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とりあへず戦記(仮)  作者: ういん23
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第5話



ラスチスラフを治めた事によって、大陸は初めて一人の王が、支配する事になった、『エイステイン一世』初代統一王である。

彼は統一王国に自分の名を付けた。もともと西の小国ウーデゴール国の王であった彼は、わずかその在位15年で、他の国々を滅ぼした。


その息子マグヌスは、将軍として父を助け、父の死後は二代目の王として即位したが、わずか半年で、死の病にかかってしまった。


そしてホーヴァルはマグヌスの弟である。マグヌスには子供は居るが、まだ幼く王女の為、このままマグヌスが病に倒れる事になると、ホーヴァルが王となるのである。


エイステイン一世はホーヴァルの性格を憂いていた。王都から離れていたラスチスラフに送ったのも、マグヌスと違い将軍に就かせなかったのも、ホーヴァルのその歪んだ性格を考えた為である。


只、兄同様、愛していたのは間違いない。優秀なレグダルを側に付け、地方の小国をなんとか治めて欲しいと思っていた。


「レグダル、レグダル!」

部屋の中をうろうろしながら、大声を張り上げ、手には鞭を持ち、眼は、これからの彼の行動を表すかの様に鈍く光っている。

「ホーヴァル様、ここに。」

「小僧の召し使いはどうした!」

扉の奥に、両手を鎖で繋がれたアネタが、歩いてくるのが見えた。

「くくくっ、レグダル早く壁に繋げ!」

「はっ」


天井から延びたロープを、首輪に結び、両足を壁の鎖につないでいる。

「早くしろレグダル。」

そう言われながらも、レグダルはゆっくりと動いている様に見える。

もう一度、早くしろと命令しようとした時だった。


「ホーヴァル様、レグダル様。」

部屋の中に兵士が一人入ってきた。

「なんだ!うるさいぞ貴様!」

「はっ、失礼をお許し下さい。ラスチスラフからの早馬です。至急ホーヴァル様へと、テッティ様からの知らせです。」

「テッティから?レグダル!」

「はっ」


レグダルは兵士から手紙を受け取り、ホーヴァルへと広げて渡した。

「なにぃ?シュミツェルを追い詰めただと?」

ホーヴァルは手紙をレグダルに見せた。

「ネフランへ現れたのですね。」

「くくくっ シュミツェル!いい度胸だ。レグダル、出発だ!ネフランへいくぞ。」

「しかし、陛下の容態はよくありません、今王都を離れるのは。」

「レグダル、兄は後3~4日は大丈夫だ、3~4日はな…くくくっ貴様らネフランへいくぞ!」


ホーヴァルは不気味な笑いを押し殺し、目の前のアネタには、もう興味を無くしていた。

レグダルは、私兵を呼びにいく何人かと、ホーヴァルが部屋を出ていくのを見てから、アネタの手錠をはずした。


「ご主人の所へお戻り。」

「ありがとうございます、レグダル様」


アネタは一礼し、足早に部屋を出ていった。


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