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第8話 チートが欲しい……

今年も何とか間に合った……

最新話です!

どうぞ!

 愛鯉達と協力するのが難しい事に、勇綺が頭を悩ませている最中、秋が大臣に質問をする。


「アクアマリン王国へ行くには、どうすればよろしいのですか?」


「! アクアマリン王国への行き方です……か? ううむ……。ランドロック王国から船で海を渡ってアクアマリン王国へ行くのが一番近い道なのですが……」


「何だよ? 何か問題が有るのか?」


「……」


 秋の質問に大臣は、歯切れが悪そうにしながら、アクアマリン王国への交通手段について返答をする。

 秋に叩かれた箇所の痛みがようやく引いた龍哉は、大臣の奥歯に物が挟まったような言い方が気になり、彼を問いただす。

 そして勇綺も大臣の返答が気になったのか、一旦、愛鯉達について考えるのを止めて、彼の方を静かに見据える。


「実は……、王国が使っている船は現在……、海上の警備の為に船を全て出航させております……。ここ最近、海の魔物や密漁者……、そして海賊達の動きが活発化していますので……、海の治安を守る為にも、多くの船を海上の警備に回さなければならないのです……。それゆえ、救世主殿達に貸す事ができる船は、一隻もないのです……」


「海賊とかも居んのか……。でもよ、今、警備している連中から、何とか船を一隻くらい、こっちに寄越せないのかよ?」


「ちょっと龍哉! 止めなさい!! 向こうにも船を貸せない事情があるのよ!?」


(海の魔物や密漁者、そして海賊達の動きが活発化しているのならば、僕達に船を貸せないのも仕方ない……かな? もし、船を僕達に貸したせいで、海上を警備している兵士達の戦力が落ちて、兵士達に被害でも受けたりしたら、何か気分が悪いしなぁ……)


 大臣は、船を龍哉達に貸せない理由を、申し訳なさそうな表情で、ぽつぽつと語りだす。

 大臣から船を貸せない理由を聞かされて、納得がいかない龍哉は、海上を警備している船を一隻寄越せと、大臣に要求をするのであった。

 秋は、既に出航している船を寄越せと、大臣に無理な要求をする龍哉を、たしなめようとする。

 大臣の話に納得がいかない龍哉とは対照的に、勇綺は船を貸せない理由に、一人で納得をしていた。


「船を貸したいのは山々なのですが……。最近の海の魔物や海賊共は、とても手強くなっていますので、今の我々には、救世主殿達に船を貸す余裕がないのです……。ですから何卒……、ご理解くださいますようお願いいたします……」


「向こうも大変なんだから、わかってあげなさいよ! 龍哉!」


「……チッ! わ〜〜たよ! 仕方ねぇ〜〜な……」


 大臣は、船を貸せない理由に納得できない龍哉を、何とか納得してもらえるように頼み込む。

 必死になって龍哉を、納得してもらえるように懇願する大臣に続くように、秋は龍哉の説得をする。

 二人の言葉に、龍哉は、しぶしぶと船を要求するのを諦めるのであった。


「じゃあ、王国側に船を貸してもらえないのなら、どうやってアクアマリン王国に行くんだよ?」


「そうねぇ……。あっ! だったら、民間の客船とかを使えば良いんじゃないかしら? きっと、アクアマリン王国へ向かってくれる客船があるはずよ!」


 王国側に船を要求するのを諦めた龍哉は秋に、アクアマリン王国への行き方を問い掛ける。

 龍哉の問い掛けに秋は、一度考えてから直ぐに何かを閃く。秋が閃いた案は、民間人が乗る客船で、アクアマリン王国へ行くようである。それを、龍哉に提案をするのだが……。


「それは、無理でございます。秋殿」


「え? どうしてですか?」


 大臣が突然、秋の提案に反対をする。

 提案を反対された秋は、大臣にその理由を問い掛けた。


「民間人が乗る客船の方は、海の魔物の攻撃によって船が破損してしまい、現在は造船所で修理をしていますので、しばらくは客船に乗り込む事は出来ないのです」


「そんな……」


(船でアクアマリン王国へ行くのは、無理そうだな……)


 どうやら大臣が秋の提案に反対したのは、客船が現在、造船所で修理中であるからのようだ。

 大臣から客船を使う事が出来ないと告げられた秋は、残念そうな表情を浮かべる。

 勇綺も秋と同じく、客船を使う事が出来ないと告げられて、残念そうな表情を浮かべながら、小さく溜め息をついた。


「王国の船を借りれないだけじゃなく、客船までも修理で使えないのなら、どうやってアクアマリン王国に行くんだよ! おい! 大臣!! 何か他に、アクアマリン王国へ行く方法は、ねぇーーのかよ!?」


 龍哉は王国の船だけじゃなく、客船までもが使えない事に、腹をたてながら叫んだ。そして龍哉は乱暴な言葉遣いで、大臣に、他の方法でアクアマリン王国への行き方を問いただす。


「アクアマリン王国への交通手段は、他にもあるには、あるのですが……」


「何だよ! あるんじゃねぇーーか!! それでっ!? また何か問題があるのかよ!!」


「ちょっと! 龍哉! 少し落ち着きなさいよ!」


 龍哉の問い掛けを、またもや大臣は歯切れが悪そうに答える。

 再び奥歯に物が挟まったような言い方をする大臣に、龍哉は腹を立てながら彼を問い詰めた。

 苛立ちを覚えている龍哉に秋は、彼を何とか落ち着かせようとする。


「……イッカクの根城がある森を通り抜けたすぐ先に、【ランドロックトンネル】と呼ばれる洞窟があります。この洞窟を通り抜ければ、アクアマリン王国にたどり着く事ができます……。しかし……、ランドロックトンネルの内部には、手強い魔物が多く住み着いており、相当危険な洞窟になっております。冒険者でなければ、この洞窟を通り抜けるのは難しいでしょう。……昔は今よりも、強い魔物が、この洞窟に住み着いてはいなかったので、冒険者だけじゃなく、民間人も使っていたのですが……。今では、この洞窟を通り抜けようとする者は、冒険者達ぐらいです」


 大臣は龍哉達に、ランドロックトンネルについての場所と洞窟内部の危険性を語りだす。


「成る程ね……。そのトンネルが危険な場所だって事は、よくわかった……。一応聞いとくけど、他にアクアマリン王国への交通手段は、このトンネルを通り抜ける以外に、もう無いんだよな?」


「はい、船が使えない以上、アクアマリン王国への交通手段は、この危険なトンネルを通り抜けるしかありません……」


 ランドロックトンネルについての話を聞いた龍哉は大臣に、トンネルを通り抜ける以外で、他にアクアマリン王国への交通手段が無いのか質問をする。

 龍哉からの質問に大臣は、船が使えない状況では、トンネル以外にアクアマリン王国への交通手段は、他に無いと返答をするのであった。


(やれやれ……。桃条さん達とのいざこざや厄介な戦術を持つイッカクだけでも、攻略するのが面倒なのに、危険なトンネルも攻略しなければならないのか……。どれもこれも面倒なイベントばかりだなぁ……。あぁ……、チートが欲しい……)


 勇綺は次々と起こる面倒なイベントに困り果てると同時に、再び溜め息をつく。そして、この面倒なイベントを何とかできるチートが欲しいと、無い物ねだりをするのであった。


話、全然進まねぇ……。

何とか、メインヒロインやイッカクをはやく登場させたいですね。


それでは皆様!

良いお年を!!

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