各国を回る。
他の者達は天空基地で冬季休暇を楽しむように促されていた。
「アクアマリン。マダム・ビクトリアには各国との話し合いが終わったら訪ねるって伝えておいてもらえるか?」
見送りに来た一団の中で白い妖精のアクアマリンに八雲は告げる。
「ええ、承知しました。必ずお伝えしておきます」
「クレーブス。城と特区のこと、くれぐれも頼んだぞ?」
ノワールも見送りに来た序列三位のクレーブスに黒神龍特区のことを頼むと告げる。
「お任せ下さいませ」
眼鏡をクイッと指で上げて笑顔で見送るクレーブス。
「それじゃあ、乗船しよう。行ってきます」
見送りに来た皆にそう告げて、八雲は天翔船黒の皇帝のタラップを昇る。
全員が乗り込み、タラップが仕舞われると、艦橋にいたディオネが出発の準備に取り掛かった。
艦橋には新たに子供達専用の席を造り、そこから外の景色が一望出来るようにしている。
アルファ達チビッ子騎乗用の地獄狼達もそれぞれの主の横にちょこんと座り、尻尾を振って一緒に外の景色を見ていた。
最近の子供達はノワールやアリエスと一緒じゃなくてもアルファ達と一緒にベッドに入り、大人しく眠れるようになっていて、ノワールは寂しいと感じながらも子供達の成長に喜んでいる。
そんな子供達とファンロンがキャッキャ!と外の景色にワクワクしている中で、
「―――マスター。いつでも出航可能です」
ディオネの落ち着いた声が艦橋の中で響いた。
「よし!黒の皇帝出航だ」
「了解―――重力制御部に魔力注入、後部風属性推進部展開―――発進シーケンス良好、微速前進」
ディオネの流れるような出航のチェックを聞いて専用の座席に着いている子供達も、いよいよ動くと目をキラキラとさせて景色から目が離せない。
全てのハッチが閉じられ、クレーン等が撤去された黒の皇帝は船渠から浮上して静かに前進を始めると、天翔船専用の通路を発着ゲートに向けて加速していく―――
―――そして発着口から飛び出すと、
黒の皇帝は一路リオン議会領に向けて飛び立つのだった―――
―――安定飛行に入った黒の皇帝では、
八雲の自室に集まる者達がいた。
「それで?このふたりはもう許してやったという訳か?八雲」
ソファーに腰掛けて褐色の太腿を剥き出しにして脚を組むノワールが、隣の八雲に問い掛ける。
すると反対側に座っていた葵御前が八雲にしな垂れ掛かりながら、
「ノワールよ、我等の主様は寛大な御方ではあるが誠意を重視なさる益荒男。今のふたりにはその誠意を示すための試練を受けておるところ♪」
にやりと厭らしい笑みを浮かべてノワールに告げた。
三人の座っているソファーの向かいにはラーンとグラハムドが直立して立っている。
「試練だと?それは何だ?見たところ服装以外は以前と変わらんように見えるが?」
新たな装いをしていること以外に違いの分からないノワールが首を傾げていると、葵がまたニヤリと微笑み、
「ふたりには主様特製の従属の輪がハメられておる♪」
「従属の輪だと?グラハムドの首に巻かれた隷属の首輪とは違うのか?」
当初、従属したグラハムドの首に巻かれている隷属の首輪のことかと思い指差したノワールだったが、
「ふたりとも、スカートを捲ってノワールに忠誠の証しを見せてみろ」
黙っていた八雲がふたりに向けて命令口調で告げる。
「うっ……/////」
「くぅ……/////」
その命令を聞いた途端に顔を赤くする魔神と堕天使だったが、八雲の瞳は命令を取り消すつもりなどないと無言で告げている。
仕方なくふたりは恥じらいながらも黒いタイトスカートをゆっくりと三人の前で捲し上げていく。
そして、その下から現れたのは―――
「なっ!?―――それは……そういうことか……/////」
―――ノワールの目に飛び込んで来たのは、ショーツを履いていないふたりのなだらかな下腹部のラインと、その下にぶら下がるピアス型の黒いリングだった。
そしてその場で八雲が指をパチンと鳴らした途端に、その黒いリングが微細な振動を開始すると―――
「―――アアアアッ♡♡!!ダメだっ♡!あるじぃ~♡♡!!/////」
「―――ンアァアアッ♡♡!!そんなっ!やめっ!んんっ♡♡!!/////」
―――クリトリスに付けられた八雲のリングが躍り出して、その振動がダイレクトに性感帯を刺激してきたことでラーンとグラハムドはその場に立っていられないくらいの快感に襲われた。
そのふたりの様子を見ていたノワールは、
「エグイ物を着けているではないか……だが、それ、気持ちいいのか?/////」
顔を赤くしながら不意に問い掛けると、八雲はニヤリとして、
「なんだ?ノワールも着けて欲しいのか?」
顔を赤くしているノワールの顔を覗き込むようにして問い掛ける。
「バ、バカッ!我がそんな物に頼ったりするか!……我が欲しいと言ったら、いつでも抱いてくれるだろう?/////」
抱き着いて上目遣いで見上げる可愛い態度のノワールに、今度は八雲がドキン!と胸が弾んだ。
そしてふたりのピアスの振動を止める八雲。
「これからいつ何時も、今みたいにピアスが震えて悶え声を上げることになるかも知れない。自分達の誇りを守りたいなら精々恥を掻かないように気をつけておくことだ」
「……承知しました/////」
「……はい/////」
理不尽な状態だが八雲と隷属の契約を交わしている魔神と堕天使には、八雲の命令に従わない訳にはいかない。
ふたりの契約はそれこそ根源であるふたりの魂に刻まれている契約のため、人間同士が交わす契約とは次元の違う拘束力を持っている。
しかし八雲が矯正しようと思っているのはふたりの不遜な態度や考え方であり、一度上下関係を骨の髄まで叩き込む必要があると考えて、このピアスをふたりに施したのだ。
そして、これからラーンとグラハムドはオーヴェストの各国で八雲のリモコン責めを受けていくことになるのだった―――
―――リオン議会領では、
「お父様、もう間もなく八雲様とノワール様がご到着なさるとのことですわ」
議会領の代表であるジョヴァンニ=ロッシ議長の娘カタリーナは、愛しい八雲からもたらされた到着の報を父のジョヴァンニに告げた。
「そうか。しかし本当にその『伝心』という能力は便利なものだね」
カタリーナは八雲とリオン議会領を繋げる連絡係にもなっている。
「ええ、本当に。これが魔道具などで再現出来れば世の中がひっくり返るくらいの発明になるでしょうけど」
カタリーナが言っているのは所謂、電話の機能を有した魔道具のことである。
しかしそのような希少能力の付与を可能とした魔道具は発明されていない。
八雲は『創造』出来なくはないが、それはあくまで身内だけに留めた限定的な使い方になってしまう。
そんな会話をしながら、カタリーナは八雲の到着を心待ちにしていた―――




