第20話 戦闘開始!
今年も何とか間に合いました!
そして、ようやくモンスターが登場します。
それでは、最新話をどうぞ!
陳列棚から、自分達の職業に適している武器を見つけた勇綺達は現在、カウンター席にいる坊主頭の男性から、商品の会計をしてもらっていた。
「鉄の鎌は百十ゴルドで、鉄の鍬は百六十ゴルド。そして、ピッチフォークが百三十ゴルド。次に、彫刻刀は七十ゴルドで、木槌は八十ゴルド。そして、スリングショットが六十ゴルド。最後に、リュートは三百ゴルドで、果物ナイフが八十ゴルド……。合わせて、九百八十ゴルドだ! これだけの数の商品を買うからには、ちゃんと金は持っているんだよなぁ? 言っておくがよぉ、代金を踏み倒して、うちの商品を持ち出そうなんて考えはするなよ? そんなことをしたらブチ殺すからな? さぁて……、救世主をクビになった糞ガキ共に、金が払えるかな?」
「はんっ! 馬鹿にしていられるのも今のうちだぜ!? く・そ・ハ・ゲ!!」
商品の会計を終えた坊主頭の男性は、勇綺達が代金を踏み倒して商品を持ち出したりしないように、睨み付けながら釘をさした。どうやら坊主頭の男性は、救世主をクビになった勇綺達が、商品の代金を支払えるわけがないと思っているようだ。
坊主頭の男性の言葉に龍哉は、不敵な笑みを浮かべながらも、マジックポーチの中から大銅貨一枚を取り出して、それをカウンター席に強く叩き付ける。
「なっ!? それは……、大銅貨!!? チッ! 救世主をクビになった役立たずな糞ガキ共の癖に、この世界の金を持っていたのか!?」
「どうだ! 糞ハゲ! 参ったか!! 俺達を舐めるなよ!? 悔しいか? 悔しいだろ? お? お? ふははははははは!!!!!!」
坊主頭の男性は、龍哉がカウンター席に叩き付けた大銅貨に、目を大きく見開く。龍哉達が、カウンター席に並べられている商品を、支払える程の代金を持っていた事に、坊主頭の男性は驚いたようだ。
龍哉は、目を大きく見開きながら驚いている坊主頭の男性を、調子にのってやたらと煽りまくる。こちらを馬鹿にしていた坊主頭の男性に、一泡吹かせた事が相当嬉しかったのだろう。
「何、調子にのって煽ってんのよ! この、お馬鹿!!」
「ぶへあぁっ!!?」
「ははは……」
調子にのって坊主頭の男性を煽りまくっている龍哉に、秋が怒りだす。そして龍の頭に、おもいっきりチョップを叩き込む。
秋に、頭を叩かれた龍哉は珍妙な断末魔をあげる。
龍哉と秋のやり取りに、勇綺はただ苦笑いを浮かべていた。
「糞っ! 釣りの四千二十ゴルドだ! さぁ、ここにはもう用がないはずだ! さっさと出ていってくれ! そして、二度とこの店に来るな!! 良いな!!?」
「いてて……。ふん! もう用が済んだし、こんな店二度とこねぇ〜〜よっ! じゃあな! 糞ハゲ!! 行くぞ!!」
「う、うん!」
「はぁ……」
やたらと煽られた坊主頭の男性は、悔しそうな表情をしながら龍哉に、釣り銭の小銅貨四枚と小鉄貨二枚を渡す。
そして龍哉達に、店から出ていくように促した。
秋に叩かれた箇所を、擦りながら釣り銭を受け取った龍哉は、こちらを追い出そうとする坊主頭の男性を罵倒した後、急いで店から出て行く。
店から出て行こうとする龍哉の後を、勇綺は戸惑いながらも追いかける。
勇綺に続くように秋も、店から出て行く龍哉に呆れながらも、二人の後を追いかけていった。
「こんなに広い平原だと、モンスターとか出てきそうだよなぁ……。そうだ! ファンタジーと言えば、やっぱモンスターとのバトルだよなっ! 俺、ファンタジーとかに登場するモンスターと、戦って見たかったんだよなぁ……。どんな強ぇモンスターが出てくるか、俺は、わくわくするぜ! オラオラっ! モンスター共! 何処からでもかかってこい!! 俺は、逃げも隠れもしねぇぜ!!」
「龍哉、今はモンスターと戦っている場合じゃ……」
「勇綺の言うとおりよ! 何言ってんのよ、この馬鹿龍哉! 今は、そんな事をしている場合じゃないでしょ? はやく、ラズさんの娘さんを探さないと……」
武器屋から出ていった龍哉達は現在、城下町を離れて、広大な平原を歩いていた。辺り一面に緑色の絨毯が敷き詰められているような平原の所々には、小さな白い花や木々が生えている。風が通り抜ける事で、花や木々の枝がゆらゆらと動きだし、まるで踊っているかのようだ。
そんな平原の中で龍哉は、モンスターと戦える事にわくわくしていた。何故ならば龍哉は、ファンタジー系の創作物を読んでいく内に、いつかモンスターと喧嘩をしてみたいと思うようになっていたのだ。そして今、その願いが叶った為、龍哉がモンスターと戦える事に、わくわくするのは仕方がないと言えよう。だが今は、モンスターと戦っている場合ではない。どうも龍哉は、本来の目的を忘れているようだ。
勇綺と秋は、本来の目的を忘れているようにも見える龍哉に、注意をする。
すると……。
「おい、アレを見ろよ」
「「?」」
龍哉は何かを見つけたのか、おもむろに指を差す。
勇綺と秋は首を傾げながら、龍哉が指を差した方へと振り向く。
そこには身体全体が緑色、尖った両耳、額に生やした一本の角、片手には木製の棍棒が握られており、腰の周りには、毛皮で作られた腰巻きを巻いた、身長が九十センチメートル位の三体の小鬼が、勇綺達の方へと近付いてくる。三体の小鬼達の名前は、ゴブリン。この世界の最弱モンスターである。
「うぇぇぇっ!!? 何あれっ!? 何あれっ!!? 人間じゃないよねっ!? 絶対!!!」
「多分ゴブリンだぜっ! あれはっ! よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! かかって来いやぁぁぁぁぁ!!!」
「いやいや、龍哉。戦うのは、駄目だってば……。早急も言ったけど、僕達はモンスターと戦っている場合じゃ無いんだって……」
秋は、こちらに近付いて来るゴブリン達に、慌てふためく。
慌てふためいている秋とは対照的に龍哉は、こちらに近付いて来るゴブリン達と戦う気満々のようだ。
そして勇綺は、ゴブリン達と戦おうとする龍哉を、何とか止めようとする。
「ニンゲン……、コロス!」
「コロス! コロス!」
「グゲゲ……、コロス!」
三体のゴブリンは、棍棒を振り回しながら勇綺達に突撃する。
「お〜〜、お〜〜、向こうは殺る気満々だなぁ〜〜……。勇綺! 秋! 喧嘩だっ!! 行くぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ちょっと待てっ! この馬鹿龍哉!!」
「ま、待ってよ! 二人共〜〜!!」
龍哉はマジックポーチの中から、武器屋で買ったばかりの彫刻刀を取り出す。取り出した彫刻刀を右手に持つと、龍哉は三体のゴブリンに勢いよく突撃する。
秋は、三体のゴブリンに突撃する龍哉を、何とか止める為に走り出す。
勇綺は、走り出した龍哉と秋の後を、急いで追いかけるのであった。
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