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短編とかその他

疲れた現代社会人を癒すためにモフモフ族がお仕事します

作者: リィズ・ブランディシュカ



 私は社会人だ。


 会社に出勤して毎日仕事をこなしている。


 ただし、ブラック企業につとめている。


 そのせいで、毎日ボロ雑巾の状態だ。


 平日だけならまだ良かった。


 でもそれが休日も続いている。


 どんな時でもかまわず会社に呼び出されるから、休日なんてないに等しい。


 そのため、私という人間は、疲れに疲れきっていた。


 資格もない、とりえもそんなにない。


 そんな人間を求めてくれる場所なんて限られている。


 次が見つかるか分からない不安で、今の会社にい続けていた。


 帰り道にみる、ペットショップ。


 ショーケースに顔をのぞかせる動物達を眺めるのが私の唯一の癒しだった。







 その日もそうだった。


 盛大な残業を終えてふらふらで家に帰宅。


 疲れ果てた私は、会社からかえってきてその後、お風呂に入る余裕もなくベッドに突っ伏した。


 ああ、仕事ばかり。


 毎日遊ぶ暇もなくて、ストレスがたまってきた。


 たまには、思いっきり子供の頃の様に遊びたい。


 でも、そんなのできるわけないよね。


 私は子供ではないので、現実を知っている。


 だから、数秒であきらめた。


 非情な現実に死んだ目になった私は、知らない間に夢の中へいざなわれていた。








 俺達はもふもふ族。


 詳しい事はわからんけど、こういう生き物だ。


 もふもふしている!


 やる事は一つ!


 疲れた現代人の夢にでて、もふもふで癒していくのが仕事だ。


 さぁ、今日のえものは誰だ!


 もっふもふにしてやるぜ!


「うーん、仕事がぁ。仕事が終わらないよぉ」

「もっふもっふで幸せにしてやるぜ!」


 俺達はさっそくその疲れた寝言を吐いているOLの夢へお邪魔した。


「もっふ!」

「きゃぁぁぁ、かわいい! えっ、これ夢! 夢よね! なーんだ夢かぁ。でも夢ならはっちゃけてもいいわよね!」


 OLはもふもふな俺達をみて、目を輝かせた。


 夢の中のOLは、子供時代の姿に戻っているようだ。


 周囲にはたくさんの玩具がある。


 仕事ばかりで満足に遊べないのがストレスだったみたいだな。


 よし、今だけは仕事を忘れて全力で遊ぶがいい!


 俺様達が相手だ!


「もふ!」

「もっふ!」

「もふー!」

「あはははは、もふもふちゃん待ってー」


 OLは楽しすぎたせいで、若干精神が幼児退行してしまったようだ。


 人には見せられない姿になってしまっている。


 しかし大丈夫だ。


 どんなに恥ずかしくても、ここは夢の中。


 思うがままにこの夢の中で俺達もふもふと戯れるがいい!


「もふもふもふ!」

「もっふーう」

「もふんもふん」

「えへへへへ。しあわせー」







「はっ、なんだ夢よね」


 起きた、現実だ。


 おはやい再会ですね。


 おはようございます、非情な世界。


 嫌な気持ちもあったが、起きた私は、なぜかいつもよりすっきりした気持ちだった。


 そういえば、お風呂入ってなかったな。


 よくわからないが、若干疲れがとれている。


 かるい足取りでバスルームへと向かった。


 お風呂の中で、なんだけ手がもふもふしたものを求めて、勝手にスポンジをにぎりしめていた。


 うーん、今日の仕事帰りに余裕があったら、いつもは眺めるだけだったペットショップに行ってみようかな。


 そういえば最近、店員を募集してるって貼り紙があったけど、どうなったんだろう。



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