15 とある勇者とその仲間
ここから5話ほど昔話に入ります。
ユウジャやその仲間は知らない話です。
この話もユウジャ達には伝えられていません。
~~15年程前~~
「君勇者だろ?」
「あぁ、そうだ」
「見たところ仲間はまだいないんだろ?
俺を仲間にしないか?」
「職業は何だ?」
「見たまんま戦士だ」
「そうか。分かった。仲間になろう」
「よろしくな。お前の名前は?」
「クレーだ」
「そうか勇者クレーか。
俺は戦士のガマガエルだ」
「・・・え?」
「ん?どうした?」
「ごめんなんて?」
「だから、俺は戦士のガマガエルだ」
「・・・そうか」
「よろしくな」
「あぁ...うん...よろしく」
「馬鹿にしてる?」
「してないしてないしてない。
全然そんな馬鹿にしてるとかそんなんじゃないよ」
「そっか。なら、いいんやけど」
「お主らちょっといいか?」
「どうしたんだ爺さん?」
僧侶のような服の爺さんと魔法使いのような服の赤髪のロン毛が話しかけてきた。
「道でも迷ったか?」
「この見た目を見てよくその言葉が出てくるのう」
爺みたいな見た目やから聞いてんねん。
「僕達もパーティーに入れてほしいです」
「役職は?」
「もう一度言うがこの見た目を見てよくその言葉が出てくるのう」
「僧侶と魔法使いです」
「そうか。
今ちょうど魔法使いと僧侶が足りていなかったんだ」
「そうだな。一緒にやろう」
「そうか。ありがとう。恩に着るぞ」
「ところで爺さん今何歳だ?」
「165歳じゃ」
「・・・」「・・・」
「ん?どうした?」
「いや、どうした?じゃなくて」
「なぁ」
「いやガチらしいです」
「えぇ」
「えぇ」
「何が問題なのか?」
「いや、問題とかじゃなくて。165?」
「そうじゃ」
そうじゃ。じゃないんよ。
「そうか。よろしくな」
なんで飲み込めてるんやこいつ。
「はい、これから四人で頑張っていきましょう」
こいつもや。
元からこの爺さんの横におるってことはこいつもか?
「魔法使いはどうなんだ?」
「ん?なにがですか?」
「いや、年齢」
「30歳です」
お前は普通なんか。
何で一緒におるんや。
「お前たちどこで出会ったんだ?」
「え?あぁ、それは...」
「そろそろいいだろ?勇者。
レベル上げに行こうぜ」
「あぁ、そうだな」
~~草原にて~~
こいつら強すぎる。
え?何こいつら。
「ここら辺のモンスターは弱いのう」
「そうですね。もっと奥に行きましょう」
え?待って待って。
俺ここら辺のモンスターで限界よ?
何ならここのモンスターでも運が悪かったら負けるよ?
「...しゃ。おい!勇者!」
「ん?あぁ、ごめん。何?」
「さっきからボーっとしすぎじゃないか?
さっきのモンスター倒す時もちょっと危なかっただろ?」
それは普通に負けそうになっただけや。
「あぁ、ごめん。気を付ける」
「まぁ、いいわ。行くぞ」
え?行くん?
~~魔王城から近い洞窟にて~~
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ
無理無理無理無理無理無理
さっきからずっと死にそう
「おい!勇者!そっち行ったぞ!」
「あぁ!」
あぁ!じゃない。
無理やでどうするん?
死にかけやとしてもあと10発はクリーンヒットさせな倒されへん。
「『岩落とし』」
ドラゴンのようなモンスターの頭上に大きな岩が生成されて落ちていく
ナイス魔法使い!
これにいい感じで合わせれば...
『ガアァァァァァ』
「!?」
「何じゃ!?」
「ドラゴンブレスだ!」
ドラゴンブレス!?
じゃあ無理やで!?
俺死ぬやん。
「早くやれ!勇者!」
いや無理やて。
終わった。
「『キリギリス』」
洞窟の奥から一人の少年が飛び出してきた
「!?」「!?」「!?」「!?」
そのままドランゴンを切り刻んだ。
「大丈夫ですか?」
「誰じゃ?」
「私はヒストグラと申します。
少し危なそうだったので助けましたが余計なことをしましたか?」
「いや、かなり助かった」
「確かに助かったが勇者。なぜためらった?
お前がすぐに斬ればよかっただろ?」
出来へんねん。
単純に攻撃力が足りへんねん。
「すまん。少しミスった」
「.......そうか」
「では私はこれで失礼します」
「待つんじゃ。どうじゃ?一緒に進まないか?」
「すいませんが私は今から戻る所なので」
「そうか。なら仕方ないのう」
「それにしてもすごい剣術でしたね」
「ありがとうございます」
「レベルはどのくらいじゃ?」
「130です」
「そこまでとは!」
「皆さんもさっきの戦いを見る限り90レベルはありますよね?」
「そういえば俺達どうしのレベルは把握してなかったな」
「わしは今97レベルじゃ」
「僕は92です」
「俺は96だ」
「・・・」
「ん?勇者お前は?」
「........93」
さすがにこの雰囲気で54レベルとは言われへんよな