第十四話 決闘①
超電磁砲、杭穿拳、蛇腹剣、拡張掃射機銃、他にも数多くのサトリ作の武器が、壁一面にズラリと並んでいる。
キッチンやリビングと言った空間は全て武器改造台と素材置き場になっており、彼女の発明の種が床にゴロゴロ転がっている。
そんな居間なのか分からない場所にポツンと置かれているソファに4人で腰掛け、ゾウさんのこと、横浜スタジアムのこと、『JACK』のこと、これからのこと、昔話から未来の話まで色々話し合った。
ひとしきり話し合いを終え、改めてサトリに『JACK』の加入をお願いする。
「めちゃくちゃおもろそうだけど、アタシはパスかな」
サトリは少しうつむきながら話した。
戦闘も発明も大好きなサトリが断るなんて微塵も思っていなかった。岳陽も予想が外れたようで、ゾウさんも少し悲しそうな顔をする。
「お前らそンな顔すんなよ。支援はいつでもしてやるからさ、アタシは今まで通りってことで」
無理して所属してもらうほど、俺達も鬼ではない。しかし、彼女の腕を信頼してるからこそ少し寂しい気持ちもある。
「……そしたら、オレとやり合ってくれよ」
初めはサトリに敬語を使っていたゾウさんだったが、急にいつもの口調でサトリに決闘を申し込んだ。彼としても、サトリに何かしら思う事があるのだろう。
「それはいいけど、アタシが勝った場合はどンなメリットがあるんだ?」
ゾウさんは武器を担いで玄関まで歩く。
「アンタはオレを武士にしてくれた。次はオレがアンタを武士にする」
あまり理性的とは言えないゾウさんだが、勘のようなものが働いたのだろう。俺としても、これでサトリが加わってくれたら儲けものだ。
「答えになってないっつーの……」
そう言いながら渋々サトリも玄関へ向かった。俺と岳陽も着いていき、彼らの決闘を見届ける。
サトリに関しては昔から戦闘スタイルは変わっていないだろう。彼女は拳を主体とした鎧殻を纏わないゴリゴリの変人インファイター。対するゾウさんは未だ未知数な部分もあり、屈強な肉体を駆使した脳筋戦法なのか、手数の底が分からない変形合体大剣でのトリッキーな戦法なのか分からない。
玄関を出て、封鎖されている屋上への階段を登り、冷たく刺さる風を受けながらマンションの最上階へ着いた。
「ルールは?」
「参ったって言うまでだ」
お互いが武器を構える。
「さぁ、それではやって参りました2月6日午後16時の決闘。実況はこの私岳陽解説は颯太さんにお越し頂いております。よろしくお願いします」
「はいはいよろしくお願いします」
「今回の決闘は豪玉 サトリを『JACK』に加入させるためのものであり、宣戦布告は増山 勝牙さんからとなっております」
「いやー、これは期待ですね」
「「うるっせえ!」」
サトリとゾウさんからの激励の言葉を頂いたところで実況解説はこの辺りでお開きとします。




