第十七話 見るぞ! パンチラ大作戦!
暫く経ったある日のことだ。
敵と戦闘になった場合に都合が良かろうと、全員が毎日のように我が家へ入り浸るようになっていた。
実際、何度かヤツらと戦闘になった事もあり、俺としては大歓迎。
今は色々なタイプの生足や胸を拝める幸せを噛みしめている。
あー、天国。
わざとらしく寝転んでテレビを見ているのは、あわよくばパンツを見てやろうと言う魂胆からである。
ヤヨイが俺の傍を通り過ぎて行く。
なるべく不自然じゃないようにチラリと見る。
艶めかしく真っ白な細い脚、そして肝心の下着は────
おおう、白ですな。
眼福、眼福。
次いでリッカも通りかかる。
今日はタイトスカートか。
どれどれ。
むっちりとした太ももが堪りませんなー。
下着は、と……
「!?」
我が目を疑う。
じっくり見たわけではないので確証は無い、が、何も穿いていなかったような……
嘘だろ……?
これが事実ならとんでもない変態だ。
才色兼備なのに性癖が百合で痴女とは、色々終わっている。
俺はベージュの下着だったのだと思い込むことにした。
俺が悶々としていると、フランがアイスクリームのカップを持って現れた。
そして、俺の目の前にある座布団に座り込んだ。
その瞬間、俺の目はカッと見開かれた。
座りパンチラは良いものだからだ。
ピンク色が目を焼く。
フラン、ナイスパンチラ!
シャニィに至っては、俺の顔の上で立ち止まると言う暴挙を繰り出したのだ。
いったい何のつもりなのかは解らないが、俺は心の中でありがたやーと合掌した。
当然のごとく、ガン見する。
可愛らしいフリフリの純白フリルだった。
俺のぱんつ観察日記。完。
昼食後、うつ伏せになってテレビを見ていると、シャニィが俺の背中の上に乗りお昼寝を始めた。
二段重ねの亀みたいで、周囲には微笑ましい光景に映るのだろうが、俺は気が気じゃ無かった。
やめてください。
俺の俺である部分が反応してしまいます。
それを心底羨ましそうにリッカが見ている。
ふふん、勝利。
ヤヨイは持参したものだろうか、なにやら薄い本を読みながらハァハァしている。
絶対BLだろ!
目が危ねぇもん。
こいつは時々、俺を見るだけで興奮している事がある。
彼女の頭の中で、いったい俺は何とカップリングされているのだろうか。
恐ろしくて聞く気にもなれなかった。
もし無機物かなんかとカップリングされてたらどうしよう……
そんな平和な時に、テレビからチャイムが聞こえた。
ニュース速報のテロップも出ている。
そこには、他国同士が戦争状態に入ったと言う文字が流れていた。
程なくして、映像が切り替わる。
遠い国の街のようだ。
あちこちから煙や炎が見える。
よく見れば兵士風の人間たちが動いているのも解った。
何かがおかしい。
本当に薄っすらとだが、黒っぽい靄のようなものがチラホラ見える。
それだけじゃない。
時折走り去る兵士たちの頭にも、薄い靄が見えた。
まるで、靄に取り憑かれているようだ。
そんな自分の考えに、背筋がヒヤリとする。
だが彼らは、靄を気にした風もなく目前の戦闘に没頭していた。
これはまさか……でも、そうとしか……
「向こう側からの浸食、なんだろうな。私も何度かあの黒い靄に遭遇したよ」
俺の思考を見透かしたようにリッカが言う。
やっぱりそう思いますよねー。
こういう時、真っ先に騒ぎ立てる向こう側から来た居候がやたらとおとなしい。
シャニィは寝ているからともかくとして、人一倍やかましいフランが静かすぎるのだ。
俺とリッカとヤヨイがバッとフランを見る。
そのフランときたら、両方の頬を大きく膨らませ、もっちゃもっちゃと何やら食べながら、不思議そうな顔で俺たちを眺め、キョトンとしていた。
小動物みたいで可愛い。
リッカの胸からズッキューン! と言う音が聞こえた。
目もハートになっている。
緊張感仕事して!




