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政治経済エッセイ

岸田首相に処罰を! 党紀委員会という名の「ライバル潰し」

作者: 中将

筆者:

 本日はこのエッセイを選んでいただき誠に光栄です。


 今回は4月4日の党紀委員会で「裏金問題の事実上の終結」ともいえる自民党内の処分があまりにも「甘い」という事について見ていこうと思います。



質問者:

 具体的にどういう処分になったんですか?



◇甘々の処分



筆者:

 自民党の党紀委員会で行える処分には8段階存在しているのですが、

 各段階に応じた処分は以下の通りです。


 除名       なし

 離党勧告     世耕氏、塩谷氏

 党員資格停止   下村氏、西村氏、高木氏

 選挙非公認    なし

 役職辞任勧告   なし

 役職停止     萩生田氏、松野氏ら17人

 戒告       500万円以上の不記載額の17人

 規定の順守の勧告 なし


 なお、500万円以下の政治資金収支報告書の不記載者残り46人は幹事長名での注意を行う方針のようです。



 結局のところ茶番劇である政倫審では何も分からなかったわけですが、

安倍派幹部は党員資格停止などの処分となりました。


 ちなみに離党勧告は離党しなければその上の除名に強制的になり二度と復党できないので簡易的で自主的な追放ですね。


 党員資格停止はその期間内は総裁選に出ることや投票をすることが出来ない他、非公認も含みますので選挙においてビラの枚数が限られたり、比例復活が出来なかったりマイナス面が大きいです。(比例復活そのものにまず問題を感じますが)


 しかし、そういった重い処分を受けた人は5人に過ぎず、役職停止以下の「事実上のお咎めなし」に近い状況の人がほとんどだったわけです。



質問者:

 ちょっと昨年末からの大騒動なのにこんな結末ではあんまりという感じがしますね。


 リストの外の方ですけど森元総理大臣、二階元幹事長が「何も無し」というのはちょっとどうなのかな? と思いますね。


 キックバックは森元総理大臣から始まったそうですし、二階元幹事長は50億円について不透明のままです……。



筆者:

 森氏は安倍派の「黒幕」ともいえる存在でどう見ても証人喚問をするべきなのですが、

ちょっと質問しただけで終わりました。


 これは首相経験者を追求すれば自分が首相で無くなった時に追及されるリスクがあるからという「保身のため」という話もあります。


 二階氏も“出馬をせず引退”でけじめになると思ったら大間違いだと思います。

 党籍除名をしなければ”長老”として党に影響力を及ぼし続けるでしょうし、親中派が幅を利かせれば太陽光利権がまた蔓延ります。


 不最低でも透明な50億の詳細を公表できないのであれば返金するように要求するぐらいしてくれないと困りますね。



質問者:

 なるほど――処分を受けた方々については妥当だと思われますか?



筆者:

 それ以外の方々については、正直なところ本当の意味で自民党の刷新をするのであれば「5年間で100万円以上を離党勧告」「派閥幹部は除名」。

 これぐらいやって欲しかったというのがあります。


 それが出来ないというのは、いかに茶番なのかというのが分かると思います。



質問者:

 それはちょっと重すぎるのではないでしょうか?



筆者:

 僕はそうは思いません。

 令和3年1月、緊急事態宣言下に東京・銀座のクラブで飲食した松本氏と大塚氏、田野瀬氏の3人は「離党勧告」でした。


 この問題は正直なところ不快指数は高まりましたが、政治不信になったか? というとそこまでという感じなので、裏金問題はこれより重いと考えます。


 5年で100万円もやっていたのなら一般国民であれば「意図的」と言われてもおかしくない金額だと僕は思います。


 それを500万未満はお咎めなしで、大きな処分は5人のみというのは本当にただの「腰砕け」だったといって良いと思います。


 組織のガバナンスがガバガバだと思います。

 党のメンバーが減りすぎてしまうと多数決で不利になるというのもこの甘々処分に滲み出ていると思います。


 つまりただの党利党略ですね。国民のために党を本当に正したいわけではないのです。



質問者:

 なるほど……。



◇実態解明できていない以上、岸田総理・総裁が責任を持つべき



筆者:

 そして解せないのが、ドヤ顔で裁いている側に回っている岸田首相と茂木幹事長です。


 裏金の実態解明が出来ていないことへの責任は無いのでしょうか?


 茂木氏については24年3月4日の朝日新聞の記事では、


『自民党の茂木敏充幹事長の関係政治団体から、住所と連絡先、会計責任者が同じ別の政治団体に、2022年までの10年で約3億2千万円が移されていたことがわかった。資金が移った団体は、国会議員の関係政治団体よりも金の使途などの公開ルールが甘く、使途の大半がわからない形になっていた。


 国会議員関係政治団体は原則、「1件1万円超」の経常経費と政治活動費を政治資金収支報告書に明細まで記載しなければならない。一方、「その他の政治団体」では、経常経費の明細の記載は不要で、政治活動費も「1件5万円以上」と基準が緩い。関係政治団体は監査が必要だが、それ以外の団体では不要となっている。』


と、かなり怪しいゾーンに茂木幹事長もいるわけです。



質問者:

 裏金以外でも色々とお金を自由に使う裏技があるんですね……。



筆者:

 だからこそ、収支報告書に「不記載」の状況が5年で100万円以上あるだけでもかなり異常だと僕は思うわけです。


 正直なところ岸田首相が会長を務める岸田派も3000万円の裏金でそのうち1000万円が会計責任者が立件されています。

 岸田首相はここでは派閥の会長として責任を問われる場面なのではなかろうか? と思います。


 さらに岸田氏には黒に近いグレーの話もあります。


 2022年6月12日、岸田首相の地元・広島市のリーガロイヤルホテル広島で「衆議院議員 岸田文雄先生 内閣総理大臣就任を祝う会」がありました。


 この集まりでは、1000万円以上収入があったにも関わらず岸田首相の政党支部や、冒頭の伊藤學人氏が代表を務める「岸田文雄後援会」の収支報告書にもパーティー開催の記載はないという完全に「裏金」と言えると思うんです。


 しかも、「衆議院議員 岸田文雄先生 内閣総理大臣就任を祝う会」というのは団体の代表者として岸田首相の後援会長・伊藤氏の名が記載されているにもかかわらず、

 総務省や広島県選挙管理委員会に政治団体としての届け出もなされていない。


 首相就任パーティー開催のために作られた任意団体のため逃れているという状況です。

 

 24年4月1日JNNの世論調査では岸田総理自身も自民党の処分を受けるべきか聞いたところ、62%の人が「受けるべき」と答えていますからね。


 仮に総裁や幹事長だから裁けないのであれば自ら首相・総裁や幹事長を辞任し、議員辞職までするべきなのです。



質問者:

 確かにこういった問題があるのに裁く側にいるのは解せないですよね……。

 裁いた後自分が辞職するならともかく……。



筆者:

 ちなみに岸田首相ご本人は『政治家として期待される役割等についてしっかり判断するという意味で重要』と国会で答弁しているようですが、裏金の実態解明もできないのに他に何が「期待される役割」なのか教えて欲しいところです。


 全てがライバルを潰して岸田氏本人の権力基盤確立、総裁選再選以外見えていないことの証左だと思っています。



質問者:

 「やっている感」だけを出しているという事ですね……。



筆者:

 同時に岸田首相は、


「先頭に立って、党内のガバナンス改革や政治資金規正法の改正、再発防止などに全力で取り組む」


「取り組みの進捗、取り組みぶり等をご覧いただいて、国民のみなさん、党員のみなさんにご判断いただく立場にあると考えている」


 とも話しておられるので、主権者である我々日本国民は、

 次の衆院選挙、総裁選で民意を示していく必要があるように思います。



◇野党は「自主的な政治改革」をすれば政権を取れるが……



質問者:

 しかし、この状況下でも野党が支持率が上がらず頼りないのは本当に悲しいですよね……。



筆者:

 立憲民主党などは政治団体相続非課税廃止、企業・団体によるパーティー券購入の全面禁止、「調査研究広報滞在費」の使いみちの全面公開、連座制などを主張していますが、


 立憲民政党の代表代行に今年初めから辻元氏が起用されています。

 しかし辻本氏は衆議院議員として初当選された当初の2年間、勤務実態のほとんどない2人の秘書給与1,800万円あまりを国から騙し取ったことから議員辞職に追い込まれました。


 旧民主党の流れをくむ彼らは、麻生政権時代に官房機密費について追及していましたが、いざ自分達が政権を取ったら官房機密費の使途すら公開せずにムシという先例もあります。これらのダブルスタンダードをやったということを忘れてはいけないと思います。


自ら提案した内容を先行して党内で実行してこそ信用を得ることが出来ると僕は考えます。



質問者:

 ちょっと野党の方々は言っているだけで信頼度が低いので自主的にやらないと本当にダメそうですよね……。


 今回の一件は結局何だったんでしょうか?



筆者:

 彼らは国民目線で政治をしているのではなく、結局単なる自民党内の権力抗争だったということですね。


 その中で圧倒的な勝者は岸田首相と、二階氏でしょうね。


 岸田首相は派閥解散をしたうえで自分は責任を問われないという状況を作りだしたために総裁再選へ大きく前進しました。


 二階氏は50億について追及を逃れることが出来た上に、

 和歌山で衆院選に出ようとしていた世耕氏を党から離党させた上に、

 恐らくは二階氏の息子が自分の選挙区から出馬するという点で思うがままになりました。


 世耕氏の秘書が卑猥なパーティーに参加したというのも恐らくは二階氏側のリークでしょう。

 政治家の不正告発は自浄作用ではなく、大抵は内部抗争であると言えると思います。



質問者:

 和歌山の有権者はこんな茶番に惑わされずに投票して欲しいですね……。



筆者:

 これは和歌山県だけでなく日本国民全体の良識が問われるのが次の選挙になると思います。


 野党も自民党並みに悲惨なのは否定しませんが自民党政治ここ12年を是認することの方が非常に危険だと思います。

 特にこの「政治闘争茶番」を肯定することは更なる政治状況の悪化を招く可能性が高いですからね。


 その前にこの国会の間に政治資金規正法の改正があると思うのでその改正で少しでも「ザル状態」の法案をマシにできるように国民側が声を上げていくべきだと思いますね。



質問者:

 結局のところ法律が酷すぎるのがいけないんですからね……。



筆者:

 少しでもヌルイ法案になりそうならすかさず怒りの声を上げていきましょう。


 という事でここまでご覧いただきありがとうございました。


 今回は処分が全体に甘過ぎであること。

 処分する側に回っている岸田氏、茂木氏も裁かれるような事案を起こしていること。

 本当なら裁いた後、岸田氏、茂木氏も自ら辞職する必要があるのではないか?

 一連の政治資金の問題はただの岸田氏の権力強化のための茶番であることをお伝えさせていただきました。


 このように政治・経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っておりますのでどうぞご覧ください。

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