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6話め テストという名の暴力

宿の突き当たりの一室。


陽気な日の光が差し込む部屋には、昨日と打って変わって華がなく薄暗い空気が流れていた。


クロナの顔色は青白く皮膚には冷たい汗がたくさん浮かび、着替えたのか汚れに汚れた制服から簡素な洋服に着替えていた。

「いきなり意識を刈り取られるまで殴られるとは・・・・・・」


「まぁ、あれはクロナが悪いわな」

ガイルはゴライゴはないわ、とゲラゲラ笑うと木で出来たイスに座り込んだ。


「大体ゴライゴってなんだよ、聞いたことも見たこともないぞ」


「ゴライゴは昨日、お前を散々追い掛け回したやつだよ」


・・・・・・どうやら、あの全身筋肉質の獣のことを指していたらしい。

女の子に対して、その表現は・・・・・・シュレリアに対しては有だな。


「とりあえず、悪気はなかったんだ。下の文字を読んだ・・・・・・そういうことか」

どこかで見たことがあると思っていたのだが、ゲームの中かと納得した。

彼らの話によると先のは、通り名らしい。

つまり文字や数字は能力値、称号って言ったところが妥当だろう。


自分のステータスを見てみたが、煙突だらけだった。正直、学校でもらってくる通信簿よりも酷い・・・・・・

ついでに言うと、宿の人のステータスを数十人ほど無断で見たわけだが能力値は全て数十代、更には自分より年下の五、六歳の少女が全てにおいて自分よりも能力値が上なのはショックを通り過ぎて自分は人間としてどうだろうと、本気で考えた。


「情報を取得できるということはクロナの神威かむいは精神干渉系か」

急に考え込むようにガイルは呟くと、面白いなって表情を浮かべ

「お前、これからどこへ行くんだ」


「はぁ、行く所なんて特にありませんけど」

私は異世界から来て行く当てがありません。と、答えるわけにもいかずこれからどうしようと考えるだけで頭が痛い。


「なんなら俺たちについてこないか」

はぁ、異世界に来て急に力が付いたとか、

魔力が数倍に跳ね上がったとかそんなファンタジーないのかな・・・・・・ハ? イマ、コノオジサンナントイイマシタカ?


「お前の事情は良くわからないが、樹海の中を一人彷徨うなんてなんか訳有りなんだろ? 俺らはお前を利用するから、お前は俺らを利用しろ」

これでも俺たちはこの国で強さは上位のほうだとも付け加えた。


「こちらとしては助かりますけど、そちらのメリットが分からないんですけど」


「まぁ、そのうち話すから当面は気にするな」


「・・・・・・分かりました」

陰りがある笑いを向けるゲイルに何あかしら裏があるかもしれないと考えたクロナであったが、

とりあえず、行くところも当てもないので首を縦に振ることにした。






――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「・・・・・・遅いッ」


「ごばぁ!?」


相当の重量があるであろう大剣が、まるで生きている蛇のごとく複雑な軌道を描きクロナにめり込んだ。

シュレリアはため息を吐きつつも更に攻撃の手を休めようとしない。


連続の一撃によりクロナの手からは短剣が落ち、前のめりに倒れこんだ。


「・・・・・・ゲイル。本当にこいつを連れて行くのか」


「シュレリアー、そろそろ前の件を許して少し手加減ぐらいしてやれよ」

ガイルは表情としては苦笑いしながら目が笑っていない。

本気で連れて行く事のメリットとデメリットの差を推し量っているのだろう。


「ちっくしょ、なんでこんなことになるんだよ・・・・・・」

クロナはボソッ、と皆に聞こえぬように毒づいた。




数刻前ガイルがシュレリアとリアーネにお前を連れて行くことを告げてくるわと、言ったのが始まりだった。

そしたら、突然広場に来いと告げられてテストと言う名の暴力に晒されたと言う訳だ。


「くっそ、せめて一撃でもッ!」

せめて攻撃が一度でも入るようにクロナは手に砂を握り目に投げつけタックルを仕掛けようとする。

が、シュレリアはバックステップで軽やかに避けると剣の腹で思いっきり叩きつけた。

転がるようにクロナは吹っ飛ばされるとグッ、と声を上げ倒れこんだ。


「戦いにおいて素人。神威の使用がないということは神威は戦闘タイプのではない」


「まぁ、戦闘タイプではないな」

ガイルはその意見に同意する。

そうか、とシュレリアは納得するとクロナが吹っ飛ばされた方向を睨みながら冷ややかな声を上げた。

「つまり、我々にとって足手纏いだ」







―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「大丈夫? どこか痛い所とか他にないかしら」


「ケガとかよりも心が痛いです・・・・・・」

結局、最後まで一撃も入れられぬままテストという名の暴力は終わった。

神威を出せ、などと何度も言ってきては自分よりも身長の低い女の子にフルボッコに遭って、複雑な心境であった。

そして、その女の子はというと練習といってゲイルとともに武器で撃ち合い辺り一面傷だらけになっている。

とりあえず、言えることはあいつらは人間じゃない・・・・・・

あながち『ゴライゴの首長』って言うのも間違えていないと思う。




そして、今は戦いを終えてリアーネに怪我を治してもらっている。

「それってどういう原理なんですか?」

リアーネの手に宿った光のもやを見ながらクロナは呟いた。


「癒しの神威を見るのは始めてかしら」

手に宿した光を傷口にかざすと傷口が嘘のように癒えていく。

最初にあった擦り傷から切り傷まで全て癒えてしまった。


「神威ってなんですか」

首を傾げるクロナに冗談でしょ、とリアーネは笑ってくるのだが真面目な顔つきと分かったのか嘘でしょ、といった表情を浮かべながら教えてくれた。



曰く、『神威』とは己の精神に潜り精神世界に干渉することにより手に入れる力。

故に同一のものなど存在しないし、効果も様々だという。

そして、国にとっても貴重な人材を掘り出すために十歳の誕生日にダイブすることが親に義務付けられているらしい。


「・・・・・・受けてない」

クロナはボソッと、リアーネに聞こえぬように呟いた。

ゲイルとシュレリアも神威、神威と言っていたが神威とはなんなんだろうかと疑問に思った。

と、いうことはシュレリアが振り回していた明らかに重そうな大剣も神威と言う訳か。と、クロナは納得した。


「あの・・・・・・一つ良いですか」

苦もなくツラツラと説明できたということは、こちらでは常識なのであろう。

十歳の子供でさえ持っていると少し恥ずかしいのだが手に入れられる力ならば欲しい。


「なにかしら」

屈託のない笑顔で言われると少し言いづらいがしょうがない。


「神威が欲しい・・・・・・ので一緒に潜って・・・・・・もらえませんか」


小説作る時って、皆さんどうしてるんでしょうね。

自分はとりあえず日記形式からの肉付けしてるんですが面倒なんですよね^^;

…ゴライゴかー、書いてるあとにMHのラー○○○に似ているじゃんとか思っちゃいました( 

最初は、ライオンとかにしようかと思っていたのですが人間がそれから逃げるのはきつそうなので止めて置いたんですよね。

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