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第6話
大陸の南東に位置する豊かな地方ラスチスラフ、その公都から東にある港町ペクルルト、その港に1艘の船が到着していた。
船からは商人の一向と思われる一団が、大きな荷車とともに街のはなれに向かっていた。
「アル、パベル、お前たちはイヴェルセン様の屋敷に向かえ。わしらはこのまま主様の所へ向かう。マレクはここに残り、後で到着するエレナ様達が、無事に出発するのを確認してから、イヴェルセン様の所へ、よいな?」
マレク=ガラーセクは頷いた。
「じぁあマレク後でな。」
「ああ、アルもパベルも気をつけて。」
トーレ=ホルバトとラドスラフ=ガラーセクは、馬を飛ばしテオドールの所へ、アルフレート=ホルバトとパベル=ポラークは、荷車を引いてシメン=イヴェルセンの所へ、そしてマレク=ガラーセクは、港近くの市場へと向かっていった。