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第41話 戸惑うレグルス

暑い……、暑いんだけど……。

朝は、何か寒い……。

う〜~ん……。


とりあえず、最新話です。

それでは、どうぞ!

「おお……」


「美しい……」


「か、可愛いな〜~……」


 図書館の利用者達は、館内の入り口近くに立っているマシロに注目する。恐らくマシロの神秘的な雰囲気と美しさに、男性の図書館利用者達は心が奪われてしまったのだろう。


「綺麗……」


「お人形みたいに可愛い……」


 更に、マシロに心を奪われたのは男性の図書館利用者達だけではない。女性の図書館利用者達も、同じ女性であるマシロの美しさと神秘的な雰囲気に、ぼーっとしながら見惚れてしまっていたのである。

 男性利用者達や女性利用者達からも注目されてもマシロは、特に気にもせず、大理石の石像の奥にある、上の階へと続く幅の広い階段の方へと向かってゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「上の階も、本が沢山あるなぁ……」


 階段を使って図書館の上階に上がった勇綺は、部屋の中を見回していた。上の階の部屋も下の階の部屋と同じく、綺羅びやかな装飾が施された本棚が隙間無く並べられている。違う箇所が有るとすれば、この上階には、読者できる部屋が無い代わりに、本棚の近くには、ソファーが配置されており、それに腰を掛けた多くの利用者達が読書に夢中になっていた。


「よし! 探すか!」


 勇綺は早速、魔物についての本を探そうと、本棚に近付く。


「ん〜~……。魔物……、魔物……、魔物についての本は……」


 勇綺は目を皿のようにして、本棚の中から魔物についての本を探していると……。


「ん? この本は……」


 魔物について本を探していた勇綺は、本棚の中から、一冊の本が目に入る。勇綺の目に入った本のタイトルは、【錬金術とホムンクルス】と書かれていた。


(この本は、錬金術とホムンクルスについて書かれているのかな? そういえば……、何でマシロは、バニラさんと姿が似ているんだろ……? う〜~ん……。気になってモヤモヤしてくる……。もしかしたら……、この本を読めば何か分かるかもしれない……)


 本のタイトルを見て勇綺は、ホムンクルスのマシロの姿が、錬金術師のバニラとそっくりである事を思い出す。マシロが何故、バニラと姿が似ているのか、そこが気になってしまった勇綺は、その謎を知る為に、当初の目的を忘れて、錬金術とホムンクルスについての本を手に取ってしまう。

 本を手に取った勇綺は、本棚の近くに配置されているソファーに腰を掛けると、マシロの姿について調べる為に読書を始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『図書館の場所の案内をしてくれて、ありがとうございます!』


(初めてだ……。女の子に感謝されたのは……)


 勇綺がマシロの姿について調べる為に、錬金術とホムンクルスの本を読んでいる最中、右側の読者部屋の入り口近くに置いてある本棚で本を探していたレグルスは、秋からの感謝の言葉を思い出しながら物思いに耽けっていた。


(本を読むことしか取り柄がない、根暗で友達が一人もいない僕に、嫌そうな表情を一つもせずに親しく話しかけてくれた秋さんは、何て、心の優しい娘なんだろう……。あうぅ……、秋さんの事を考えると何だか胸がドキドキする……。どうしたんだろう……、僕は……)


 秋の事を考えていたレグルスは、ドキドキする心臓に戸惑いを隠せずにいると……。


「あの〜〜? レグルスさん?」


「へっ!? ひゃ、ひゃい!?」


 突然呼び掛けられたレグルスは、慌てふためきながら、こちらに話し掛けてきた人物がいる方へと振り向く。


「あ、え、え〜〜と……、その〜~。本探しの邪魔をしちゃってごめんなさい……」


 レグルスが振り向いた先には、先程別れたばかりの秋が、申し訳無さそうな表情をしながら立っていた。


「あ、秋……さん? ど、どうか……、し、しまし……たか?」


 レグルスは、こちらを呼び掛けた秋に、恐る恐る問い掛ける。

 すると……。


「あの実は……、魔物についての本を探しているんですけど……。でも、その本が中々見つからなくて……。それでレグルスさんに、魔物についての本がある場所を教えてもらいたいんですけど……、駄目でしょうか?」 


 どうやら秋がレグルスを呼び掛けたのは、魔物についての本が収納されている場所を教えてもらう為だったようである。こちらに問い掛けるレグルスに、秋は、魔物についての本の在り処を教えてもらおうと、恐る恐る上目使いで頼み込むと……。


(ぐはっ! う、上目使い! か……、可愛い……! 可愛い過ぎる!!)


 上目使いでこちらに頼み込む秋の姿に、女性への免疫がないレグルスは骨抜きにされてしまう。


「え、えと……、ま、魔物についての本がある、ば、場所は……、う、上の階に、あ、あります!」


 骨抜きにされたレグルスは、恥ずかしさの余りしどろもどろになりながら、秋に魔物についての本の在り処を教える。


「ありがとうございます! レグルスさんは、本当に優しくていい人だわ!!」


「ふぉっ!?」


 魔物についての本の在り処を教えてくれたレグルスに、秋は、彼の右手を両手で握りながら感謝をする。

 秋に、いきなり手を握られたレグルスは、目を大きく見開きながら奇声を出してしまう。


(ぼ、ぼぼぼぼぼっちの僕がっ! お、おおおおお女の子に、は、ははは初めて、て、てて手を握られたっっっ!!)


 どうやらレグルスが奇声を出したのは、初めて女の子に手を握られたからのようである。今まで、友達が一人もいないレグルスは、女性とお喋りをしたり、手を握ったりする経験が全く無かった。だから、女性への免疫ができないまま成長してしまったレグルスが、女の子に手を握られて奇声を出してしまうのも仕方がないと言えよう。


(や、柔らかい! お、女の子の手は、こ、こんなに、や、柔らかいのかっ!? あわわわわわわ!!!)


 秋に手を握られた事でレグルスは、トマトのように顔を真っ赤にしながら、頭の中で慌てふためいていると……。


「この情報を早速、龍哉にもしらせないとね! レグルスさん、調べ物頑張って下さい! それじゃ!」


 魔物についての本の在り処を教えてもらった秋は、レグルスにエールを送ると、龍哉がいる場所へと歩き出す。


(ま、また……、胸がドキドキしてる……。 ほ、本当に、ど、どうしちゃったんだ……。僕は……)


 エールを送られたレグルスは、またもや、ドキドキする心臓に戸惑いながら、その場から立ち去る秋の後ろ姿を見据えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この本は違う……。この本でもない……。ぬおぉぉぉぉぉぉ……、何で見つからねぇんだよ! 糞が!」


 左側の幅広い通路の方で、未だ情報収集に苦戦を強いられていた龍哉は、壁に隙間無く並べられている本棚を見据えながら悪態をついていた。

 すると……。


「龍哉!」


「!? この声は……」


 突然呼び掛けられた龍哉は、声が聞こえた方へと振り向く。


「秋か! お前、何でここにいるんだ? てゆーーか、俺に何か用か?」


 龍哉は、こちらを呼び掛けた秋に問い掛ける。


「魔物について本の在り処が分かったわ! はやく、上の階へ行くわよ!」


「え? マジ? あ! お、おい、ま、待てよ!」


 問い掛けられた秋は、龍哉に上の階へ向かうように促すと、意気揚々と目的の場所へと歩き出す。

 龍哉は歩き出した秋の後を、慌てながらついて行くのであった。

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※一部の文を修正しました


修正前:何でマシロさんは、バニラさんと姿が似ているんだろ……?


修正後:何でマシロは、バニラさんと姿が似ているんだろ……?

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