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神と特因(ギフト) 2

「ねぇ、想像してみて?僕、男なんだよ?前世も入れれば二十歳越えてるような男が、ことあるごとに可愛いとか美少女とか言われるんだよ?そんな苦しみをこの五年だけじゃなくて、これからもずっと味わうんだよ?お・ま・え・の・わ・る・ふ・ざ・け。のせいで。それわかっててこんなことしたんだよね?だから、このあと僕にボコボコにされようが、焼いたり煮たりされようが、覚悟の上なんだよね?文句ひとつ言わずに受け入れてくれるんだよね?どうなんだ、変態」


「いや……あの……。ホント、すいませんでした。反省……してますんで、どうか命だけは………」


「ん?大丈夫、大丈夫。命はとらないよ。だって…………………すぐに死んじゃったらつまんないでしょ?変態は、苦しんで苦しんで苦しんで、自分から死にたくなるようにするから。…………ね?」


「ホントマジですいませんでしたーーー!!」



僕は全力の土下座をかますラノクリッドを、冷めた目で見下ろす。この男の娘好きの変態が最高神とか……………。大丈夫なのか?この世界。まるでお手本のような完璧な五体投地だが、そこに神の威厳とかはまるでない。あ、もとからなかったか。



「フゥ………」



僕が小さくため息をつくだけで、ビクッと反応するラノクリッド。そこまで怖がられると、逆に傷つくんだが………。

まぁ、なんで僕がこんなに怒っているのかと言うと、僕の女顔が一生直らないと、ラノクリッドに言われたからだ。何でも、一度変革した魂をもとに戻すことはできないそうで。僕の魂は、精神以外を限りなく女に近づけたから、成長しても男っぽくなることはないらしい。逆に、女らしさが磨かれるそうだ。ふざけんな。

……………………まぁ、これ以上怒ったって女顔が直る訳じゃないし、話が進まないから、そろそろ勘弁してやるか。



「おい、変態」


「さ、サー!何でしょうか。サー!」


「……………これ以上は、話が進まないから許してやる。だからさっさと僕を呼んだ理由を話せ」


「イエス、サー!」



…………僕はハー○マン軍曹じゃないんだが………。コイツ、ふざけてるだろ。

魔力と氣を混ぜ合わせ、紫紺のオーラを纏う。そいやぁ、これのことをラノクリッドがなんたらとか呼んでたっけ……。えっと……あ、あ………………あ!神通力(アルスマグナ)だ。この事も聞かないとな。

で、この神通力(アルスマグナ)とやらを、拳に集中させてっと。



「ねぇねぇ。ふざけてる?」


「そんなことはありません。サー!」


「………………」チラチラ


「………ふざけてました。ごめんなさい」



神通力(アルスマグナ)を纏わせた拳をちらつかせてやれば、すぐに素直になった。やっぱり、この紫紺のオーラは神にも効くのか。覚えておこう。



「まったく………。で?最初に戻るが、なんで僕をここにつれてきたんだ?そもそも、ここはどこだ?」


「……ここは、神界。神々が住まう場所。そして、ここに呼んだ理由は…………」



ラノクリッドが急に真剣な顔になって、語り始めた。僕も、気を引き締める。

数十秒、僕とラノクリッドしかいないこの空間に、静寂が流れた。ラノクリッドは両目を閉じており、何やら言うか言わないか、迷っているように見える。

やがて、決意を固めたかのように、ラノクリッドが両目を開いた。






「光也くん。キミには、世界を救ってもらいたいんだ」






…………………………………え?



「世界を救う?どういうことか、さっぱりなんだが………」


「まぁ、いきなりそう言われたらそうなるよね。

順を追って説明するよ。

まず、この世界の最高神。つまり、世界神がボク、ラノクリッド。ボクは世界にたいして中立を貫いている。で、ボクの下の階位の神が、二柱いるんだけど………。こいつらが仲がすごく悪いんだ。そいつらの名前を善神セイティス、悪神アンリドータっていうんだけど、また喧嘩を始めそうなんだ。それも、この世界を使った、勇者と魔王の戦いという形で。セイティスの野郎は異世界から勇者の素質がある人間を呼んで、加護を与えて勇者にする。アンリドータは、陰族……こっちでは魔族か。に、加護を与えて魔王とする。そうやって二柱は、何度も何度も争っているんだ。まぁ、上級神である二柱が直接争ったら、世界が何個か壊れちゃうから、この方法しかないんだろうけど………。そのたびに、この世界では、多くの命が失われている。ボクはそれを止めなきゃいけない。ボクが最高神でも、上級神二柱を頭ごなしに命令してやめさせるのは無理。だから、ボクの加護を与えることができる魂を探してたってこと。それが、キミ。光也くんなのさ。キミには、この勇者と魔王の戦いを止めてもらう。説得でも懐柔でもいいし、背後からバッサリやっちゃっても構わない。方法はキミに任せる。もちろん、そのための力をキミには渡すよ。チートってやつだね。……………さて、ここまでで何か質問はあるかい?」



一気にしゃべって喉が乾いたのか、どこからともなく取り出した湯飲みでお茶を飲むラノクリッド。

さて……………、なんかすごいことを託されたなぁ………。

神同士の争いを阻止せよ!なんて、普通の人間である僕に務まるかね?

でも………。ひとつだけ………



「ラノクリッド。その、セイティスとアンリドータとやらの代理戦争。サツキやユノが巻き込まれる可能性があるんだな?」


「……………可能性どころか、世界を巻き込んだ戦いになるから、ほぼ確実に巻き込まれるよ」


「そうか……………。なら、僕はその話を引き受けよう。二度目の人生で出来た、大切な人たちを傷付けようとするならーーーーー」









たとえ、相手が強大な力を持つ神であろうとーーーーーーーーーーーー











「殺す」











「……………そうか。なら、頼んだよ光也くん………いや、レイヤくん」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





暗闇に沈んでいた意識が覚醒する。閉じていた目を開くと、そこはあの純白の空間ではなく、最初にいた『神通の間』であった。

神界では感じることができなかった温もりを、右手に感じる。隣を見れば、ちょうど僕の方を向いたサツキと目があった。



「えへへ。レイヤさま、どんな特因(ギフト)なんでしょうね?」


「あぁ……………。サツキ」



嬉しそうに微笑むサツキを…………………抱き締める。



「ふぇ!?れ、レイヤさま!?」


「ごめん。ちょっとだけ、こうさせててくれ………」



……………この、腕の中の大切なもの。サツキだけじゃない。ユノもアッシュも、母さん父さん兄さん。



セイティスとアンリドータ、お前らの都合でこの人たちを傷つけようというのなら、全力で粗がおう。覚悟しておけ。



「……………おーい。いつまでもいちゃいちゃしてないで、戻ってきなさーい」



……………母さん、ちょっとは空気を読んでくれ………!



「ほら、これ。早く特因(ギフト)の情報を確認しましょう」



母さんから手渡されたのは、一枚の紙。この紙に魔力を流し込むことで、自分の特因(ギフト)の情報がわかるらしい。サツキもおなじものを受けとる。

さっき抱き締めた後遺症からか、顔の赤いサツキと、せーのでタイミングを合わせて魔力をながしこむ。さてさて、ラノクリッドはどんな特因(ギフト)をくれたのやら……………………………………………………………………………………………え?



「レイヤさま!わたしの特因(ギフト)は、『無垢なる(イノセント)聖女(マリア)』という生命魔法の効果を上げたり、神聖魔法が使えるようになるみたいです!」


「ほう、聖女系の特因(ギフト)……………………。教会に欲しいですね」



サツキとコレットさんが何か言っているが、僕の耳には入ってこない。じっと自分の特因(ギフト)の情報が書かれた紙をにらんでいる。



いや…………これはさすがに………。



「あの~。レイヤさま?どうなさいました?なにか問題でも………」


「ん?ああ、ごめん。大丈夫大丈夫。ちょっと書かれた内容に驚いただけだから」


「わたしも見ていいですか?」


「うん、いいよ。ハイ」



僕から紙を受けとったサツキの表情が、読み進めていくうちに驚愕に染まっていく。



「れ、レイヤさま……………。これって………」



サツキが震えた声を出す。うん。その気持ちはよくわかる。だって、その紙に書かれた内容はそれほどに信じがたいものだったのだから………。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『天空王』


空を統べる者 大空の覇者


スキル


[天駆・極]

空中を足場にして駆けることができる。魔力消費(極小) 持続性(極大)


[大気支配]


大気を自在に操ることができる


[敏捷強化・極大]


敏捷が上がる


[未解放]

[未解放]



『召喚王』


古代召喚魔法をあやつる者 


スキル


[召喚魔法・極]


召喚魔法を使えるようになる


[超越進化]


召喚した魔物が進化する


[未解放]

[未解放]



『創造王』


万物を造り出す者


スキル


[工房]


亜空間にある工房へと行けるようになる


[創造の極意]


生産活動に強力な補正


[未解放]



『世界神の使途』


世界神から頼みを託された者 

神力の使用が可能となる



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



…………………………………………………………さすがにチート過ぎるだろっ!

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