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勇者の神器はスマホです?!  作者: ilis01/まるお
1章:伝説の始まり
7/7

短編:あの日のプレゼント(ホワイトデー)

本編と関係ない物語にしようと思って書いていたのに、結構重要な回になってしまったorz


初めての3人称ですので、おかしい所があるかと思います。








 「ねぇ ねぇ。ういくん。『ほわいとでぃ』って何か知ってる?」

 「ほわいとでぃ? なーに、それ」

 「えっとね、この前ういくんにチョコをあげた『ばれんたいんでぃ』っていうのが有ったよね? その時もらったチョコのお返しをする日が、あと10日したら来る『ほわいとでぃ』なんだって。 ママがそういってたよ?」

 「へぇー。じゃあ、『ばれんたいんでぃ』の時にひーちゃんからチョコもらったから、僕がひーちゃんにお返しするの?」

 「うん! そうだよ。わたし、ういくんからのプレゼント、楽しみにしてるね」

 「わかった! ひーちゃんがよろこぶようなプレゼント、用意するね。それじゃあ、また明日。バイバイ」

 「バイバイ、ういくん」




 

 とある小学校の通学路。互いを『ういくん』『ひーちゃん』と呼び会う少年と少女が歩いていた。2人は、10日後に迫った『ホワイトデー』について話していた。


 住宅街にある丁字路(ていじろ)で少女と別れた少年は、真っ直ぐに家へと帰る。途中にある空き地では、保育園児くらいの子供達が親と一緒に遊んでいる。自分も遊びたいなと、心の中で思いつつも、寄り道はしないように親に言われている為、遊ぶ事は出来ない。空き地の前を、やや小走り気味で通り抜ける。



 家に着くと、玄関の前に先程の少女とは別の少女が座っていた。


 「あれ、はるか。もう帰って来てたの? 早く帰ってくるなら、言ってくれれば良かったのに……」

 「あ~。やっとお兄ちゃんがかえってきた。どうせ、ひてんちゃんとイチャイチャしてて遅くなったんでしょ?」

 「べつに、ひーちゃんとイチャイチャしてたんじゃないよ。 お話してたんだ。  そういえば、はるかは『ほわいとでぃ』って知ってる?」

 「もちろん知ってるよ。そんな事より、早くげんかん開けてよ。寒いよ……」

 「ごめんね…… 今すぐ開けるからさ。  それと、後から『ほわいとでぃ』にについておしえてね」

 「わかったから……」


 少年は、少女…… 妹と一緒に家へと入り、中で『ホワイトデー』についての説明を受けていた。

 妹が言うには、『プレゼントは心が籠っていれば何でもいい。でも、手紙かなにかを入れてあげた方がいいよ』とのことだった。








 ───9日後、少年は母親と一緒に家でクッキーを焼いていた。

 明日の『ホワイトデー』用のプレゼントとして、少年が選んだのは『手作りクッキー』だった。


 チーン という音が鳴り、甘い匂いと共にクッキーの焼き上がりを知られてくる。


 「……うん。美味しい! ほら、初火も食べてごらん。自分で作ったクッキーの味はどう?」

 「美味しいよ、お母さん。これならひーちゃんにプレゼントしても大丈夫だよね」

 「そうね。あとは自分でお手紙でも書いて、明日渡しておいで」

 「うん。ありがとね、お母さん」


 軽く味見をして完成を告げる母親は、そのまま手紙を書いて来る様に少年に言う。少年は言われた通りに、『ひーちゃん』への手紙を書きに階段を上っていく。


 「ふふっ。初火ったら、飛天(ひてん)ちゃんの事が好きなのねぇ。将来は飛天ちゃんと結構するのかしら」


 母親は、少年が上っていった階段を眺めながら呟いていた。







 ───ホワイトデー当日。少年は『ひーちゃん』の家に来ていた。プレゼントを渡す為に。


 「はい。これがこの前のチョコのお返しだよ」

 「わぁー。ありがとっ、ういくん。ねぇねぇ、開けてみてもいい?」

 「うん。頑張ってお母さんと作ったんだ。食べてみて?」

 「うん。このクッキー美味しそう! それじゃあ、早速食べるね。いただきまーす。


 ───美味しい…… 凄いよ、ういくん。もしかしたらお菓子屋さんになれるかもね!」

 「美味しいなら良かった~」


 少年から紙袋を渡された『ひーちゃん』は、中に入っていたクッキーを口にして、感想を述べている。かなり美味しかったようだ。


 「それと…… もうひとつプレゼントがあるんだ。


 えっと…… これだよ」



 少年は、少女に向かって四角い木の箱を渡した。


 「これは何?」

 「開けてみて」

 「うん…  ……っ! これは?!」

 「えっと…… お父さんが、『自分が好きな人に渡しておくんだよ』って言ってたから……」


 少年が渡した箱の中からは、1つの銀色に輝く指輪が入っていた。


 「もしかして、要らなかった?」

 「ううん。とっても嬉しいよ……  私もね…… ういくんの事ね…… だーいすきだよっ……」

 「それじゃあ、大きくなったら結婚してくれる?」

 「うん……! もちろんだよ」


 少年は、少女にプレゼントした指輪を、左手の薬指へと通した。


 「本当に…… ありがとう、ういくん」


 少女は別れ際まで泣いていた。




















─────次の日、少女『ひーちゃん』は学校に来なかった。次の日も、次の日も、次の日も、次の日も、次の日も……



 少女が、ホワイトデーの日の夜に引っ越していたのを少年が知ったのは、1週間後だった。

本編は、明日出しますね。






 ───多分……













すいません、1年ほど休載します……

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