第三十五話 箱根城防衛戦開始
「岳陽、状況は?」
「今確認してる」
「ンだよこんな時に!」
「お、敵か?」
爆破による被害は大手門とその周辺。監視カメラで確認したところ、パッと見約5000はいるであろう兵士が見える。掲げる旗や腕章には北条氏の家紋、ミツウロコが刻まれている。
進軍してきた軍の頭にはサイボーグが3体。白くてシャープで目つきが悪いサイボーグが先頭にいて、そのすぐ後ろには騎士のような黒と銀のサイボーグがいる。
他にもチラホラ強そうなサイボーグがいるようで、この人数じゃ一筋縄ではいかなそうだ。それに戦闘訓練で花香と五十嵐をノしてしまっているので、動ける人数は8人しかいない。
「結構近いので配置に着きます」
「私は大将と一緒にいるわ!」
「…………指示を……」
「俺はこの2人をみてる。敵は主達でどうにかしてくれ」
狙撃手の悠人が狙撃ポイントへ向かい、龍二と胡桃は残り、坂東は比較的安全な場所へ2人を連れていった。
俺は岳陽と胡桃に敵の情報の分析と分断方法の模索を指示した。彼らはすぐに行動に移り、この場に残ったのは、俺、サトリ、ゾウさん、龍二の4人。
からくり刀を腰に差し、NEHANNを手に着け、護國宝浄・解を肩に担ぎ、双刃槍を背負う。そして俺達は爆発のあった大手門へ出向き、真正面から5000の軍勢を目の当たりにした。
「何の用だ」
俺は先頭の白いサイボーグに問う。すると意外にも、すぐに答えが返ってきた。
「北条様の命を受けこの城を取り返しに来タ。お前たちがJACKだナ?」
「そうだ。でもお察しの通りだが、まだまだ人数が少なくてな。お手柔らかに頼むよ」
白いサイボーグはその鋭い目つきで俺達を見る。しかしここには蛇に睨まれた蛙なんかはおらず、むしろ大海を知らない蛙のようなギラついた目をした人間しかいない。
俺含めやる気満々な4人だったのだが、敵軍を見てサトリが拳の構えを解いた。
「輪廻の連中か。颯太、アタシパスするわ」
そう言ってサトリは来た道を引き返し始めた。
「は? それはガチで意味わからんだろ」
俺が半ギレしながらサトリに話しかけるも、我関せずといった感じで彼女は俺の言葉を無視する。戦いが好きなサトリが、輪廻のサイボーグという技術の結晶を無視して戦いに参加しない。強烈な違和感と彼女への疑心が芽生えたが、今は仲違いするときでは無い。
主戦力4人が3人に減っただけでだいぶ戦力に差が出てしまう。サトリの腕は特に信頼していたが、もはや連れ戻す時間もない。
俺とゾウさんと龍二で前線を張るしかない。俺は彼女への怒りを力に変え、逆に俺1人でも戦ってやるという気持ちで北条軍を見る。
「全軍、侵攻開始」
「気張れよお前ら!」
北条軍5000人vsJACK6人による箱根城防衛戦が開始。




