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黒神龍の御子になった異世界冒険譚~最強ドラゴンの夫になって異世界無双~R15ver.  作者: KAZ
第16章 オーヴェスト=シュヴァルツ連邦編
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進む!トレーラー・ターミナル

pixivにて新規キャライメージ画像更新中!

※AI生成画像

https://www.pixiv.net/users/15342558


※モチベーションに繋がります!※

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―――各国にターミナルの建設を立案した八雲


『思考加速』によってそのターミナルの概要を頭の中で設計し、図面化していく―――




―――基本的に魔法陣を中心にしたロータリー形式にする。


―――到着ルートに進入したトレーラーを到着ホームに着けて客を下車させる。


―――次に別棟で建設した貨物集荷場に届いた荷物を降ろす。


―――その後に魔法陣のある駐車場に停車させて、魔力を充填させる。


逆に、出発する際は魔法陣から魔力を充填した馬車が出発して、ロータリーを通り集荷場に向かう―――


そこで貨物を搬入して、次に発車ホームに向かう―――


発車ホームで客を乗車させて、そこから発車ルートに入って道路に出る―――




―――それら一連の作業をイメージ化して図面化したものを、八雲は《投影プロジェクション》で皆に見えるようにして説明していった。



挿絵(By みてみん)



投影プロジェクション》に映し出された図面を確認していくクレーブスとドクトル・メンフィスに八雲はゴクリと息を飲む―――


龍の牙(ドラゴン・ファング)の頭脳と大陸一の大賢者が覗き込んでいるのだ……


まるでテストの答案を目の前で採点されている気分になる八雲だが、


「ふむ……特に問題はないと思うが」


「私も同意見ですね。唯一点だけあるとするなら、それは―――場所の確保です」


ふたりの言葉にホッと胸を撫で下した八雲だが、クレーブスからの指摘は尤もなポイントだ。


「先ほど君が『索敵』で見た大地の魔力回路に対して、これだけの施設が必要な敷地が建設出来る場所、そして正確に魔法陣を展開・固定出来るだけの術者が必要だ。君は魔法陣を展開出来るのかね?」


メンフィスの質問に八雲は渋い顔で答える。


「魔法陣については正直言ってよく分かっていない。俺は魔術を展開する時の魔法陣はどちらかというと、この魔術の魔法陣だと感覚で感じ取っていると言った方が正しい」


八雲の返事を聴いたメンフィスは顔を顰めて、


「九頭竜君、さては君……魔術が下手くそだな?」


「何故分かる!?いや、でも最近はそれほど外さないし暴走もさせてないから―――」


「―――魔術の構成を示す魔法陣を理解しないまま魔術を振るうなど、いつ暴走してもおかしくない状態だぞ?」


「そうなのかっ!?でも、誰もそんなこと教えてくれなかったぞっ!?」


そう言ってブンッ!と勢いよくクレーブスに視線を向けると、クレーブスが同じタイミングで視線を逸らした。


「……おい、クレーブス……どういうことだ?」


「えっ?……いや、八雲様が魔術を普通に発動していたので、てっきりそこは理解しているものかと」


「この世界に来たばかりの時は、何回も危ない目に遭ってたよな?大爆発とかしてたよな?」


「―――ですから!その魔術の発動自体が魔法陣を理解していなければ普通は展開しないんですよ!」


「えっ?……そうなのか?」


今度はドクトル・メンフィスの方に視線を向けて問い掛ける。


「ああ、クレーブス先生の発言は正しい。魔術の発動には魔法陣を理解していることが大前提だ」


「でも、この前の闘技場でシェーナ達も突然魔術を使ったけど、あの子達だって理解してないだろう?」


「それが君の場合と恐らく似ているのだろう。魔法陣を理解していないが、こうしたいという強い意志と感情に押されて強引に魔法陣が展開して発動していた。だが、それは所有している魔力によっては暴走してもおかしくはない状態だ」


この世界に来て半年以上過ぎて、初めて知った魔術と魔法陣の関係に暫し呆然とする八雲……


だが、そこからメンフィスが続ける。


「君の場合、かなり大がかりな魔術も使いこなしているところを検証すると、我々とは魔術の発動条件が違うのではないだろうか?それによって魔法陣が展開し、魔術が発動する仕組みなのだと私は推察している」


「俺の魔術発動条件……俺は頭の中で魔術の名前が並んだリストがクルクル回転するみたいになって、選択出来るんだ。それで使いたい魔術を選択すると魔法陣が展開されて発動する」


「なるほど……やはり異世界人というものは御し難い者達だな。そんな展開方法やイメージは我々には無いし、聞いたこともない」


メンフィスの溜め息混じりの返事を聴いて、クレーブスに視線を移すとメンフィスと同意見だという意味で頷く。


「君の魔術発動条件は我等からすれば簡素化されている能力に見える。魔法陣をイメージする必要もなく選ぶだけで使用出来るのだからな。それで熟練度が上がっていって自分のイメージに近い力で使いこなしているのだろう」


「こっちに来て半年で解明された俺の魔術スロットの意味……しかも下手くそだった理由まで」


「簡素化された能力に頼るのも構わないが、自分からそれぞれの魔術についての魔法陣を理解していけば、安定化や扱い方も変わってくるかも知れん」


「ありがとうよ。時間が出来たら勉強してみる」


「うむ。場所が決まったら教えてくれ給え。魔力針の打ち込み方をお見せしよう。その後の魔法陣についてはクレーブス先生にお任せしても?」


「引き受けましょう。それと、八雲様の魔術の件……出来るからと放置していた私の責任です」


「いや、九頭竜君の事例は極めて珍しいことだ。我等の感覚ではその内面的な認識、行動の違いを見極めることは難しい。気にされないことだ」


そう言い残してメンフィスは、メリーアン達を連れて再び第二の『蒼の書』の研究に戻っていった―――






―――それから八雲はティーグルのターミナル建設地選定のため、首都アードラーに向かうことにした。


黒龍城の門の前に立って、魔術飛行艇エア・ライドを出そうとしていたその時―――


「―――何処かに行くの?八雲君」


城の出入口の方向から名前を呼ばれたので振り返ると、


「ああ、マキシ。これから新しい馬車の発着場を決めるのに首都まで行ってくるつもりだけど?何か用事か?」


そこに立っていたのは、マキシとウェンス、そしてサジェッサの三人だった。


「だったら!僕達もご一緒してもいい?」


心成しか強めの語気で問い掛けてくるマキシに八雲は断る理由はないものの、


「別に良いけど、ああ!だから三人ともそんなにお洒落していたのか?買い物にでも行くつもりだったのか?」


三人の普段着とは違う、外出用に見える洒落た服装を見て、八雲は三人で出かけるつもりだったから一緒に行きたいということかと思い込んでいた。




マキシは白いブラウスに青色のロングスカート、上には水色のニットストールに腕を通して身体を覆っている―――




ウェンスは幅広い襟で全体が水色の大きめボタンのブラウスと、紐で結んで腰元が細く見えるビジュアルのロングパンツ姿をしている―――




サジェッサは背中開きデザインのグリーンのワンピースで、全体に施されたステッチデザインがポイントになっていて、ボレロを着用しているようなバックスタイルと背中開きのデザインで大人な女性を演出している服を着こなしていた―――




八雲の問い掛けにマキシはニコリと笑顔を浮かべて―――


「僕達―――八雲君とデートがしたいと思ったんだ」


―――と、全くもってストレートな想いを告げる。


「えっ!?俺と?そ、そうか。それは嬉しいけど三人一緒で、俺とデートするのか?」


その質問にはウェンスとサジェッサの表情が曇ったことが見るからに分かって、八雲は内心「しまった」と言葉を誤ったと思ったが、それでもマキシの笑顔は変わらない。


「うん、そうだよ。僕達三人共、八雲君とデートがしたいんだ。ダメ……かな?」


マキシも八雲が今、忙しいことは理解しているので、無理に頼むつもりはない。


これから先、タイミングはいつでも合わせられるのだから。


だから、無理に今日じゃなくてもと言おうとした時―――


「―――いいぞ。勿論断る理由なんてない!でも先にアードラーで場所の下見することになるけど、その後からでもいいなら一緒に行こう」


「うん!―――ありがとう!!/////」


「感謝しますわ!/////」


「ありがとうございます/////」


頬を少し赤らめた三人の眩しいくらいの笑顔を見られて、八雲は承知してよかったと思わず自分も笑顔になる。


「よし!それじゃあキャンピング馬車で行くか!」


八雲は乗り物を魔術飛行艇エア・ライドからキャンピング馬車に変更して『収納』から取り出すと、マキシ達と一緒にそれに乗って黒龍城を出発する―――


―――だが、


その様子を黒龍城の塔の天辺から見下ろして見ていた者がいた―――


「……今度はマキシ様達か。ホント……上手く嚙み合わないなぁ」


―――鋭く細めた瞳を遠ざかるキャンピング馬車に向けているラピスラズリ。


塔の天辺から掻き消えるように姿を消して、そこは再び風が流れるだけの静寂に戻っていた―――






―――黒龍城を出発した八雲達


「でも、突然だったから驚いたけど今日のこれはマキシが考えたのか?」


「うん、ゴメンね。急に声を掛けて」


キャンピング馬車の車内にある先頭側を囲う様に設置してあるソファーに座って話す八雲達。


「それはもういいんだ。でも三人で急にどうしたのかなって思ってさ」


そこでマキシは柔らかい表情のまま、八雲に告げる。


「ねぇ、八雲君にとってはノワールも龍の牙(ドラゴン・ファング)の皆も、大切な存在だよね。それが僕にとってはセレストであって、蒼天の精霊(シエル・エスプリ)の皆なんだ」


そこまで言って、何かを目配せするようにウェンスとサジェッサに視線を送るマキシ。


「マキシの言う通りだけど、改まってどうしたんだ?」


そこで意を決したようなウェンスが神妙な面持ちで、


「あの……八雲様……わたくし、貴方様のこと―――」


そして覚悟を決めた表情に変わった。


「―――好きですっ!!!/////」


ウェンスに先んじて、そう大声で叫んだのは―――サジェッサだった。


「えっ!?サジェッサ、俺のこと―――」


突然の告白に問い直そうとした八雲だったが、


「―――ちょっとサジェッサ!!ズルいですわっ!!今、わたくしが好きと告白しようとしておりましたのにっ!!」


自分も好きなことを盛大にバラしながら、もの凄い剣幕でサジェッサに抗議するウェンス。


そんなふたりに思わずポカーンとした表情で固まった八雲。


「ちょ、ちょっとふたり共、落ち着いて」


突然の剣幕に驚いたマキシもウェンスをまずは落ち着かせようと宥める。


マキシの作戦ではこの段階で、まずは八雲のことをもっとよく知りたいという話をしてから互いのことをよく知って、そして今日の間に告白出来るところまで行ければいい、という予定で考えていた。


だが、ここでサジェッサが抑え切れずに告白したことで、当の八雲は完全置いてけぼり状態になってしまっていた。


「あ、あのね!八雲君!ふたりは決して軽い気落ちで告白した訳じゃなくて―――」


何とか取り繕おうと必死のマキシを見て、八雲は少し可笑しくなってしまう。


「ハハッ!マキシ、いいよ、分かったから!ウェンスとは仲良くしていたから、俺も何となく分かっていたし。でも、サジェッサは正直なところ関わったことが少なかったからさ」


「はい……きっかけは、葵御前に色々と教えてもらったことが発端で」


「おい、ちょっと待って。葵が何したんだ?まさか迷惑掛けたりしてないよね?なんかマジゴメンね?」


「……/////」


「何故無言で赤くなるんだ……アイツ……変なことしてたなら、俺から謝るよ」


「い、いえっ?!八雲様が謝罪されるようなことは何も!それに……御前には本当に感謝しているのですよ」


「そうか……よし!それなら、もうなんか順番が色々大変なことになってるけど、これからウェンスとサジェッサの事をちゃんと意識して色々知っていきたい。そのための一歩ということで、今日を楽しむことから始めないか?」


「そうですわね♪ わたくしは伝えられただけでもよかったですから、八雲様がそうなさりたいのであれば、賛成致しますわ」


「私も賛成です。こうして前に進めただけでも、私は自分が女なのだと更に自覚することが出来ました」


ふたりの同意を得られたところで、八雲の隣でマキシもホッと胸を撫で下した。


八雲は三人を見渡すと、


「それじゃあまずは俺につき合ってもらうから、よろしくな!」


改めて三人に向き合ってキャンピング馬車はアードラーを目指すのだった―――



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挿絵(By みてみん)



2023.07.27


アンソロコミック発売開始!


チート×セックス アンソロジーコミック


■2023年7月27日■


只今発売中です!!

漫画をご担当くださいました森あいり先生!本当にありがとうございました!!

商業案件はこれにて終了ですがこれからも、どうぞ宜しくお願い致します☆


レビューも記入して頂けますと励みになりますので、宜しくお願い申し上げます。

感想頂いてとても励みになります!

誤字報告も本当にありがとうございます!


これからも宜しくお願い申し上げます!

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