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現代神話のエルカヴァリア  作者: 白卯兎 健太
日本編
4/44

エルカヴァリア

 俺とイヴリーンは湖に急いで戻った。湖に着くとさっきの人型兵器がそこにいた。


「改めて見るとなんかかっこいいなぁ~」

『やっぱり近くで戦争があったのね…』

「これなんて言うの?俺の世界には、2次元の奴しかないからさ…なんかこういうの見るとわくわくする。」

『これはね!なんと!』

「エルカヴァリア」

「エルカヴァリア?これが……」


 イヴリーンの話を遮って機体の背後から出てきた少年がこの機体を教えてくれた。話を遮られたイヴリーンは、頬を膨らませていた。

 少年は、パイロットスーツらしきものを着て、ヘルメットをかぶっていた。おそらくこの少年がこの機体……エルカヴァリアとやらを操縦していたのだろう。

 少年はヘルメットを取り、素顔をさらす。


 おお……!なんというイケメン!美形!絶対女の子にモテモテなんだろうなぁ~……う……羨ましい~!!!


「うらやましい~!!!」


 俺はその”美”少年に泣きついた。


「うわ!ど、どうしたの!?」

「あ、ごめん。あまりにも羨ましくてつい……」

「う…羨ましい?何が???」

「チッこいつ無自覚かよ…なんかムカつくわ!!!この世に絶望した!!!」

「え?なにが!?なんか舌打ちされたんだけど!」


 この超絶”美”少年君は俺の…否!俺たち一般人の彼女ができない絶望を知らないんだな!グスン(泣)

ちなみにイヴリーンは、急に泣き出したり少年に抱き着いたりした俺に対してうわぁ…とすごく引いており、ごみを見るような目で見つめていることに俺は気づくことはなかった。


ん?よく見るとこの”美”少年……耳がとがっている…エルフ耳だ!ま…まさか…


「き…君はエルフなのか………?」

「え……うん、そうだよ?」

「やっぱり!ほ…本物だぁ~!触っていい?すげー!本物のエルフ耳だ!」

「許可とる前に触ってるじゃん……」

『ちょっと!そ~ら!そろそろこの子を離してあげなさいな!困っているでしょ!?やっぱりあんたのほうが幼児じゃない!』


 バシーン!!!

 イヴリーンにハリセンでシバかれた……どこから出したそれ?


 ”美”少年君は、苦笑していた。


『ごめんなさいねセシル君。こいつにはあとでたっぷりと調教してあげるから!!』

「アハハ……ほどほどにね……」


 かわいい子に調教されるの!?でも、ご褒美です(笑)

 なんて言ったらまたシバかれるので、心の中にとどめておく。


「あれ?二人とも知り合いなの?」

『そうよ!私とセシル君はお友達なのよ!』

「そうだね。イヴリーンとは小学生のころからの友達なんだ」


 なるほど、所謂幼馴染というやつか…


「そういえば自己紹介がまだだったね。俺はセシル・カーライル。エルカヴァリアのアルファ(パイロット)をやってるんだ。よろしく」

「俺は吉川天。異世界から来たんだ。…てゆーか無理やり呼ばれたというか」

「異世界から!?まさかあの施設に禁忌魔法を使える奴がいるのか!?」

「禁忌魔法?」

『禁忌魔法はね、その名の通り魔法の使用が禁じられているのよ!私たちが使うのは、通常魔法、または一般魔法というわね』

「禁忌魔法は強力ながらも癖の強いものが多い。一番ひどいものだと一国を滅ぼすレベルなんだ。勿論旧アメリカや旧中国、旧ロシアなどのかつて面積が広かった国は何百発撃たないと滅ぼせないけどね…」

『もっと具体的に言えば、禁忌一発で日本の半分以上が滅ぶ可能性があるというレベルね』

「え!?それやばくね!?」

「だからマルセイユ魔法条約で禁止されているんだ。まあ、代償として使用者の命を犠牲にするからまともな人ならまず使おうとはしないだろうけどね」

『そもそも禁忌系は、発動するのに大掛かりな準備をしないといけないし、魔法陣は巨大で複雑すぎて面倒だし、魔法陣の上に臭い特殊な粉を駆けないといけないし、魔法陣を書き終えたら今度はそれにマナを注入するのに一日中かかるけどね。しかも集中しないとせっかく書いた魔法陣の一部が崩れてまたやり直し、魔法識別機が開発されてから余計にやりずらいと思うわよ』

「うわぁ……めんどくさいなそれ……」

『まあ、こんなに面倒なのはごく一部の、しかもやばい奴だけだし、中には一時間程度で発動する奴簡単な禁忌系もあるけどね。それでも一時間もあの臭い中で発動するのはごく一部だけのツワモノだけ」

「召喚魔法はどれくらい?」

「さあ?」


 アイツあんなことをやり遂げてたのか……。しかも聞けばあんな奴ら、世界に数十人もいるらしいじゃないか……。この世界は恐ろしいな…異世界といっても俺の世界と同じ国名があるな…もしかして国の形とかも同じか?


「で、このエルカヴァリアというのを詳しく教えてくれないか?」


 俺は目を輝かせながらセシルにエルカヴァリアについて教えを乞う。


「エルカヴァリアっていうのは、一般の兵器からさらにパワーアップした言わば、次世代の兵器なんだ。ふつうはエルクと呼ばれることが多い。パイロットはアルファと呼ばれているよ。人型のほかに飛行型、魚型、蜘蛛型、宇宙型の計五種類に大きく分かれている。別にその型がその場所以外で活躍できないわけではないんだ。例えば飛行型を水中戦で展開させるときに特殊な魔法をその機体に付加させることで水中でもどこでも活躍できる。ただ、水中で戦闘を行うとき飛行型よりも魚型のほうが有利に戦えるんだけどね。」

「へぇ、それはすごいな……」

「ちなみにエルクはグラシアス・ジュベル博士が超古代遺跡から発掘したんだ」

「へ?超古代?発掘?」

「そう、真神器の一種。ロストテクノロジーとも呼ばれるんだけど、超古代文明時代は現代よりも科学が発達していた。なんで滅んだのかはわからないけど……」

「そんなに高度な文明だったの!?すごいな!これも発掘した奴?」

「これは真神器のエルクの技術を再現して作られた偽神器…つまり現代版。完全に再現されたわけじゃないけどね」


 なるほど、エルカヴァリアについては大体のことが分かった。しばらく3人で話をしていると


「お、ほかの仲間が無事ミッションを終えたようだな。俺たちも拠点に戻ろう。」


 セシルはエルカヴァリアを起動させ、俺たちもエルカヴァリアに乗せてもらう。せ…狭い……。


 俺たちは、セシルたちの拠点に向けて出発した。









「ところでイヴリーン、お前も付いてくの?」

『何よ!文句ある?』




*********


~イヴペディア~

*エルカヴァリア・・・超古代文明の代名詞の一つである次世代兵器。略称はエルク。最近はマナをためるコンデンサを開発中らしい。兵器の中ではコストが高いが、一般兵器と比べると、いろいろな面で優れている。最大の特徴は、エルカヴァリアには魔法盤というものが足元に採用されており、それを使って機体性能を上げたり、AF(正式名称はアミュレット・フィールド)が使えたりするのが特徴。偽神器の一種。エルはエルメル語(今作の敵国)で【上級の】、カヴァリアはエルメル語で【兵士】。AFのアミュレットは魔よけや加護の意味だが、別に魔法を完全に防げるわけではない。パイロットはアルファと呼ばれる。

*人型・・・そのまま。地上にも空中戦でも戦えるバランス型。ノーマル型とも。水中戦や宇宙戦では特殊な纏い術が必要。

*飛行型・・・主に空中戦を得意とする機動兵器。空のギャングとも呼ばれる。大体、後退翼かデルタ翼をよく見かける。龍型と呼ぶこともあるらしいが、こんな呼び方してるのは上海地方と台湾のみ。

*魚型・・・主に水中戦を得意とする機動兵器。機体によっては、垂直に魚雷を撃てるので、上空や地上にいる敵機も攻撃可能。ただし、地上の目標物への攻撃は現時点では不可。さらに稼働時間も一番短いのが欠点であり、なかなか扱いづらい短期決戦型。一応耐久性能はピカイチ。貝型と呼んでいるのは、主に欧州地方。ちなみにこの世界では、水中の生き物は貝類やクジラなどの哺乳類を含み、魚と呼ばれる。

*蜘蛛型・・・主に地上戦を得意としていた機動兵器。脚が4本ある。しかし最近は脚がないタイプも登場しているので地上型と呼ばれており、たぶん徐々に地上型と呼ばれるようになるかもしれない。人型の登場でカテゴリー死亡かと噂されたが、人型と比べ低コストであり、旋回性能や壁などに引っ付くなど、別路線で活路を見出している。

*宇宙型・・・主に宇宙戦を得意とする機動兵器。全カテゴリーの中で最も影が薄い。人工衛星みたいな兵器。戦闘衛星と呼んでいるのは火星の一部地域…つまり火星人。

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