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13. 元魔族の村

「サーヴァン?」


「聞いたことあるぞ。

冒険者の中で一番強いといわれている勇者や」


「冒険者の中で一番強い?

俺らじゃなかった?」


「それはあの町の中だけの話や。

サーヴァンはすべての町合わせての話」


「やばいやんけ」


「そうや」


なら魔族の助けは期待できん。

どうすればいい。

こいつは多分俺らじゃ倒されへん。

魔族の村も多分今攻撃されてるはずや。

ならむしろそっちを助けに行かなあかん。

このロン毛を倒して魔族を倒しに行く。

でも、こいつを倒すことができん。

詰んだな。


「お前らも終わりだ」


「そうですね。ですが、それはあなたも同じでは?」


「なに?」


とりあえずしゃべろ。


「冒険者狩りの上司ってことはサーヴァンも冒険者を狩ってるってことですよね?」


「当たり前だ」


「ならあなた達も最終的にはサーヴァンに殺されますね」


「なに?そんなわけがないだろ!」


「なぜですか?

俺なら経験値をたくさん持っている部下をそのまま使うことはしません。

自分の養分にします。

それにあなた達は勇者を失った。

ならあなた達の利用価値は下がりましたよね?

このタイミングで残ったあなた達は殺されると思いますよ?」


「・・・」


「一緒に死にますか?別々に逃げますか?」


「どこに逃げればいい?」


「あなたは南に逃げてください」


「わかった」


「村見に行くぞ」


「よし」





村は崩壊していた。

家が破壊され地面はえぐられ木はへし折られていた。

死んでいる魔族は見当たらない。

おそらく逃がしたのだろう。

当然、逃げる間の時間を稼ぐ奴は必要だ。

そいつらは今、血まみれで大きな男の椅子にされていた。

倒れている魔族は5人。

そいつらが積み重ねられている。


「・・・」


「おい。どうすんねん」


「分からん。でもあいつだけは絶対に殺す」


「そんなことは当たり前や。

あの下敷きにされてる魔族をどうやって助けるかを聞いてるねん」


「それは簡単や。

あの冒険者狩りの死体を見せて俺らが別々の方向に逃げたって伝えればいい。

あいつらは俺たちを見つけるために別々になって探しに行くはずや。

その間に回復していったん逃げるぞ」


「でも、どうやって死体見せるんや?

見せた瞬間殺されて終わりやぞ。

それにどうやって別々に逃げたって伝える?

逃げた後に伝えることはできへんぞ」


「あぁ、そっか。

なら.................うん。簡単じゃなかったわ。

あいつに死体を見せる方法なんかあるか?」


「誰かが生贄になるしかないやろ」


「誰がなるんや?」


「ユウジャ」「ユウジャ」「ユウジャ」


「なんで?なんで?なんで?」


「お前が一番口論強いやろ」


「口論とかの問題じゃないって」


「お前は勇者なんやろ?」


「だからなんやねん」


「お前あいつのこと殺すって言ってたやん」


「それはそうやけど違う。

それは違う。

だいたいな、あいつのこと殺せるわけないやろ?

あれは比喩や。

殺したいっていう気持ちと怒りを言葉にして出しただけや。

それにあいつは....」





「おい!勇者サーヴァン!これを見ろ!」


「なんだ貴様」


「お前の部下の勇者は俺が殺した」


なんでこうなった。


「なに?仲間は?」


「南に逃げたよ」


「なんだと?まぁ、そうか。南か。

それで、お前の仲間はどうしたんだ?」


「お前が相手だと聞いて逃げ出したよ」


「なるほど。身の程をわきまえてるやつらじゃないか」


「冒険者最強の力を見せてもらおうか」


「そうか。棺桶は持ってきたか?」


「お前のなら準備してある」


「はっ。おもしろい」


今までありがとう。


~~完~~

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