合宿の二週間目
こんにちは。僕は日本人ではありません。日本語勉強中です。何か間違いや誤りがあるかもしれません。その時はどうかご容赦ください!
これは僕の初めての小説であり、連載小説でもあります。これから一生懸命に、週1回新しい話を投稿するように頑張ります。
よろしくお願いいたします!ぜひ感想を聞かせてください!
キャンプでの八日目の夜明けとともに、大きな変化が訪れた。目を覚まして朝の日課を終えると、大勢の人混みの中を、僕は最後の方の一人として歩いて午前の訓練場所へと向かった。前方には、僕と同じ班の人々もいれば、他の班の人々もいて、その方は道すがら、僕の歩く道からそれていった。前方にいる人が明らかに少なくなった時僕は竜二くんを見つけて声をかけた。しかし返事はなかった。気付いて彼はその時父親と話していたので、おそらく聞こえなかっただけだろう。
射撃場に到着すると、武器が配られ、訓練が始まった。順番が来て全ての弾を撃ち終えた後、朝できなかったので竜二くんに挨拶しようと思ったが、彼に近づくと、彼はただ背を向けてどこかへ行ってしまった。「え?何か悪いことをしたのか?」という問いを自分に投げかけ、なぜ新しい友達が僕を無視し始めたのか。その理由を理解しようとした。しかし、まったく何も思い浮かばなかった。訓練の途中で、この状況についてもう一人の新しい友達、星野さんに話した。彼女も僕がどんな行動で彼を怒らせたのか理解できず、昼食時に彼に謝ることを勧めてくれた。
午前の訓練が終わった後僕は食堂へと向かった。道中で誠が僕を見つけて、一緒に時間を過ごそうと言ってきたが、もう別の予定があると断った。彼と別れ、竜二くんを探しに行った。それはいつも通り難しいことではなく、彼は大きな声で話していた。その声が僕を引き寄せた。彼に近づき、僕は言った。
「ねえ、本当に、何をしてしまったのか分からないんだ。でも、ごめん。申し訳なく思っている。何があったか教えてくれないか?」
「ほっといてくれ!」
たった一言を言って彼は反対側へ行ってしまった。後を追うのは無意味だった。だから昼食をただ終えると僕は障害物コースへ向かった。今回は多少の問題はあったものの、ついに最後まで完走することができた。ゴールでは、竜二くんと他の数人が既に待っていた。この状況をこのままにしておくわけにはいかず、僕は再び彼に話しかけた。
「やっぱり、何があったのか教えてくれないか?」
「ああ、もううるさいな!武器を手に取るのを怖がるような奴と、付き合う気はないんだよ!お前は男かどうかだ?ほら、女の子たちだって撃ってるのに、お前にはできないのか?もうお前とは関わりたくない、話しかけるな!」
彼はそう言った。その声は、50人からなる僕の班全体だけでなく、近くで訓練していた他の班にも聞こえたように思えた。驚いた、と言うのはむしろ誇張だろう。僕はこの時点までに、周りの全員が武器を手に取り、敵に向かって撃ちたがっていることを理解していた。だから彼の言葉は、もし他の誰かに僕が武器を怖がっていることを知られたら聞くであろうと、ある程度予想していた通りのものだった。しかし、彼はただの誰かではない。僕の友達だったはずなのに。どうやら、僕らの友情の絆は、こんなにも重い荷物に耐えられるほど強固ではなかったようだ。そう、悲しかったし、辛かった。しかし、それが世界の終わりというわけではなかった。僕にはまだ誠と星野さんがいる。まだ彼らを信頼できる...たぶん。
この言葉の後、僕の班の兵士たちだけでなく、テントに住む19人の隣人たちも、僕を避け、無視し始めた。それまで彼らと多く話していたわけではないが、寝る前にはいつも言葉を交わしていた。それなのに今では、上の段で寝ていた椎名さんでさえ、挨拶をしてこなくなった。僕はただの影になった。存在しているのに、誰にも気づかれない。ただ二人の友達だけを除いては。夕食時、誠に起こったことを話すと、この状況ではそれはある意味当然の反応だと言われた。周りの皆にとって、僕はある種の裏切り者になったのだ。実際には誰も裏切っていないし、革命軍のために戦い続けるつもりでいるにもかかわらずだ。夕食を終えてそれぞれのテントに戻ろうとした時、テントに着く前に星野さんに会って星を見に行こうと誘われた。
僕たちは、大きな木が生える林の端の小さな張り出した場所に登って地面に寝転がって空を見上げた。この一週間、天候を気にしたり、日の出や日没の時に太陽がくれる風景を楽しんだりする余裕は全くなかった。しかし、考えてみれば、それらはきっと最高に美しかったに違いない。
「綺麗ね、そう思わない?」彼女が、まだ少し温かい地面に寝転がった時に会話を始めた。
「そうですね...綺麗」
空には雲一つなく、代わりに無数の輝き、きらめく星々があった。しばらくすると僕は自分を見失っって、僕たちが星を見ているのか、それともが僕たちが星に見られているのか、分からなくなった。その光は僕の目を貫き、まっすぐ心臓に届いた。都会では、17年間生きてきて、こんな景色を見たことがなかった。目の上に広がるこの光景は、紀美子の家で見たあの絵画にも引けを取らなかった。それは魅惑的で、ありとあらゆる方法で僕を惹きつけてやまなかった。どうか翼がありますように、あの星々のところまで行って、間近で見られますように。
「子供の頃、よく父さんと兄一緒に星を見に行ったの。家にはまだ望遠鏡もあるのよ。」
「本当?すごいですね!僕もいつか、望遠鏡で星を見てみたいです。」
「星座って知ってる?」
「せい…ざ?いや、それは何?」
「どうして星は知ってるのに、星座については全然知らないのね、ハハ。」
彼女のその時の笑い声と笑顔は、運命が引き離してしまった別の少女を思い出させた。星野とも、そうなりたくはなかった。
「いくつかの星を頭の中で結びつけると、星座になるの。今はまだ秋だけど、それでもいくつか星座は見えているわ。ほら、あそこ、あの星たちを、6つの星で十字架になるように結んでみて。それがはくちょう座よ。」
彼女は指で、どこを見ればいいのかを指し示した。数分かかって、ようやく彼女の言うものが見えた。
「でも、なんでこれが白鳥なの?これってただの...普通の十字架じゃないですか?」
「頭の中で、その星に沿ってそっと線をなぞりながら、白鳥を想像してみて。」
彼女が何を望んでいるのか理解するのに、前回よりも何倍も時間がかかったが、それでもなんとかできた。僕は白鳥を見た。もちろん、それは空にあるのではなく、僕の頭の中にあった。
「なんて素晴らしいんです!」
「この星の学問は天文学って言うの。それは他の芸術と同じように、理由は分からないけど、この国では禁止されているの。私と兄は父から教わったの。小さい頃、よく街の外に連れ出して、星を眺めさせてくれたわ。」
「星野さんは兄と一緒にいるって言ってたけど、お父さんはどこに?」
「父は何年か前に亡くなったの」
「ごめん。知りませんでした。」
「大丈夫よ。次は別の星座を見つけましょう。」
その言葉の後、星野さんは僕の指を取り、星を指し示しながら動かし始めた。終わると、それは何の星座か当ててみてと言われた。ヒントは動物だ。何度か頭の中でこの奇妙な動物の姿を描こうと試みて失敗した後、ようやく何かが見え始めた。
「それは虎ですか?」
「わあ!惜しいわね。それはしし座よ。」
時間の経過を完全に忘れて僕たちは星が徐々に消え始めるまで、話して星を眺め続けた。それは間もなく夜明けが来ることを意味していた。この夜、僕は多くの新しいことを学んだ。例えば、夏の星座と冬の星座があること、星は実際には信じられないほど大きいのに、僕たちとの途方もない距離のせいで小さく見えることなどだ。別れを告げてそれぞれのテントに戻って眠れるだろうと思ったが、それは間違いだった。ベッドに横になると、目は一瞬たりとも閉じることができなかった。数時間前に見たあの風景が、まだ目の前ににあったのだ。
朝までずっとろくに眠れないまま、僕は朝食へと向かってこの夜に起こったことを誠に話そうとした。しかし彼は一人ではなく、高橋さんと一緒だった。僕が近づくと、彼らは何かを話し合っていたが、僕に気づくとすぐに黙った。挨拶をして、僕は今晩見たことを話した。二人の話し相手は、僕と同じように、星座を知らず、見たこともないと言った。残りの日々のうちのいずれかで、皆で集まって星を見に行く約束をして朝食は終わった。僕らそれぞれの班へと戻った。
今日の午前中はすでに慣例となった射撃場での訓練が待っていた。この四日間で武器に慣れたとは言えない。相変わらず恐ろしく、危険なものに思えた。しかしそれでも、僕の不安は日ごとに少なくなっていった。昼食時、星野さんに会って昨夜の自分の感覚、全く眠れなかったこと、そしてあの「絵」がどうしても目から消えなかったことを話した。彼女も四人で星を見に行くのに誘った。彼女は答えた。
「喜んで!」
昼食後、僕たちは一緒にランニングトラックへ向かった。そこでは筋力トレーニングが待っていた。この日、僕たちは、僕が唯一見た映画の中で見たようなことをやった。各兵士の背中に、約0.5メートルのロープで、男性には約30キロ、女性には10キロの巨大なタイヤを縛り付け、それを引きずりながら走らされた。それはまさに不可能に近い課題だった。僕は昨夜一睡もしていなかったことも響き、体を回復させることができていなかった。最下位近くでゴールにたどり着いて地面に倒れ込むと、肺はかろうじて生き延びるために必要な空気を送り込んでいるだけで、誰かが今心拍数を測ったら、おそらく一分間に300を超えていただろう――それほど心臓の鼓動が胸の中で響いていた。息を整えると今度はダンベル、ケトルベル、バーベルが待っていた。このトレーニングも終わってようやく訓練終了が告げられた。それは僕だけでなく、全身に大きな筋肉を持つ男性たちにとっても、過酷なものだった。
この日の初めの計画では、あの木の下で星野さんと星を眺めるつもりだったが、この疲れ果てるような訓練の後では、食堂と自分のテントにたどり着くのがやっとだった。頭が枕に触れるとすぐに意識は途切れた。次の十日目の初めまで戻ることはなかった。
昨日に比べれば、今日の二つの訓練は赤子の手をひねるくらい簡単なものだったので、僕の脳はそれらを記憶に留めることさえ重要とは思わなかった。脳は別のことを理解してのに忙しかった――昼食時に起こったことの分析だ。
いつものように僕星野さんと一緒に食堂へ向かっていたが、途中で高橋さんと誠を見かけたので彼女に別れを告げて日没後に会って星を見に行こう約束をして、知り合いのところへ向かった。しかし彼らにたどり着く前に、僕の目は予想外の光景を捉えた。高橋さんが力いっぱい誠の顔を拳で殴ったのだ。彼は地面に倒れた。僕の体は脳よりも早く反応して走り寄って叫んだ。
「何をするんですか!?」
僕の問いには答えがなかった。それで僕は非難を続けた。
「僕たちは戦友でしょう、なぜ誠くんを殴ったんですか?!人間なら、拳じゃなくて口を使えてください!正気っすか?」
僕はさらに続けようとしたが、その時、地面に倒れていた誠が僕の足を掴んで注意を向けさせた。
「彼を責めるな。俺が悪いんだ。本当に大丈夫だから」
「な、なに言ってるんだ?彼は誠を殴ったんだぞ!なぜ君が悪いんだ?」
「ただ忘れてくれ。」この言葉は僕に向けられた。
「分かりましたよ、高橋先輩、もう過ちを犯しませんよ。」そしてこの言葉は高橋さんに向けられた。
その言葉の後、高橋さんは一言も発さずに背を向けて去っていった。誠が最後に言った言葉によって、この状況は僕にはますます不可解で理解不能なものに思えた。
「どういうことだ?なぜ彼を庇うんだ?どういう過ち?」
「ただ忘れてくれ。君が心配することじゃない。」
昼食中も、僕はあらゆる手段で親友から少しでも情報を引き出そうとしたが、彼は同じことばかり繰り返した。「君が首を突っ込むことじゃない。俺たちでうまくやっているから。」
あのカフェでの日以来、僕には彼から何の秘密もなく、僕は自分の人生で起こる全てのことを彼に話していた。代わりに彼からも同じようにしてもらえると確信していた。しかし、僕は間違っていた。僕は誠に自分の命を預ける覚悟があったが、彼はどうやらまだその準備ができていなかったようだ。
夕食時に星野さんと会って一緒に食事を終えると、おなじみの場所へ向かった。今日は、一昨日と同じく、昼も夜も素晴らしい天気だった。空には雲一つなく、訓練中は、暑くなりすぎないように太陽が時々隠れてくれればいいのにと思っていたが、もし夜まで昼間と同じように雲一つない空が約束されるなら、この美しい夜景のために、この暑さは我慢しよう。今日は、さらに多くの星座を教えてもらった。その中には、おおぐま座、こぐま座、薄らとうみへび座が見えていた。今日はもう経験があったので、星座を見つけてなぞるのはより簡単だったが、それでも同じように面白い課題だった。彼女が星座を教えてくれている間、僕は昼食時に起こった出来事について話した。彼女は僕より年上だったので、明らかに僕よりも人生経験と知識の蓄積がある人の意見を聞きたかったのだ。
「うーん...確かに奇妙ね。裏上くんは君に何も言わなかったの?」
「うん。何の手がかりもくれませんでした。誠に何を聞いても、全部否定して、このことに首を突っ込むなって言われました...もしかしたら彼も、竜二くんみたいに僕に怒ってるのかな?」
「それは違うと思うわ。彼が何の説明もなく、光川くんをこの件に巻き込まないようにしていると、もしかしたら君を危険から守ろうとしているのかもね。」
「危険?どういう?」
「それは私にも分からないわ。」
どうにかして答えを見つけられないまま、以前の過ちを繰り返したくない僕たちは急いで自分のテントに戻った。次の訓練日に備えて、体を休め、回復させるために。
日が昇るとともに、僕の訓練合宿は最終局面を迎えていた。残すはあと四日。しかし、一つ問題があった――僕たちはまだ、これから何が待っているのかを知らないのだ。革命の話は聞いたが、それはいつ行われるのか?ここに来る途中、運転手の佐藤健太さんは、僕が新兵訓練の最後のグループにいると言った。つまり、他の者たちは既に準備ができているということだ。ということは、十四日目が終わったら、すぐに戦争に行くのだろうか?それとも、休息と計画準備のために数日間与えられるのだろうか?
僕がこれらの疑問を抱き始めたことを察したかのように朝食直後、大佐は四つの班全てに、初日に彼が訓示を行った場所に集まるよう命じた。
「諸君の訓練合宿も終わりに近づいている。つまり、体力面だけでなく、我々の革命計画についても伝える時が来たということだ。諸君の多くが知っているように、現在、君たちのような合宿と同様のキャンプが、十数か所で革命への準備を行っている。君たちは我々が集めることのできた最後の部隊になる。訓練終了後、我々は秘密基地へ向かう。そこには既に他の兵士たちが待っており、一つの大きな軍として集結し、革命を実行する。合宿終了後、諸君は以下のいずれかの兵科に配属される:突撃隊、狙撃兵、陽動部隊、または我々の軍の将軍直轄の特別部隊だ。我々の主目標は、11月29日に政府庁舎を占拠することだ。その日は、全ての党員が武装した警備員に守られてそこにいる。この目標を達成するために、少数の陽動部隊が、発電所、水力発電所、中央銀行、石油精製所、化学工場といった、いくつかの重要施設を同時に攻撃する必要がある。主力部隊がこれらの騒ぎの対応に追われている間に、我々の本命である政府庁舎の占拠にあたる。そこにいる我々のエージェントのおかげで我々、事前に庁舎の平面図と、全ての可能な入口と出口を把握している。彼らに逃げ場はない。」
その後、大佐は補佐官の中佐たちに、より詳細な説明をさせた。その後、全兵士は各班に戻って教官たちがこれから従うべき計画をさらに詳しく説明した。
昼食の時間になって食堂で誠と会って、自分の不安を打ち明けた。まだ彼の言葉が腑に落ちないがずっと無視するわけにもいけないしちょっとだけ心を許して話しかけた。
「ねえ、こんな簡単に全部の計画を明かしちゃっていいのかな?」
「どういう意味だ?」
「もし、僕たちの中に裏切り者や芸術対策のスパイがいたらどうするんだ?こんなに前もって、こんなに簡単に暴露するべきじゃなかったんじゃないか?」
「俺は、ここに芸術対策の工作員がいるとは思わないよ。正確に言うと、それはありえない。」
「ありえない?どうして?」
「どうしてって、ここに入る前に、俺たちは検査されたんだ。経歴、近親者全員、それに嘘発見器テストも受けた。ここに芸術対策の者なんて一人もいないはずだよ。」
「え?初めて聞いたよ!」
「本当か?君は検査されなかったのか?」
「いや...」
他の人とは扱いが違うのではないかという感覚が、再び僕の心に湧き上がった。なぜ僕は検査されなかったのか?なぜ僕の家族は検査されなかったのか?僕は何が他の人と違うというのか?
「すごく変だな。」
「もしかしたら、君のことは既に皆が知っていたのかもな?」
「でも、どうやって?僕はただの普通の高校生だよ。僕には何も超常的なものなんてないはずだ」
この考察を続けるうちに、僕たちは完全な袋小路に陥った。考えれば考えるほどこの問題をさらに複雑で不可解なものにしてしまっているように思えた。とりあえずこの件は先送りにすることにした。休憩時間ももうすぐ終わりだし、僕たちはそれぞれの班に戻った。
午後は射撃場が待っていた。認めるのは怖いが、武器はもう、初めて手にした日のようには恐ろしいものには思えなくなっていた。僕は無慈悲な怪物になってしまうのだろうか?僕は復讐のとりこになり、完全にそれに包まれてしまうのだろうか?それを心配して僕はこれらの嫌なものへの嫌悪を共有してくれる人と、このことについて話そうと決めた。
「怖くなくなったことを怖がる必要はないと思うわ。私もそうなってきているもの。私たちはただ慣れてきているだけだと言えると思う。そして、戦闘中になるよりも、今慣れておく方がいいわ。戦いの中でやろうとしたら、遅すぎるから。ただ無駄に命を落とすだけよ。たとえ誰かを殺してしまっても、それが何のためなのかを覚えていればいいの。味をしめないで、自分がしたことをきちんと悲しみ、後悔すれば、多分そんなに苦しまないで済むから。」
彼女の言葉は、あまり説得力がなかった。彼女の顔には、自分が話していることをどれほど恐れているかがはっきりと表れていた。僕と同じように、武器に慣れ始めているという彼女の言葉でさえ、自動小銃を支える彼女の少し震える手を見れば、嘘だと分かった。しかし、その嘘にもかかわらず、彼女は恐怖にもかかわらず、僕を落ち着かせ、支えようとしているのだと理解できた。それには感謝していた。
夜遅くに訓練が終わって僕は急いで夕食へ向かった。そこで高橋さんと誠が同じテーブルに座り、何かを話しているのを見つけた。彼らは和解し、これで何が問題だったのかを聞き出せると思った。しかし、僕が彼らに近づき始めると、高橋さんが僕に気づき、素早くテーブルを立ち、去っていった。誠はというと、僕に向かって来て、僕の行く手を遮り、高橋さんを追いかけられないようにした。
「何が起こってるんだ?なぜ彼と話させてくれないんだ?」
「彼には近づくな。頼む。」
「でも、なぜだ?!説明してほしい!」僕はあまりにも大声で叫んだので、後で周りの人々に謝ることになった。
「俺のことを信じてくれるか?」
「ああ、信じてるけど…」
「なら、ただ俺の言う通りにしてくれ。頼む。」
「でも...僕は君にも信頼してほしいだけなんだ。何が起こっているのか教えてくれ。」
「本当に無理なんだ。これは...これは俺の班の問題なんだ。俺たちに課せられた秘密の任務なんだ。」
彼の言葉は、星野さんの言葉と同じように、説得力がなかった。誠がこれまで僕に嘘をついたことはなかったと思うが、今はそれが嘘だと感じた。それが思いやりのある嘘かどうかは分からないが、僕はとても動揺した。僕は本当に、自分のように彼を信頼していた。しかし、残念ながら、彼から同じレベルの信頼を得ることはできなかった。会話を続けたくなかったので僕は星野と一緒によく行く場所へ向かった。しかし、そこに着く前に、激しい雨が降り出して空は暗い雲に覆われていた。もしかすると、空はこうして僕が彼女と話すのを止めさせようとしていたのかもしれない。その会話で、僕はまた友情に失望するだろうと警告していたのか。あるいは、空は僕とは全く関係のない何かで悲しみに暮れていたのかもしれない。それを知ることは、永遠にできないだろう。
ずぶ濡れになってテントにたどり着いて着替えてベッドに横たわってその日のことを長い間考え抜いたた。この夜、周りの人々が僕を無視し、話しかけてこなかったことに感謝した。おかげで頭の中の考えにしっかりと集中することができた。しかし、それでも頭の中にあることを整理する助けにはならなかった。
朝、起きてすぐに、僕たちは小さな舞台の方へ急き立てられた。そこで大佐が再び演説を始めた。
「明後日は我々にとって最終日となり、革命軍の将軍自身がとその直属の部隊約五十名を連れてここに到着する。将軍は、明日の午後と最終日の午前中に、諸君の訓練と少々のテストの様子を視察される。最も有能で才能ある者たちを、将軍は自分の部隊に選抜するだろう。」
この言葉の後の彼の演説は、そこにいた兵士たちの誰にもほとんど聞こえていなかった。大佐の演説を聞いていた者全員が、突然元気づき、何かを囁き始め、やがてその囁きは大声での会話へと発展した。
その日、一日中、僕の周りにいる人々の会話の中で、将軍について聞かない瞬間は一分もなかった。これらの言葉のおかげで、時折訓練を怠るような兵士でさえ、全力を尽くし始めた。大佐の言葉は、それらを必要としていた者たちに、力とエネルギー、そして新たな息吹を与えた。そのような兵士が多かったとは言わないが、第三班や第四班の訓練で時折見かけるようになった。
今日一日中、僕たちは最終テストに向けて準備をしていた。このテストによって、どの兵科に配属されるかが決まるのだ。そのため、今日は射撃、格闘訓練、障害物コース、筋力トレーニングと、全てが少しずつあった。負荷は以前の日々ほどではなかったが、僕を含む大多数の新兵は、全力を出し切ったため、一日の終わりには信じられないほど疲れ果てていた。夕食時で星野さんがいつもの場所で星を眺めようと誘ったが、僕は断った。正直なところ、なぜ断ったのか、二つの理由のうちどちらなのかは分からないが、おそらく二つの要因が同時に作用したのだろう。僕はとても疲れていたし、誰とも話したくなかったのだ。後者の理由のため、今日は一日中、誠が僕に近づき話しかけてきた時冷たく接した。僕は二言三言で済ませて彼のそばからすぐに立ち去った。
テントに戻る予想通り、僕の隣人たちはこれまでのどの夜よりも賑やかな夜を過ごしていた。もちろん、彼らは将軍の到着について話していた。僕以外の他の皆と同じように、彼らはそれ以外のことは考えることさえできず、ましてや話すことなどできなかった。彼らの思考は全て、ただ一人の人間と一つの目標――将軍の特別部隊に入るように。しかし、非常に騒がしいにもかかわらず、僕が望めばいつでも眠ることができた。しかし、僕はあえて眠らなかった。僕の頭の中にも、簡単に取り除くことのできない考えがあった。しかし、その考えは誠のことでも、星野のことでも、紀美子のことでも、おじいさんのことでも、武器のことでもなかった。僕の頭の中でなかなか新しい考えがあった。「自分たちがやろうとしていることは、正しいのだろうか?」
僕が意志の力を振り絞って眠りについた時には、僕のテントには一人の寝ていない兵士もいなかった。皆、すでに数時間ほど眠っていた。
翌日の午前中、無駄に体力を消耗させないために、作戦会議が開かれ、各兵科が何をすべきか、どのような目標を持つか、計画の詳細について再度話し合われた。僕はこれに奇妙さを感じた。なぜ、自分が所属しない他の部隊の目標や計画の全てを聞かないといけない。単純に、各兵士がそれぞれの兵科に配属された後に計画を説明する方が、簡単で安全だと思う。僕ならそうするだろうが、司令部には彼らなりの考えがあったそうだ。
昼食が終わるとすぐに、街中でいつでも見かけるような乗用車が一台と、中に兵士が乗った大型車両が十台が到着した。僕は初めてそのような大きい車を見たが、僕の班の兵士たちの会話から、彼らはまさにこういった「トラック」でここに運ばれてきたのだと知った。
将軍の名字を既に知ったがそれを理解できなかった。僕たちの革命軍を統制する男は佐藤利朴将軍だった。僕の知り合いの佐藤健太さんの父親だった。
将軍は士気を高め、新兵たちの関心をさらに引きつけるために短い訓示を行い、僕たちはテストの最初の部分に取り掛かった。将軍の演説のおかげで全ての兵士たちハイテンションでもし十日連続でも訓練をし続けるように命令されたらよろこんで従うように見えた。そのぐらい一つの男の現れの力があった。すごい、本当にすごかった。将軍はテスト中に一人ひとりの兵士を視察して価値ある者を自ら見つけ出したいと考えていただろうが、僕たちの数が多すぎたため、このプロセスは非常に長い時間を要した。そのため、表定では消灯時刻が22時00分であったにもかかわらず、真夜中を過ぎても射撃場からは発射音が響いていた。
しかし、その時、僕はテントにも射撃場にもいなかった。僕は大きな木の下で小さな丘の上に寝転がって星を眺めていた。最初は一人でここにいたかったのだが、星野さんは、僕がここに向かうのを見たのか、それとも彼女自身が今夜の夜空をその目に映し、記憶に残したいと思ったのか、僕より少し遅れてここに来た。
将軍の話で会話を始めたが、すぐに別の話題に移った。最初の話題よりも、そちらの方がはるかに魅力的だったからだ。僕たちは今までここにいる時と同じように、星について話した。彼女は僕が何を心配しているのかを探ろうとしたが、僕はその話をしたくなかった。おそらく、その感情を自分の中で鎖に繋ぎ止めたかったのか、あるいは、誠と僕の間に起こったことを話すほど、彼女を信頼していなかったからかもしれない。
「今日、裏上が何度か光川くんのところに来ていたのに、君は無視していたわね。何があったの?」
「本当ですか?気づかなかっただけです。明日謝らないと。」
「嘘つき…」と彼女は、僕に聞こえるくらいには十分に大きな声で、しかし聞こえさせたくないというふりができるくらいには十分に小さな声で、囁いた。
それが、僕たちがお互いに「おやすみ」って言葉を除いて、別れる前に交わした最後の言葉だった。その言葉の後、僕たちは数分間、ただ黙って上を見上げ、素晴らしい景色を堪能した。もしかすると、これがこの景色を最後に見ることができる機会かもしれないと知らずに。
テントに戻ると、外は深夜だというのに、テントの中は大声で騒がしかった。僕のテントに数十メートル近づく前から、通りかかる者なら誰でも、中の会話の一言一言を聞き取ることができるくらい。
「将軍だよ!想像できるか?将軍自身がここに来たんだぞ!俺たちのためだよ!」
「まだ信じられないよ!」
「そう、そう!それに、なんで全部の訓練合宿の中で、俺たちのところを選んだんだ?なんで他のキャンプに行かなかったんだ?」
「そんなの関係ねえだろ!重要なのは、俺たちに将軍の直属部隊に入るチャンスがあるってことだ!」
「いや、そんなに楽観的にはなれないよ。そこに入れるチャンスがあるのは、第一班の連中だ。せいぜい第二班の誰かくらいだな。でも、第三班や第四班の俺たちが入れるはずないよ。」
「おお!光川くん!どこに行ってたんだ?怖さで死んだかと思ったよ!ハハハ。」
「ハハハ。」
「まさか、お前、将軍の部隊に入るなんて甘い夢を見てないよな?!想像してみろよ、射撃を怖がる兵士だって。ハハ。将軍が知ったら、笑いものだな!」
その後しばらくの間、僕のことが彼らの会話の話題になったが、何の反応も得られなかったので、彼らはすぐに僕のことを忘れてさらに数時間、大騒ぎし続けた。この日までは、どんなに周りが騒がしくても、僕は簡単に眠りたいと眠ることができた。しかし、今日だけは違った。どう寝返りを打っても、どんな姿勢を取ろうと、全く無駄だった。それはその日使わなかったエネルギーのせいなのか、頭の中の考えのせいなのか、正確な理由は今でも分からない。なんとか眠れたのは、起床の数時間前、周囲がようやく静かになってからだった。そして、永遠に僕を変えるであろう出来事が起こる、最後の日へと向かっていった。
感想を首を長くしてお待ちしております。
第六話は3月29日 10時00分に投稿します!




