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とっても賑やかで危険な街

「街に着きました!」


「が!」


「食い逃げだ! 捕まえてくれ!」

「またひったくられた!」

「おい! 人が倒れてるぞー!」

 治安が悪いというか、なんというか、


、、、

「中々、賑やかな街ですね。」

 私は荷物をギュッと握る。



「疲れましたし、宿屋に行きましょうか。」


「どうもー♪」

 マオが道行く人に手を振る。


 というのも、

「ナんか、視線感じマせんか?」

 だよね〜。

 早く宿屋に入ろう。

 流石に室内は大丈夫だろう。



「失礼します。」

 宿屋に入る。


「一泊したいんですけど。」

 私は宿屋の店主なんて似つかわしくないような、とてもガタイがいい人ににこやかに話しかける。


「5万だね。」

 えっそれは、


「ぼったくりですな。」

 仕方なく外に出る。


「さて、どうしましょうか。」


「また野宿か?」

「そうなりますかね〜。」


「あの、」

 私と同じくらいの女性が急に話しかけてきた。


「なんですか?」

 私が応対する。


「旅のお方ですか?」

「はい。」


「長旅でお疲れでしょう。」

「よろしければ私共の家に来ませんか?」


「いいのですか?」

 やっぱり心優しい人は何処の場所にもいるものだ。

 ここはお言葉に甘えましょう。




 で。

 閉じ込められました。


「まあ、半分は予想してましたよ。」

「じゃあ何故のこのこと付いて行かれたのですか。」


「信じたかったの!」

「Zzz。Zzz。」


 なんでこの状況で寝れるんだ。この魔王と勇者は。


「どうしましょうか。」

「ていうか、どうされるんでしょうか。」


「おソらく、荷物目当てなのデ。」

「衰弱するまデこのまマでしょウね。」


「マオは?」

「マオ様は加減が苦手ですので、最悪この街が吹き飛びますな。」


「逃げれそうな場所は?」

「あの換気扇くらいですな。」

「流石に無理かな〜。」

 その換気扇の穴は小さく、とても入れるような物ではない。


「どうしましょう?」


「あノ、私あの換気扇ヲ通って外ニでれまスよ?」

「え? そんなことできるんですか?」


「はイ! 部分的にですガ。」

「部分的に?」


 イオは抜け殻のように崩れ落ちた。

「どうしました!?」


(こっちですよ、こっち)

 この感じは、、、


(幽霊ちゃん再びですね。)

 は、は、、、


「気絶しては駄目ですぞ!」

 ジイのビンタで正気を取り戻す。


「でも、幽体で出ても意味ないですよね?」

(これだけじゃないですよ。)


 イオが抜け殻になった自分の腕と幽体になった自分の腕を重ねた。


 グチャっ。

 !! 抜け殻の腕がとれて、幽体の方へくっついた。


(すごいでしょう?)

「ぐ、ぐろいです。」


(これで、鍵を持ってくることができますよ!)

「すごいですね。」


(行ってきます。)


「いってらっしゃい。」

 イオはうまいこと腕を換気扇に通して見えなくなった。



 、、、

(戻ってきましたよ!)

「おお!」

「林檎ですか、食べたかったんですよね。」

 うん!


「いや、なんで林檎持ってきたんですか?」

(お腹空いてるかなと思いまして。)


「空いてはいますけど。」

「次は頼みますよ。」

(はい!)

 イオは再び換気扇から出ていった。



 、、、

(戻ってきましたよ!)

「あ! 時間知りたかったんですよね。」


「中々高そうな時計ですね。」

 う〜ん?


「もしかして私、舐められてます?」

(そんなことないですよ。)


「舐められてると思いますぞ。」


「次は頼みますよ?」



 、、、

(戻ってきましたよ!)

「おお! 正真正銘、鍵ですね!」

「やっと持ってきてくれましたね。」


「外鍵ですけどね!」

「内側に持ってこられても開けられませんがね!!」


(開けてきますね〜〜)

 イオは笑いながら出ていった。



 しばらくして、

 ガチャっという音と共に扉が開いた。

「出ましょうか。」


 私達は直ぐにバレないように外に出て鍵を閉め直してから素早くその街から去る。


「はあ、大変でしたねぇ。」

「でもイオ、すごいですよ!」


「お役に立てテ、良カったでス。」

 まあ、一件落着ですよ、ね?


 あ!

「二人忘れてきた!」

 寝ていたまま置いてきてしまった。


「マオ様がいるので大丈夫だと思いますぞ。」

 何を根拠に。


「ちょっと! 起きたらいなかったから探したよ!」

 え!?

 マオが頬を膨らませながら私の元へ寄ってくる。

 勇者様を引きずって。


「街を吹き飛ばしたんですか!?」


「何を言ってんの?」

 マオは心底わからないような顔をしている。


「そうやってジイさんが。」


「、、、」

「、、、」

「おやめください!!」


「私がそんなことするわけないでしょ!」

 マオはそんなこと言っているが、


 やりかねないんだよね〜。


「じゃあどうやって出てきたんですか?」


「普通に転送魔法で。」

「あー。」

 そうでしたね。

 この人に常識は通用しませんでしたね。


 てゆうか

「ねぇジイ。」

「何ですかな?」


「そんなのあるなら早く行ってよ!」

「ぎゃあ!」



爺や死亡数 10

勇者のレベル 5

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