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1. 朝

「ん~、んんん」


俺が一日で最も嫌いな時間は朝だ。

朝夢から覚め、まぶたを開ける瞬間。

この時間が俺は大嫌いだ。

いつもと変わらない日常に起こされ

ダンベルのように重たいまぶたを持ち上げ

暖かく、心地よい布団から起き上がる。

消えてほしい。

この一日の始まりが俺はどうしようもなく嫌いでたまらない。

そうはいっても、結局何一つ変えることなどできず

いつもと変わらない日常が始まる。


「はぁ」


まぶたを持ち上げようとしたところで気づいた。

布団がいつもと違う。

枕も、服の感触も、布団も何もかもが違う。


「おい!ユウジャ!大丈夫か!」


「だっ!!」


俺は飛び上がった。

そらそうだろう。

1人だと思っていたのに、いきなり男の大声が聞こえてきたんだから。


「大丈夫かユウジャ!?」


大丈夫じゃないよ?

知らないやつが自分の部屋に...

違う自分の部屋じゃない。


「ここは?」


「宿だ」


「違う」


違わないんだろうけど


「なんでここに俺がおる?

というか、あなたはだれですか」


俺の目の前には体つきがよい男が立っていた。

見覚えがない。

宿というのにも納得いかない


「おい、お前まさか、、記憶がなくなったのか」


「いや、あるよ。うん。いや、でもなかったら分からんか」


「何を言っているんだ」


「俺はあると思ってるけど、なかったら、そらわからんよねって。

まぁ、うん。説明むずいな」


違う違う。


「あなたは?あと、ここは?」


「ここは宿だ」


「違う違う。ちょっと狭いわ。もうちょっと大きくいこ。

そう、やな、、ここはなんていう国ですか?」


「ゴーシャだ」


「あっ、そーなるよな。ごめん俺が悪かった。

うん。ここは何州ですか?」


「州?」


「いや、アジアとかアフリカとか」


「なんだそれ?」


いやもうじゃあ無理やん。

その辺の知識持っててもらわんと

もうこれ以上いかれへんから。

日本って教育のレベル高いんやな。

ん?ちょっと待てよ...

日本?ゴーシャ?

なんで同じ言葉使えてんねん


「ええっと、hello」


いや違う違う。

なんで通じてんのに変えんねん。


「は、ろう?」


え、それすらわからんのや?

そっれは、、救えんな。


「お前本当に大丈夫か?」


「まぁ大丈夫やと思うけど、あなたは大丈夫?」


いや、なにゆうとんねん。

なんで煽りに行った?

いや怖い怖い。

これいきなり殴りに来んよな。

見た目めっちゃしてきそうやけど。

怖い怖い。


「え?あぁ、おれは、だい、じょうぶやけど」


それすらも伝わらんかった。

ハローわからん奴が今のわかるわけなかったわ。


「えーと、まずあなたは誰ですか?」


「あぁ、俺はガンディ」


「そう、ですか」


なんて言えばいい?

今この状況でこいつの名前知ってもなんもならんやん。

なんで聞いたんやろ。

気まずなったやん。


「とりあえず、よろしく?」

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