表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とりあへず戦記(仮)  作者: ういん23
7/9

第7話

シェルグレット城のはなれ、トマーシュ=ハインツは、部屋の前にいる見張りの兵士の手に、何かを握らせ耳元で囁くと、軽く伸びをして兵士はその場を離れた。


「マルティン様、お食事をお持ちしました。」

「ああ、ありがとうトマーシュ。」

「アネタも、」

「はい、マルティン様。」

「トマーシュ、外の様子は?」

「はい、見張りは少し離れた所におります、しばらくは大丈夫です。」

「それで、お祖父様は何と?」

「はい、当日イヴェルセン様が迎えに来ると、今日、街の例の場所で、使者の方から…」

「そうか、イヴェルセン様が…」

「トマーシュ様、脱出経路の方は?」

「アネタ、心配するな抜かりはない。」

「よし、二人とももう少しの辛抱だ、何としても我らの国へ戻ろう。」

「はい。」

「トマーシュ、シュミツェル様の情報は入ったか?」

「それが、見つかってしまったのは、判ったのですがその後は…」

「シュミツェル様…」


マルティンは目を閉じシュミツェルの顔を思い浮かべた。


8年前、マルティンの世話係りであったシュミツェルは、国境近くに攻めてきた、ホーヴァルの部隊にあたる為、出撃する事となった。

ホーヴァルの部隊とシュミツェルの部隊は、南の方面ネフランで対峙した。

シュミツェル隊の5倍以上の兵数を擁していたにもかかわらず、ホーヴァル隊は苦戦し国境を越えられなかった。


その間にマグヌス本隊は、テオドール二世を破りラスチスラフの王都を落としたのである。


性格の歪んだホーヴァルのシュミツェルに対する憎悪は、想像にかたくない。もし捕まれば間違えなく殺されるだろう。


「シュミツェル様…」

マルティンは祈るように呟いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ