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第07話 学校と言えば・・・・

お読み有難う。

 蔵の整理していたら陽が登った。



 今日の予定は.....昨晩発見した平屋の学校ぽい施設の探索。




 陽が登り辺りが白み始めた為、色々と物色を兼ねた整理を終え目的地に向かって歩き出した。


 夜の闇の中で見た学校は薄気味悪さを纏っていたのだが、朝焼けの中で見た学校は何処か神秘的な雰囲気に包まれている様に感じた。




 はっきりと周辺を見渡せる様になり気付いたが蔵を左手側とし、右側の森は現代日本では珍しいブナの森となっていた。


 ブナに混じって、栗や林檎、桃、蜜柑といった食用となる果実の木も所々に見える。




 昨晩は夜間で足元が見え辛かった為に遅かったのか、目的地の学校まで数分で着く事が出来た。


 学校は平屋木造で一般の幼稚園よりも大きい為、小学校だと思う。





 校舎の中に入る為、正面玄関として備え付けられている木造の引き戸を引いてみたが、鍵が掛けられているのかビクともしない。


 正面玄関以外から内部に侵入しようと考え、窓や勝手口など侵入可能な場所を探して一周してみたが入れそうな場所は見つからなかった。


 また、拠点として後に利用する為の考えとして余り良い考えではないが、窓ガラスを割って侵入しようと考え実行してみたが、まるで耐衝撃ガラスの様に割れるどころか、窓ガラスに傷の一つも付ける事が出来なかった。



 学校ぽい施設の内部探索を予定していたが、鍵を入手しない事には入る事が出来ない。



 まあ、ダメ元の予想として考えられるのは未だ見ていない蔵の荷物の中に鍵がある可能性。





 予定が潰れたので、学校の内部探索は後回しにして昨晩同じく見つけた温泉の方を見てみる事にした。









 温泉は天然の穴倉に湧いているのではなく、人工的に配置された岩で囲まれた風呂状の場所に湧いていた。




 湯の色はやや淡い青みを帯びた透明で、近くにボイラー等がない所から源泉直湧きぽい。


 通常、源泉温泉の場合は温度調整の為に直接湯元から風呂に引っ張るのではなく、湯湧き口と風呂の間に木造や石造のトユを置き、そのトユと外気との接触時間を調整.....トユの長さで調整.....し、風呂に流す。


 これは温度調整の為だけでなく、温泉の源泉湯には温泉としての湯や薬効成分(硫黄や塩分等)の他に、硫化水素等といった人体にとても有害なモノが含まれる為にそれらを除去および管理するという役目も持つ。場所によっては河川や海辺といった場所に天然の温泉が湧き、それを利用するという場合もあるが基本、天然温泉の全てが何の検査もせずに利用出来る訳ではない。




 ・・・・と。そんな難しい話はおいておいて。



 温泉の風呂の造りから、そう古くない時代までこの場所に何かが住んでいたのが解る。




 学校ぽい施設の外観、蔵、温泉場・・・・これらから解る事は”ココ”は多く見積もっても数十年以内まで何者かが利用していたぽい。


 蔵の造りや温泉だけだと・・・・日本でいうと平安以降の時代から使われる技術があちこちに見られる。


 が、学校の存在.......といっても廊下に面した窓ガラスの存在........が、古くて大正、新しくて昭和の時代で作られ多く使われたモノだからだ。それより前の時代・・・・江戸とかではガラス製品とか大変貴重で窓ガラス自体に使われていない以前にこの建造の学校が普及したのさえ、大正以降だし。







 数十年と見積もったが・・・・・人が住んでいたと思われるが・・・・・肝心の人の気配も生活感も感じ取れない。


 ここにいたモノが何か?...........たぶん。ヒトか、ヒトに近い生態を持った何か。



 日本人と断言出来ない訳・・・・・


 学校ぽい施設や温泉、蔵があるのにヒトが生きていく上で大事なモノがない。



 ヒトが生きていく上で大事なモノ・・・・・・



 サバイバルまで行かなくても、キャンプでも街(家)に住むのでもいい、


 人が生きていく上で大事なモノといえば、


 第一に ”水”................水だけでもあれば、食事しなくても最低十日は生きていられる。


 第二に ”食料”...............水(温泉水)だけでも十日は生きれても、ひと月は無理。ひと月以上生きるには水に加えて食料が必要。その食料については蔵から学校への途中の右手側の林の中にあった。


 が、ただ食料といっても果物のみ摂取していて生きられる訳がない。



 果物と水で生きていく事自体は可能かと云えば、出来る。


 ただ、水と果物のみを摂取して生活した場合..............平均寿命が物凄く低くなる。




 何故か?.....(詳細な説明は面倒なので中学校以降の生物(理科)や保健体育、家庭科辺りを調べて下さい).....簡単に説明すると、炭水化物や果糖、食物繊維だけ摂った場合の人間と豚牛鳥魚等も摂取した人間と比べた場合、後者の方が圧倒的に寿命が長い。昔の教科書(うろ覚え)曰く、平安時代、江戸時代、現代の人間の最高寿命を調べた結果、菜食主義者よりも肉類も食べる雑食の方が寿命が長い。その理ゆ(ry......。おまけ.....高僧の即身仏の修行にも通じます。




 お気付きの通り、果物以外の農業分野の痕跡(田畑)がない。米や麦等の炭水化物、豚牛鳥系のたんぱく質を得る為の施設(畜獣舎)も施設跡も見受けられない。




 何というか、凄く変。ここ。






 余り遠くまで散策するのは現状無理だから、学校ぽい施設を中心に一周してみた。



 学校の正面?から始まり対面右側の側面(長方形でいう辺の長さの短い面)の直ぐ近くに、井戸ぽいモノがある。


 井戸の上には最近の学校では見かける事が少なくなってきた”ガチャポンプ”が備えられている。


 ポンプ上部の穴をのぞき込むと水気がない為、ポンプそのモノや井戸が生きている(使用可能状態)か解らない。ポンプの上部の穴に水を流し込められたら解るのだが、現状水状のモノというと蔵の左側の温泉しかなく、温泉水で『呼び水』は後々の事を考えると使う事は出来ない。何処かできれいな水が手に入ったら試してみようと思う。





 学校の裏側は竹林となっていた。竹林の規模というか植生から見て、ヒトの手、栽培痕跡が見受けられない為、自生の竹林の可能性もあり。






 竹を避けつつ更に進むと、少し朽ちかけた弓道場があった。


 弓道場といっても屋根付きな建物はなく、矢が刺さった砂入り俵マトが四つと朽ちかけた木造マトが一つ、弓矢が立てかけられた弓置き場が一か所、滑り止めの松ヤニの粉を作っていたと思われる作業場が一か所あった。ただ周辺に松の木の存在が見当たらない所から、竹林の奥か何処かに松林があるはず。




 その後は竹林が学校の対面左側面側まで続いており、これといっためぼしいモノはない。


 めぼしいモノはないが、途中、美味しそうなタケノコを幾つか見つけた。





 学校と思っていたが、学校以外の施設かもしれない。



 学校といえば、”二宮金次郎の像”だとか、校舎の外壁や周辺に大きな時計、飼育小屋、プール、そこそこ広い運動場があってしかるべきなのだが、そういったモノが一つも見当たらない。






 学校ぽい見た目の施設を後にし、蔵に帰った。


 学校ぽい施設の鍵............あるかどうか解らないが探すしか現状を進める事は出来そうにない。







未だタグ回収する話を書けない。周辺探索と現状打破の為のヒントを少しづつ加えながらこの世界の謎、主人公が蔵にいた理由等に迫っていきたいと思います。


20160510 誤字修正しました。


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