ロボット大
「マオ！ 手を出さないでくださいね！」
「勝てるの？」
「ヤバかったらお願いします！」
「勝手だなあ。」
私は勇者様と共に前に出る。
「勇者様！ こんな時ぐらいお願いしますよ！」
期待はしていませんが。
戦闘開始です！！
「おらァァ！！」
おぉ！ 勇者様が初めてまともに攻撃した気がする。
もしかして剣の呪いになれてきた？
「ぐぅぁああぁあ。」
あらら、一発攻撃しただけで勇者様暴走しちゃった。
気のせいというか、フラグだったようですね。
（キィィィィーーン）
え、？
機械が何やら音を立てて、肩の部分が光を放っている。
「危ない！！」
暴れている勇者様を押してその反動で私は後ろに下がる。
これは一発でも当たったらまずい。
私と勇者様との間が深く削られた。
床も鉄なのに。
削れた所は熱いのか、赤く光っている。
「スパーク！！」
電気の魔法。
機械は強い電気に弱いとおもったが、、、
「吸収されましたね。」
「助けいる？」
マオは剣を手に取る。
「まだ待ってくださいマオ！」
私はマオを止める。
「勇者様！ しっかり。」
「ガァア。」
勇者様の剣が眩い光を放つ。
そしていつもより素早く、鋭く剣を振った。
「勇者様！ スキルを覚えていたのですね！」
「大きな成長ですよ！」
強くなるための第一歩。
でもね、
「一番最初に使った相手が私って！」
「最悪ですよ！！」
構わず勇者様は私に斬りかかってくる。
（キィィィィーーン）
ロボットも次の攻撃準備に移る。
あっちからもこっちからも。
「大丈夫そう？」
ちょっと厳しい。
口を開くと弱音を吐いてしまうので、私は黙って頷く。
「勇者様！ 気をしっかり持って！」
「あ！」
ロボットから出た閃光は私ではなく勇者様に向かって飛んでいった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛。」
おぉ！？
もう駄目かと思ったが、勇者様の剣に閃光が吸い込まれていく。
それから勇者様は剣に引っ張られるようにぐるりと回った。
吸い込まれた閃光が出てきたようで、辺りが光に包まれた。
「魔法使いちゃん、危ないよ。」
襟を掴まれて後ろにやられる。
マオの背中が見えたと思うと、私の横を強風が通った。
何が何やらわからないまま、私はマオの背中から出た。
、！！
私は驚いた。
勇者様は眠っているようだ。
しかし私が目を奪われた物は勇者様にではない。
それの後ろにあったはずの物。
勇者様の何十倍の大きさもあるロボットが崩れ落ちている事に驚いた。
これを勇者様が、、？
「いやいや、驚きました。」
後ろから国王？ の声。
「これで、罪を無くして貰えるのですよね？」
私は冷静を装って国王？ に言う。
「えぇ、もちろんです。」
「疑ってしまって申し訳ない。」
疑っていたのか。
まぁ、普通に罪を犯したしな。
「またいずれお会いしよう。」
国王？ の最後に放ったその言葉が少し気になったが、私達は建物を出て、その勢いのまま街を出た。
