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差のある不幸達へ  作者: ライム
1章目 -隣人-
1/7

少女は巡る

はじめまして。ライムと申します。お恥ずかしいことながら、初投稿です。

拙い部分が多々あるとは思いますが、読んでいただければ幸いです。

高校2年生。すなわち17歳の名浜真琴は、10階建てマンション2階に位置する自宅の自分の部屋の中にて溜め息を吐いた。

季節は春。花粉症なため、目や鼻が痒んでしょうがない。苛立ちながら彼女は乱暴にバッグを床に置く。

制服のままでベッドの上で横になった。そして目を瞑って考える。



母は私が3歳の時に心臓麻痺でいきなり死んでしまった。

これは不幸だ。


父は去年に何の変哲もない普通の女と再婚してしまった。

これは不幸だ。


私はそんな母を捨てたも同然な父を憎んで恨んでいる。

これは不幸だ。


こんな家庭環境だから同学年の人間よりも成熟した考えを持っているのに誰にも理解されない。

これは不幸だ。



総じて私は結論付けた



私は、不幸だ。



だから起きると死を連想する。死にたいほどの絶望なんてどこにもないはずなのに、ただただ死にたいと願う。

でも痛いのは嫌だ。死体が汚いのは嫌だ。誰にも理解されないままなのは嫌だ。


特に生きたいワケでもないけれども。「嫌だ」で構成された思考回路は確かに私を生かしている。


そんな不毛な生き方は自分でも馬鹿馬鹿しいと思っている。しかし、父親やその再婚相手、そして同学年の阿保面で笑っている奴等よりは、私は生きている価値がある。


きっと、私の年齢でこんなに不幸なのは滅多にいないだろう。世界に私みたいな人が増えたら戦争なんてなくなるのにな。



昨日も今日も明日も私は同じことを考えて。


1年後も5年後も10年後もだらだらと生き続けるのだろう。



そして彼女はもう何回目かも分からない溜め息を憂鬱を込めて吐き出した。

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