リアル脱出ゲーム
「う~ん…」
目が覚めた
どうやら見知らぬ部屋にいるようだ。部屋はちょっと暗く狭い。
部屋の中には何も飾られておらず、殺風景で時計すらない。しかし部屋の隅には洋式トイレがある。
とりあえずドアを開けよう。
バチッ!!!
「ぐわっ!いった!!!・・・え?何!?」
痛い!痛すぎる!!なんだこれ!?
手がひりひりする。
しかしよく聞くとドアノブからなんか音がする。おそらく電気が流れている音なのだろうか。…ということは俺、閉じ込められた!?俺なんかしでかしたっけ???
何もすることがない・・・。暇だ!暇すぎる!!
仕方がないので布団で寝・・・
「――って布団がない!?劣悪な環境すぎ――」
「うるせーぞ被験体がっ!!!」
「ひっ・・・ごめんなさい!?」
めちゃくちゃ怒られた…
・・・え?被験体??俺何かされるの!?
俺の知っている異世界ライフと全然違う・・・(泣)
どうしよ・・・どうにかして脱出しないと!・・・でもどうやって脱出しようか・・・
~たぶん1時間後~
壁を重点的に調べたが結局何もなかった。
異世界転移といえば、やはりチートがテンプレだろうと思い、正直期待してはなかったが壁を強めに殴ったら、悲鳴を上げたのは俺のほうだった。
「いってぇ!!!」
「おい!隣の奴うるっせぇぇんだよ!!」
「ハ・・・ハイ・・・すいません・・・」
隣の奴からもめっちゃ怒られた・・・。
俺・・・このままどうなるんだろう。
…しょうがない。よし!スマホで現実逃避を…って…ネットに繋がらん!
でもそうか……異世界だからネットに繋がらないんだよなぁ……。
なんて考えていると……。
コツッコツッ
ん?なんだ?複数の足音が聞こえてきた。
だんだんこちらに近づいてきているのがわかる。
そして――
ガチャ
「吉川天君。出たまえ」
そこには、この世界で初めて出会った怪しげな男が立っていた。
「あ…あの…被験体って何ですか?」
「それも君が今知る必要はない。黙って付いて来たまえ」
怪しげな男は、左手で魔法陣を浮かび上がらせた。
魔法陣は俺の口に吸い込まれ……。
「!?」
僅かに開いていた口が勝手に閉じられ、喋ることができなくなってしまった。
ちょ…ちょっと!!!これやばいパターンなんだけど!!俺ガチでどーなんの!?
俺は格闘技なんて知らないし、相手は魔法とか使えるから絶対に返り討ちにされるだろうし……
俺は無抵抗のまま男についていくこととなった。
俺は手術室らしき部屋に連れていかれまた魔法陣で眠らされた。
そのあとに記憶はない。
***
あれから何日かたった。食事の回数からおよそ2週間くらいと思う。
俺の体をいろいろといじくられているようだ…俺の体どうなるんだろう……
そして…
コツッコツッ
ガチャ
「おい、被験体PWA-06。外へ出ろ」
兵士の男にそう言われ外に出る…。また実験か・・・。
牢屋から出て地下二階にある手術室に向かう。
そして、手術室が見えてきたその時――
ドカーン!!!ドーン!!ドゴォーン!!!
ファイン!ファイン!ファイン!
《緊急事態発生!緊急事態発生!施設内に敵機確認!敵機確認!戦闘員は、至急戦闘態勢に移行!!各従業員・研究員は速やかに避難せよ!!繰り返す。施設内に敵機確認!敵機確認!――》
な…なんだ!?何が起こっているんだ!?
外からなにかが爆発しているような音と、警報機のアナウンスが流れ・・・つーかファンタジーだよな?
なんかファンタジーな気分がしない…なんてどうでもいいことを考える俺。
「馬鹿な!?ここは世間に知られていない機密施設のはずだぞ!?【BSかホープ】か!?なぜここに!?」
ドゴォーン!!!
!!!
ここは危険だ!さっさと離れよう!!……そんな感じがした。
必死に外へ向かって走る俺。すると頭の中に情報(脱出ルート?)が流れてきた。え!?なにこれ!?
「ま…待て貴様!!」
背後から男が銃を構えようとして…
ドドドドドドドド
「な!?天井が崩れて――」
男のいた場所の天井が落ちて、男が潰された。
「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!?」
エレベーターはもう使えないので俺は必死に階段を上り廊下を駆けていく。
「よっしゃ!地上だ!」
やっと1Fに着くと…。
「な…なんだあれは!?」
巨大な人型のロボットがそこにいた。