第38話 恐いおっさんと美人エルフ
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それでは、どうぞ!
バニラから前金を受け取った勇綺は、龍哉と秋の後を追いかけようと、急いで応接室から出てゆく。そして、勇綺がバニラの家から出ると、外では龍哉と秋が待っていた。
「勇綺!」
「おっ、来たか! 勇綺!」
バニラの家から出てきた勇綺を、秋と龍哉が呼び掛ける。
呼び掛けられた勇綺は、秋と龍哉の方へと近付く。
「出て来るのが遅かったな? どうかしたのか?」
龍哉は勇綺に、バニラの家から出て来るのが遅くなった理由について問い掛ける。
「あ、うん、バニラさんに、これを渡されて……」
「ん? うおっ、金だ!」
「うわぁ……、お金だわ……」
問い掛けられた勇綺は、バニラからお礼として貰った前金が入った袋を、龍哉に渡す。
渡された袋の中身を見て、龍哉と秋は目を丸くしてしまう。
「おいおい……、どうしたんだ? この金?」
袋の中に入っていたお金について、龍哉は再び勇綺に問い掛ける。
「バニラさんから、イッカク退治に協力をしてくれたお礼として、前金を貰ったんだ。更に、イッカクを退治できたら、報酬も出してくれるみたいだよ」
再び問い掛けられた勇綺は、龍哉と秋に、袋の中に入ったお金とイッカク退治をした後の報酬についての説明をする。
「へぇ〜〜、前金だけじゃなく、イッカクを退治したら報酬までくれるなんて。バニラさん、気前がいいのね」
「マジかっ! 前金だけじゃなく、イッカクを倒したら報酬までくれるのかよ! やっふぅーー! バニラのねぇちゃん、最高だぜ!」
勇綺の説明を聞いて秋は、バニラの気前の良さに感心する。
龍哉は、勇綺の説明を聞いて、バニラから前金だけじゃなく、報酬も貰える事に歓喜していた。
「龍哉、秋。とりあえず、路地裏から出ようよ。ここは、人がいないから図書館の場所を尋ねる事が出来ない。先ずは、人通りの多い場所に移動して、その辺の現地人から手当り次第、図書館の場所を尋ねてみよう!」
龍哉と秋を呼び掛けた勇綺は、路地裏から出て、人通りの多い場所で、現地人から図書館の場所について尋ねる事を提案する。
「おう、そうだな。確かに、人があんまり見かけねぇ路地裏だと、図書館の場所を尋ねるのは難しそうだよなぁ……。んじゃ、人通りの多い場所に移動しますか!」
「ええ!」
「うん!」
勇綺の提案に龍哉は納得すると、人通りの多い場所に移動しようと歩き出す。
秋と勇綺は、歩き出した龍哉の後を付いて行った。
「よし。それじゃあ、聞き込み開始だ!」
「おう!」
「ええ!」
薄暗い路地裏を数分程歩いて、喧騒に包まれた人通りが多い表通りに出た勇綺と龍哉、そして秋は、早速、石畳の道を歩いている通行人達に図書館の場所について聞き込みを開始する。
「あ、あの〜〜、す、すみません……」
勇綺達は先ず、一人目の通行人に近付く。勇綺達が近付いた通行人は、身長がニメートルもあり、瞳の色は赤色で、目つきは鋭く、黒色の髪をオールバックにした、年齢が三十代前半位の筋骨隆々な大男だ。服装は、黒いノースリーブの服の上に金属製の重鎧を装備していて、更にその上には、薄汚れたボロボロの焦げ茶色のマントを身に纏い、両腕には金属製の籠手が装備されている。下半身にはダークグレーのズボンを着用していて、足には黒色のブーツを履いており、更にその上には金属製のレガースが装備されていた。装備している武器は、身長と同じ位の背中に背負った両手剣と、腰辺りに装備された曲刀の二つである。顔や腕には、いくつもの傷跡が付いており、ボロボロの服装と合わさってか、大男からは歴戦の戦士のような風格を漂わせていた。勇綺は、恐る恐る傷跡の大男に声を掛けると……。
「? 何だ……? 小僧……」
(こ、恐い……)
(ひぇぇぇぇぇぇ! こ、こわっ!)
(こ、この、おっさん……。な、何か、すげぇ、や、やべぇぞ……。これは……)
声を掛けられた大男は足を止めると、勇綺達を見据えながら問い掛ける。
問い掛けられた勇綺と秋は、大男の身長と風格に立ちすくんでしまう。
大男の雰囲気に、龍哉は何かを感じたのか、恐怖に包まれながらも警戒をする。
「あ、あの……。ぼ、僕達……、と、図書館を探しているんですけど……。図書館の場所をし、知っています……か?」
恐怖に包まれて、しどろもどろになりながらも勇綺は、大男に図書館の場所について尋ねようとすると……。
「図書館? 知らんな……。他をあたってくれ……」
尋ねられた大男は勇綺達に、図書館の場所は他をあたれと冷淡に返答をすると、その場から立ち去ってしまう。
「「「ふぅ……」」」
立ち去る大男の後ろ姿を見据えていた勇綺達は、ほっと胸を撫で下ろす。おそらく勇綺達は、何かヤバそうな雰囲気を漂わせている大男が立ち去った事に安心したのだろう。
「こ、恐かったぁ……」
「ああ……。全く、とんでもねぇ恐怖を与えてくる、やべぇ、おっさんだったぜ……」
「本当にねぇ……。殺されるかと思ったわ……」
恐怖を与えてくる存在が居なくなった事で安心した、勇綺と龍哉、そして秋は、立ち去った大男についてのやり取りをする。
「次は、やべぇおっさんじゃなく、まともな人に尋ねようぜ? おっ、あの人とかなら大丈夫そうだな!」
「「?」」
尋ねても大丈夫そうな人を見つけた龍哉は、道を歩いている一人の通行人に指を指す。
勇綺と秋は、龍哉が指を指した方へと振り向く。
龍哉が指を指した通行人は、年齢が二十代前半位の、長く尖った耳が特徴的のエルフの女性だ。身長は百六十六センチメートル程で、肌は白く、金色の髪は腰の辺りまで伸ばしており、宝石のエメラルドをイメージさせるような緑色の瞳は、彼女に優しそうな雰囲気を出させていた。次にエルフの女性の服装は、長袖の白いシャツの上にノースリーブの丈が長い黄緑色の服を身に纏い、更にその上には、赤いマントを羽織っている。両足には白いサイハイソックスを着用しており、足には青色のブーツを履いていた。装備している武器は、腰辺りに装備されているレイピアの一つだけである。
「うわ〜〜、エルフだ! 本当に、エルフは存在したんだ!」
(何よ! 勇綺ったら、美人エルフに、みっともなく、はしゃいじゃって……。ただ、耳が尖っているだけじゃない! 馬鹿っ!!)
ファンタジー系の創作物が好きな勇綺は、物語等に登場するエルフが実在していた事に歓喜する。
秋は、美人エルフに歓喜する勇綺に冷たい視線を送っていた。
「確かに、あの人なら優しそうだし、綺麗だし、大丈夫そうかも!」
「だろ? さっきのおっさんと違って、優しそうで、すげぇ美人だし、それに何かエロそうだしな!」
勇綺と龍哉は、エルフの女性の美しさに鼻の下を伸ばしてニヤニヤしながら凝視していると……。
「また、鼻の下を伸ばして、デレデレしてんじゃないわよ! この、馬鹿共!」
「うげっ!」
「んごっ!?」
秋は、美人エルフに、鼻の下を伸ばしてニヤニヤしながら凝視している勇綺と龍哉の頭に、チョップを叩き込んだ。
頭をいきなり秋に叩かれた勇綺と龍哉は、間抜けな悲鳴を上げる。
「全く……、美人エルフにデレデレしてないで、さっさと、聞き込みをするわよ!」
「いたた……。う、うん!」
「いつつ……。へぇ〜〜い……」
勇綺と龍哉を呆れながら叱り飛ばした秋は、図書館の場所について尋ねようと美人エルフに近付く。
叱られた勇綺と龍哉は、叩かれた箇所を擦りながら秋の後を付いて行った。
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