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とりあへず戦記(仮)  作者: ういん23
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第4話

大陸の中央やや西よりに、エイステイン王国の王都にシェルグレット城はある。



「おい!小僧。」

いきなり顔の前に剣が現れた。

「マルティン様!!」

少女は少年の前に立ちふさがり、相手を睨み付けた。

「アネタ!」

「…っ、召し使いっ!じぁまだどけ!」

「アネタ!!」

「…」

もう一度名を呼ばれると、少女は後ろに下がった。

マルティンは片膝をつき、剣先へ顔を進める。

忠誠の証である。

「ホーヴァル様、お許し下さい。」

「躾がなってないな小僧、いくら兄上が甘いとは言え、城内を歩く時は気を付けろよ…さもないと、俺が王になった時に後悔するぞ?」

ホーヴァルは、剣先をマルティンの額に押し付けていく。

マルティンの額から血がにじみだす。

後ろのアネタは怒りで震えていた。


「ホーヴァル様」

「ふん、解っておるレグダル。戯れだ。…しかし、召し使いは許せん、お仕置きをせねば示しがつかんなぁ、そうだろ?」

「ホーヴァル様、この者の主は私です。罰は私が受けます。」

「おやおや小僧、心配するな。召し使いの躾は得意ゆえ、きっちりと教えて返してやるぞ。」


アネタは前に出て膝まづいた。


「レグダル、引っ張ってこい。」

すでに歩き出したホーヴァルの後ろで、レグダルに腕を捕まれて、アネタは立ち上がった。

「アネタ…」

「マルティン様…心配しないで下さい。すぐにもどりますから。」

アネタは微笑みながら、歩き出した。

「すまない、アネタ。」

「マルティン様お部屋へお戻り下さい、後は私に…」

レグダルはそう言って、アネタを連れて言った。


8年前、父テオドール一世は戦で殺された。母はその3日後処刑された。そして7才だった自分は、人質としてシェルグレットに送られた。ラスチスラフ城からは、祖父のテオドール一世が地方に追いやられ、妹のエレナは行方不明となった。ラスチスラフはホーヴァルが治める事となった。



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