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黒神龍の御子になった異世界冒険譚~最強ドラゴンの夫になって異世界無双~R15ver.  作者: KAZ
第16章 オーヴェスト=シュヴァルツ連邦編

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建設!ターミナル!

pixivにて新規キャライメージ画像更新中!

※AI生成画像

https://www.pixiv.net/users/15342558


※モチベーションに繋がります!※

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―――首都アードラーへと向かう八雲達


今日は特別急いで走らせることもないので、他の馬車とそれほど変わらない速度で走るキャンピング馬車―――


その中では、八雲とマキシ、それにウェンスとサジェッサが冷蔵庫で冷やされていた飲み物を皆で味わいながら外の景色を見て、八雲が初めてティーグルに来た時の話などを聴かせたりして過ごした。


「それでシャルロットが乗った馬車が盗賊に囲まれていてさ―――」


「―――まぁ!そんなことが」


今では懐かしいシャルロットとの初めての出会いのことからエレファンでの『災禍戦役』の話しなど、八雲の話は尽きることがない。


だが、そんな楽しい会話も黒龍城から首都までの距離では語り尽くせなかった―――


「―――もう首都の外壁が見えてきたな。一旦手前の広場で止めるから」


「うん!お話とっても楽しかったよ。色々驚いたけど……八雲君も大変だったんだね」


マキシの笑顔を見て、そっとマキシの頭を撫でる。


ウェンスとサジェッサはそれを見て羨ましそうにしていたが、八雲はソファーから立ち上がると―――


「此処で一回降りるから」


―――首都の外壁門から距離がまだある場所でキャンピング馬車を停車し、そこで下車する八雲達。


その様子を見て、いつもは通過するはずのキャンピング馬車が外で停車して、しかも黒帝の八雲が下車したことに、外壁門の警備兵達は驚き慄き、隊長を先頭にして必死な形相で八雲の元まで走ってきた。


「こ、黒帝陛下ァアア―――ッ!!!ハァハァ!い、如何されましたでしょうかっ!?何か問題でもっ!?」


隊長が息を切らせながら八雲に矢継ぎ早に問い掛ける。


「ああ、驚かせてゴメン!いや、今度オーヴェストの国々を繋ぐ新しい馬車の計画を立てたもんだから、その乗り場を造る場所を見ていたんだ。此処なんかいいんじゃないかって思って」


「此処……ですか?しかし、此処は何もない草むらですが……」


そう言った隊長が辺りを見渡すが、そこは八雲の整備した道路の端になる場所で平坦であること以外は岩や木々も所々にある草むらにしか見えない。


「これから整備していくのさ!それよりこの土地は王家の所有でいいのかな?」


「は、はい。確かにこの場所は王家の所有となりますが……」


「そうか。だったら―――」


そこで八雲は黙り込み、目を瞑ってしまったので隊長も警備兵達も静かに見守っている。


「えっ!?いや、いいって!そんな大層な話じゃないから―――ちょっとっ!?」


突然声を上げて大きな声で独り言を言い出した八雲に警備兵達はビクリと身体を震わせていく。


「ちょ、ちょっと、ヴァレリア!ああ……『伝心』が切れた……参ったなぁ」


ひとり呟く八雲に隊長がどうしたのかと思って、


「あの……黒帝陛下……何か御不審な点でも……」


と、恐る恐る問い掛けてみる。


「あ、うん。別に大した話しじゃないんだけど……」


「はい……」


「王様達も此処、見に来るって」


「はい?……ハァアアイィイイ―――ッ?!」


想いも寄らない八雲の言葉に、隊長も警備兵達も顎が外れそうなほどに驚き絶叫していた―――






「―――黒帝陛下はいつも突然に事を起こされますな……」


呆れたような顔で話し掛けてきたのは、シュヴァルツ包囲網で八雲と戦場を駆けたラルフと、


「おい、ラルフ!―――黒帝陛下に対して不敬だぞっ!」


それを諫めるラースとナディアだった。


外壁門の外にエドワード公王とエアスト公爵クリストフ、それに皇太子のアルフォンスと王女ヴァレリアに公爵令嬢シャルロットまでが勢揃いして草原にやってきたのだ。


そのことで警備の役を担うラルフ達はてんやわんやの大急ぎで準備を済ませて、こんな場所までやって来たことに文句のひとつも言いたくなる気持ちは八雲も分からなくはない。


「いや、俺が呼んだ訳じゃないんだけど?この場所を使いたいって言ったら、直接見に来るって言い出したのはそっちだし」


八雲からすれば俺は悪くないだろう!という主張を込めてジト目でエドワード達を睨む。


「ハハハッ!いやぁ黒帝殿が例の馬車の停泊所になる場所を造ると聴いては、直接見に来ない訳にはいくまい!」


エドワードは悪びれずに笑い飛ばしていて、八雲の視線など気にしてはいない。


「申し訳ございません八雲様……ここを使ってもいいのかをお父様に御伺いしたら、ご自身も見に行くと言い出されてしまいまして……」


困ったような笑顔で申し訳なさそうに告げるヴァレリア。


「いやヴァレリアは悪くないから」


「そうそう!八雲殿が何かするなら、この目で見ておかないと損した気分になっちゃうからねぇ~♪」


クリストフは軽いノリのバージョンでそう告げてくると、其方には辛辣な表情を無言で向ける八雲。


「せめて声に出して言ってよ……その顔怖いよ……」


無言の圧力にクリストフは縮こまるようにして下がっていく。


「はぁ……それで、この場所は結局使ってもいいの?」


「うむっ!勿論だとも!是非ともどういう物を造るのか、先に説明してもらえると有難いが」


そこで八雲は黒龍城で使った予定図面を《投影プロジェクション》でエドワード達に見せる。



挿絵(By みてみん)



「ほほう!なるほど……この様な形にするのか」


エドワードは《投影プロジェクション》を眺めながら声を上げて驚くと、隣で見ていたアルフォンスが八雲に問い掛ける。


「この真ん中の魔法陣は何の魔術なんだ?」


「ああ、そこで停車している間に地脈から馬車に魔力を充填させる予定にしているんだ」


「魔力の充填だって!?そんな強力な魔力を集められる魔法陣があるのか?」


アルフォンスが驚くのも無理はない。


普段から調理場などの生活用の魔術としてコンロ変わりの小さな規模の魔法陣は、使用していない間に空中に漂う微細な魔力を集めて稼働するのだが、魔法陣の大きさに関わらず空気中の魔力は微細で、精々は調理に利用する程度しか集められない。


八雲の乗り物は盗難防止も含めて膨大な魔力を吸い取ると聞いていたアルフォンスは、それが気に掛かっていた。


「それについてはもう解決策は考えてあるから。取りあえずは此処の整地だけでも先に済ませておくか」


そう言ってしゃがみ込んだ八雲は、両手を草原の大地に着けると―――


「―――《土属性魔術基礎アース・コントロール》!!!」


―――膨大な魔力をその大地に流し込んでいった。


すると―――




―――八雲を中心として周囲の草原に生えた草達が、ズブズブと大地に飲み込まれるようにして沈んでいく。


―――同じく傍にあった岩や木々も大地に仕舞われるかの様にして沈んでいった。


―――次に剥き出しの地面になった場所に、今度は地中から湧き出す様にしてセメント状の成分が滲み出す。


―――その道が図面通りに街道となっている道に繋がり、そして中央のロータリーロードも途端に整備され、美しい円形を描いていった。




「よしっ!道はこんなもんだなっ!それじゃあ―――次だっ!!」


さらに魔力を注ぎ込む八雲―――


―――すると今度は到着用のホームと出発用のホームが、地面から建ち上がった鉄筋を基礎として、見る間に建設されていく。


―――最後に巨大な貨物集積場となる施設を渾身の魔力で次々に建ち上げ壁を造り、光も取り入れ出来る様に二階部分には大量のハメ殺しのガラス窓まで広げて取り付けていく。


そうしてメンフィスの言っていた魔力針と魔法陣の設置だけ残して、ティーグルのターミナルは形としては完成した―――


「フゥ……ざっとこんなもんかな……んっ?どうしたんだ?」


静まり返った周囲の様子に八雲が不思議そうな顔で周囲を見渡すと、エドワード達や警備兵だけでなくマキシとウェンス、サジェッサまで口をポカーンと空けて驚いて固まっていた。


それどころか街道を行き交っていた一般の人々まで立ち止まって八雲の大魔術を見て驚いていた。


そんな静寂の中で―――


「スゴイですわっ!八雲様っ!これでわたくしも馬車に乗って旅行に行ったり出来ますわね☆」


―――興奮して八雲にじゃれつくのはシャルロットだった。


「シャルちゃん!?旅に出るってパパはどうするの!?」


「お留守番です」


「そ、そんなァアアッ?!」


シャルロットのお留守番発言に肩を落として今にも倒れそうなクリストフを見て八雲が、


「まぁまぁ公爵、俺の故郷には『可愛い子には旅をさせろ』って諺があるくらいだし」


揶揄い半分で諺を教えてやる。


「ハァ?可愛いシャルちゃんに旅なんかさせたら世の中の男共が群がって無事で済む訳がないだろう!何言ってんの?馬鹿なのかい?」


「ウワッ!その顔ムカつくのに言ってることには激しく同意してしまうから文句が言えねぇ……」


まるで虫を見るような顔で言い返してきたクリストフに八雲もイラッときたが、シャルロットが一人旅しているところを思い浮かべたらクズ野郎達が群がって慰み者にされるシャルロットが容易に想像出来てしまってクリストフの意見に反論出来ないでいた。


「もうっ!わたくしはもうレディーです!一人旅くらい簡単にできます☆」


そう言って腰に両手を当てて、プクリと頬を膨らませるシャルロットに八雲とクリストフはホッコリと癒される。


今、この場にクリストフの妻であるアンヌがいれば、間違いなくふたりとも頭を木槌でヒットされていてもおかしくないほどに笑顔が気持ち悪くなっていた……


「……いいかいウェンス、サジェッサ。あれがシャルロットの魅力だよ。しっかりと憶えておいてね」


「はい、マキシ様!」


「ですが……私が同じことをしても、おかしくはありませんか?」


「ちょっとやって見せて」


マキシの言葉に素直に従って、両手を腰に当てて頬をプクリと膨らませて眉を寄せて怒った素振りをするサジェッサ。


「うわっ!これはこれで、可愛い……/////」


蒼天の精霊(シエル・エスプリ)のセカンドであり、普段は凛々しい武人のような美人のサジェッサのギャップにマキシはキュン♡ と胸を掴まれる。


「クッ!サジェッサ!!それだけの素振りで可愛くなれるなんて、恐ろしい子!!」


ウェンスは親指の爪を噛みながら、嫉妬に濡れた瞳でサジェッサを見る。


「なんでそんな可愛いことしてんの?」


「ヒャアァアッ?!―――や、八雲様!これは、その……/////」


突然現れた八雲に見られてしまったことで、動揺するサジェッサだった。


「エヘヘッ♪ 今ね、シャルロットみたいな可愛い素振りを皆で学んでいたところだよ♪」


笑顔で素直に答えるマキシ。


八雲には素直に話した方が好印象を持たれると、マキシは信じているし実際にその通りだった。


「なるほど……だったらサジェッサ、さっきのポーズを取って『別に八雲君のために、可愛くしようだなんて思ってないんだからね!』って言ってみて」


「えっ!?ですが……」


「いいから!いいから!ほら―――」


八雲に促されて、もう一度両手を腰に当てて頬をプクリとしながら、


「―――べ、別に……八雲君のために、可愛くしようだなんて、思ってないんだからね……/////」


「グハッ?!何というギャップ萌え!頬を赤く染めるところまで完璧だった……」


「―――絶対に揶揄って遊んでいますよね!八雲様!!/////」


「アハハッ!―――ゴメンゴメン!!」


それから、八雲はエドワード達に明日此処で魔力針と魔法陣の設置を行う旨を伝えて、それならば!と明日またエドワード達も参列することに決まって皆はアークイラ城へと引き上げていく。


その時、ヴァレリアとシャルロットのふたりがマキシ達に振り返りながら―――


【―――頑張ってくださいね!マキシ様☆】


【お二人も八雲様と仲良くなれたらいいですわね♪ 応援しています】


―――と、マキシにだけ伝わる様に『伝心』を飛ばす。


【ふたりとも、ありがとう。うん、頑張るね!】


その声援に笑顔を添えた『伝心』で返すマキシに八雲は首を傾げたが、


「さて、長く掛かっちまったけど、待たせたな!それじゃあ首都をゆっくりと回ってみようか?」


八雲の言葉にマキシ、ウェンス、サジェッサは笑顔で頷くのだった―――



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挿絵(By みてみん)



2023.07.27


アンソロコミック発売開始!


チート×セックス アンソロジーコミック


■2023年7月27日■


只今発売中です!!

漫画をご担当くださいました森あいり先生!本当にありがとうございました!!

商業案件はこれにて終了ですがこれからも、どうぞ宜しくお願い致します☆


レビューも記入して頂けますと励みになりますので、宜しくお願い申し上げます。

感想頂いてとても励みになります!

誤字報告も本当にありがとうございます!


これからも宜しくお願い申し上げます!

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