裏ボスというやつですか!
「イオ! 私達も早く先に行きますよ。」
「もう一方の部屋の内装を!」
(はーい!)
私達は急いで部屋の内装をイオの言った通りに変える。
ゴゴゴゴゴッ
「開きましたー!」
「早く行きましょう!」
早足で次の部屋まで向かう。
急に開けた場所に出る。
奥にはマオと勇者様が見える。
「マオ! 勇者様!」
私達は二人の元へ走り寄る。
「あ! 魔法使いちゃん。」×2
え!
マオが二人、、、
勇者様も、、、
「ジイ、わかりますよね?」
「私がマオ様をどれだけ見てきたと思っているのですか。」
「おまかせください。」
ジイがマオを見比べる。
「わかりましたか?」
「わかりませんな。」
え〜。
「それはわかってくださいよ。」
「小娘はどちらが本当の勇者かわかるのですかな?」
私は勇者様達をジッと見つめる。
、、、
「わかりません。」
「ほら見たことか。」
「私そんな長い付き合いでもないですし。」
私は少しふくれる。
でもどうしたものか、
「なにしてんの? 魔法使いちゃん。」
!
「三人目が現れましたな! 騙されませんぞ!」
「この偽物め!!」
ジイが三人目のマオに言った。
「何言ってんの? 爺や。」
「そんな事を言ってもジイの心は揺らぎません!」
「私だよ?」
「まだ言ってるのですか!」
あの、ジイ?
それ多分本物では、
「あ〜、も〜。」
「エィヤア!」
危な!!
マオが剣を一回転に振った。
だるま落としの要領で天井が下がる。
マオと勇者様の偽物も真っ二つに斬られて、残ったのは私とマオだけ、、、
〜蘇生中〜
「マオ! 勇者様! ご無事なようでよかったです。」
「僕、数回死んだけどね?」
「魔法使いちゃん達も無事でよかったよー。」
「"魔法使いちゃん"以外はマオ様に殺されましたぞ。」
「ところで、マオ達の方に魔物はいましたか?」
「そういえばいなかったね。」
「どうして?」
マオ達の方にも私達の方にも魔物はいなかった?
「私が聞いた話では入り口から魔物が複数体出てきたと。」
「おかしいですね?」
「その話は誰から聞いたのですかな?」
誰、から?
「街の人から。」
「どコのですカ?」
「どこのかはわかんない。」
「いつだ?」
「ここに入るちょっと前に。」
「私達、ずっと近くにいたよね?」
あれ? あれれ?
「おかしい、ですね?」
「十中八九、罠でしょうな。」
「ピンポーン♪」
「やあ! はじめまして勇者さん。」
降りてきたのは、男の子。
見た限りの年はマオと変わらないくらいだ。
ん?
「どうしたんですかマオ?」
「しー! 話しかけないで。」
マオは口に人差し指を当てる。
ひどくおびえている。
マオがおびえる程の相手。
私は息を呑む。
「知り合いですか?」
「知らない知らない。」
「マオ! 隠れていてもわかるよ。出ておいで。」
やはり知り合いなのか。
「やだ! 爺や助けて!」
「私にどうしろとおっしゃるのですか。」
てか、マオって本名だったんだ。
「ジイ、誰なの?」
「マオ様に次ぐ魔界のナンバー2ですぞ。」
へー
だとしたらなんでマオは怖がってるんだ?
「マオ! まだ決心がつかないのか?」
「うるさいうるさい!」
「ジイ、どゆこと?」
「あ奴はマオ様の、」
「マオ! 恥ずかしがらないで俺と籍を入れるんだ。」
「婚約相手です。」
はぇ?
「もう帰れーー!!」
マオの持っている剣の先から光が放たれる。
ちょっとマオ!?
、、、
「ハッ!」
一度死んだようだ。
「ごめんねー。ついカッとなっちゃって。」
「いやいいのですが、あの人は?」
マオが少しビクッとする。
「あんな物でやられる程度ではナンバー2は名乗れませんぞ!」
「やられてないってことね?」
あれでやられない。
ナンバー2は伊達ではないと言うことだ。
「私、あいつ、嫌い。」
片言でマオが呟く。
「本当に君は刺激的だねマオ。また会いに来るよ!」
先程の男はそう言って去っていった。
「気持ち悪ーーい!!」
マオ!?
(ゲームオーバー?)
爺や死亡数 13
勇者のレベル 5