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17 スアレムの墓場

「どうする勇者?」


「なにが?」


「このまま進むか?引き返すか?」


「引き返そ。すぐに。今すぐに」


「いやまて、今俺たちは四天王を全員倒した。

魔王を倒すなら今じゃないか?」


「いや無理や。帰ろ。とりあえず帰ろ。

帰ってからいろいろ考えよ。

ここ魔王城から近すぎるわ」


「そうか。俺たち二人で魔王を倒すことは厳しいか」


「厳しいな。というか無理やな。早く帰ろか」


「近くに冒険者の酒場がある。そこに行こう」


「よしいこう」





~~スアレムの酒場~~


「それで魔王はどのくらいの強さだった?」


「正確には分からない。

ただ、少なくともこの酒場にいる全員で手を組んでも無理だな」


「なに?そこまでなのか?」


「うん。そこまで」


「そうか。ならあの時は引き返すしかなかったのか」


「当たり前や」


「その話僕たちにも聞かせてくれませんか?」


スキンヘッドの奴と180cmほどのゴリゴリのマッチョが話しかけてきた


「誰?」


「話はよく聞いています。

四天王を全員倒した勇者パーティーの方々ですよね?」


「そうだ」


「今パーティーに空きはありませんか?」


「俺達も入れてくれ」


「ちょっと待ってくれ」


金髪の商人みたいなやつとロン毛の僧侶かな?


「その話俺達も乗っていいか?」


「俺とこいつは商人と僧侶だ。使えないことはないだろう?」


「どうする勇者?」


ありっちゃありか。

戦力が足らんからな。

ここまで来たらもう魔王倒すしかないか。


「分かった。これからよろし....」


「『ノヴァ』」


「避けろ!」


光と同時に戦士の声が響く

周りの奴らはすぐに飛びのけ光を避ける。

ただ、その光はまっすぐ俺に飛んでくる。

死んだか。

あれ?この光遅いな。

避けれるか。


「ほっ」


バカァァァァァァァァァァァン

酒場が吹き飛んだ

横にいるの戦士だけ

ほかの奴らは?


「どうして魔王軍に寝返った勇者がここにいるんですか?」


「ヒストグラ....」


「答えてください」


「話を聞いていないのか?

こいつは相手の四天王を倒すために寝返ったふりをしていたんだ」


「あの時のこの人にはそんな作戦思いつきませんよ。

たまたま偶然そうなっただけです」


「だとしても、四天王を倒したのは事実だろ?」


「寝返ったことも事実です」


「.....勇者。お前も言ってやれ」


負けたやん。

討論負けたやん。


「いや、そうだな。

確かに一度は魔王軍に寝返ったかもしれないが俺は四天王を倒した。

罪は滅ぼしただろ?」


「僕には許せない人間がいます。

裏切者です。

僕の父は王国を裏切り殺された。

当然のことだと思います。

だからこそ、僕の父が許されなくてあなたが許されるのはおかしい」


.......何の話?

何こいつ勝手に自分語りしてるん?


「勇者さん大丈夫でしたか?」


「おぉ、スキンヘッド生きてたか」


「はい。僕の実力は示すことができましたか?」


どこで証明してんねん。

今じゃないやろ。

頭悪いんかこいつ

空気読めよ


「ロータ!大丈夫だったか!」


おぉ!筋肉ゴリラも生きてた。


「ペロン!お前も生きていたのか!」


名前かわい。

見た目に反して名前かわい


「俺達も生きてますよ」


「商人に僧侶か」


「けがをした人はいますか?」


「大丈夫だ!」


「さて、ヒストグラ。今俺に襲い掛かっても6対1だ」


「そうですね。さすがに分が悪い。また会いましょう」


よ~し

いったんは退いてくれ...


「いや。今死んで行け」


あっ詰んだ。

魔王や。

この声は魔王や。

詰んだ。


「『転移』」


辺りが光に包まれる。






「ここは?」


「スアレムの墓場です」


「ワープしたのか?」


「似たようなものです」


「そうか」


「魔王ともう一人も別々の場所に転移してあります」


「商人なのに魔法が使えるのか?」


「これは限られた商人だけが一生に一度だけ使うことのできる魔法です」


「一生に一度?使ってよかったのか?」


「命には代えられませんから」


こいつガチで使えるわ~


「そうか。助かった。ありがとう」


「いえ」


「戦士、スキンヘッド、筋肉、僧侶。無事か?」


「あぁ、全員無事だ」


「ん?スキンヘッド。きょりょきょりょしてどうした?」


「いえ。ここはスアレムの墓場ですよね?」


「そうらしいぞ」


「ということは魔王城のすぐ近くということではないですか?」


「え?ガチ?どのくらい近い?」


「いや、近いというより...」


「?」


「あれが魔王城です」


おっと~まさかの~見える距離~

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