第二十話 箱根城攻略②
意図せず陽動部隊となってくれたサトリとゾウさん。おそらくは彼らに兵力が集中していくにつれ、城内の敵兵も少なくなる。
現に敵兵士が彼らのおかげで少なくなり、俺は侵入ルート候補の場所まで楽にたどり着けた。
着いた場所は侵入できそうな小さな門があり、検問もセンサーも無かったが、入るためには個人認証が必要だった。
(どうすっかな…………)
少し考えた後、考えるのが面倒になり俺も暴れてしまおうかと思った。
(いやいや、俺と岳陽はスマートに侵入してスマートに大将を討ち取った方が…………、いやでもクソ面倒だしな……)
なんて考えをめぐらせていると、駆け足で門に近づく敵サイボーグ兵が一人いた。
ここで天才颯太くんは閃いた。
(こいつが入る時にスっと入れば行けんじゃね? よしそうしよう)
サイボーグ兵が門の近くのパネルを操作して認証を終わらせると硬そうな門が開いた。俺はそのサイボーグ兵よりも素早く門に入ると、突然クソうるさい警報が鳴り響いた。
ビー! ビー! ビー!
俺は城内へ侵入出来たが警報の鳴った門の方へ振り返ると、門から大量のレーザーが出現していた。
「何事だっ!――」
サイボーグ兵は警報に驚きながらレーザーまみれの門へ足を踏み入れた。その瞬間、ジュッ! という音ともに一瞬でサイボーグ兵がバラバラのサイコロステーキになってしまった。
自分からレーザーに踏み込んだということは、本来は見えないのかと思いセンサー視認モードをオフに切り替えてみた。
すると案の定レーザーは見えず、俺はそっとセンサー視認モードをオンに切り替えた。
ドタドタドタドタ――――
城内は和風と言うよりも洋風な作りをしており、石柱や豪華な垂れ幕がかかっている。しかし何故か床は木造で、陽動部隊の応援に向かっているであろう敵の足音が響いている。
異様な城の風貌に困惑しつつ、天守閣を目指すため上の階へ行ける階段かエレベーターを探した。
城内をうろついていると、一本道のクソ長廊下を見つけた。お城を探検する子供の気持ちでその廊下を歩いていると、突然床がミシミシと音を立てながら揺れ始めた。
ミシミシ――
ミシミシミシミシ――――
ボガアァンッッ!!――
突如天井をぶち抜いて機械の駆動音と共に一体のサイボーグが俺の目の前に現れた。壁や床もぶち壊れたところがあり、晴天の空がクソ長い廊下に光を差し込んでいく。
そして驚いたことに、ステルス迷彩を起動させているにもかかわらず、現れたサイボーグはハッキリと俺を見ていた。
「バレてた?」
「ユーは何しに来た。ワタシの城に」
一角の頭部パーツに単眼のフェイスパーツ、カラフルな分厚い装甲に身を包んだ一応二足歩行型のフォルム。見るからに積載量がイカれてるミサイルやレーザー砲が背中から伸び、腕や足にも機関砲などの実弾兵器が装備されている。
「この城を落としに来たぜ」
俺はからくり刀に手をかけ目の前のサイボーグにドヤ顔をかましてやった。するとサイボーグはキシキシと音を立てながら装備している兵器を一斉に俺の方へ向けてきた。
「下での騒ぎもユーの仲間のせいか。困るんだよネ、勘違いされては」
サイボーグの腕部に付いたガトリング砲の砲身が回転しだし、脚部の機関砲に付いた円盤マガジンもクルクルと回り始める。そしてズシンズシンと近づきながら、単眼のフェイスパーツがギロりと俺の方を見る。
「この城はワタシの城です。ユーには落とせません」
翻訳機みたいな喋り方から察するに、この重装備サイボーグが大将のカール・エースなのだろう。
俺はARのスクリーンを素早く操作し、他3人に俺の状況報告と開戦の指示を命令した。
「大将発見。俺は大将同士のタイマンをするから、JACK総員はド派手にカマしてやれ!」
「「「オーケー大将!」」」




