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「あなたの形になっちゃう!!だめぇ――!!」『五天女『絶頂剣のイク』』

 魔王を倒したという七人の勇者はザマァ王国帰還後、各々が希望していた要職についた。


 チワ嬢の椅子になっていた国王ゴールデンには、全員が見て見ぬふりをしたという……。


 そして数ヶ月後が経ち、僕、『癒』の勇者ヒトツマ・フーリンはというと……。


「ほら、フーリン!早くゴミ捨てて来てよ!私は舞踏会の準備で忙しいのよ!」


 ふくよかな体に引き裂かれそうなドレスを着ているオニヨメ・リコンシターイは持っていたゴミ袋をフーリンへ投げつける。


「あ、ああ。リコ……今日も遊びに行くのかい?」


「ああん?遊びじゃないわよ!全く、あんたが勇者だから結婚したのに、魔王倒したらあんたの『癒』の力なんて必要されずに金にならないじゃない!だから私が舞踏会で顔を売ってるの!本当なら今頃『大貴族』の一角になれたはずなのに……ブツブツ」


 あからさまに不機嫌な態度を取るリコンシターイに、フーリンは(これ以上、話すのはやめよう)と心の中で思った。


 元々、孤児だった僕には身寄りもなく、魔王を倒したあとに今の嫁、没落貴族オニヨメ・リコンシターイの猛烈アタックで半ば無理やり結婚させられた。


 それでも家庭を持てたことに幸せを感じていたし、結婚してから王から貰った報償金でどんどんふくよかになるリコンシターイを見ていると、これが幸せというものなのかと思う時もある。


「じゃ、言ってくるから!部屋の片付けと夕飯よろしくね!今日は久々にドラゴンの肉が食べたいわ!」


「ドラゴン!?この前は『忠』の勇者オトコギ・ダンチョーに無理言って着いてきてもらって倒せたけど、僕ひとりじゃ無理だよ~!ダンチョーは新しく立ち上げた騎士団のことで忙しいだろうし……」


「私は食べたいの!わかった?」


 一方的に自分の意見だけを伝え、リコンシターイは今日も朝早くから家を出た。


「はぁ~。夕飯、どうしよう……」


 ピンポーン。


 インターホンが鳴る。


「ん?リコが忘れ物でもしたのかな?」


 足早に玄関のドアを開ける。


 ガチャ。


 ターバンを巻いた商人風の男と大剣を背負ったバニーガール姿の美少女が立っていた。


「フーリンさんですね。準備は整いました。行きましょう」


「マーサ殿、私はいつまでバニーガールの格好でいればいいのでしょうか?」


 いきなり手を差しのべる男の隣で、美少女が恥ずかしそうにしている。


「ん?イク、首についてるリボンのボタンを押すと衣装が変わるよ」


「え!?そんな仕掛けがあるの?どれ……」


 ポチっ。


 ピカッ!!


 美少女のバニーガール服が光り変化する!


 そこには肩や腕、足は黒い布で覆われている一方、大事なところからおっぱいまでが丸出しというとんでもない格好の美少女が立っていた!


「きゃぁ――!!」


「うわぁ――!!」


 美少女と同時の僕の声がハモる。


「いいね!逆バニー!」


 男は美少女に向けて親指を立てて「グー!」と言った。なんなんだ、こいつ。


「もう!マーサ殿ったら……」


 美少女がちゃんとした服に着替えてくるのをまったあと、商人の男は僕にとんでもない話をした。


「ええ!?リコが他の勇者の差し金で、本当の目的が僕の追放だって!?そんなバカな!!」


「残念ながら本当です。このモニターをご覧ください」


 男がモニターの電源を入れると、そこには『忠』の勇者、オトコギ・ダンチョーと交わる、僕の妻オニヨメ・リコンシターイの姿が映し出された!!


 ズン!ズン!


「あん!ダンチョー!激しいぃ!!氷結の槍と異名を持つ副団長ツンデレー・テレという婚約者がいるのに!!いけない人!!」


「あいつはお堅いから、お前のように好きに抱けないからな!お前だってフーリン相手じゃ満足できないだろ!!」


 ダンチョーは四つん這いのリコンシターイの両手を後ろから掴みながら突き上げる。


「ああ!激しぃ!!ああ――!!」


 モニターの中のリコンシターイが激しく乱れる。


「そ、そんな……リコ……」


 フーリンは画面を見ながら涙する。


「フーリンさん。復讐しましょう。これは他の勇者達全員によるあなたへの仕打ち。許せません!」


 男は僕の両手を握り、心強い眼差しを向けてくれた。


「マーサ殿のいう通り!こいつらは絶対に許せません!」


 大剣の美少女も僕の両手に手を添える。


「はい!許せません!!復讐します!!」


 僕の心に火がつくのがわかる!


「では、行きましょう!」


 マーサと名乗る男に手を引かれ、僕の復讐が始まった!


 【ダンチョー竜兵団 演習場】


「ふっ!はっ!やぁ――!!」


 見事な槍さばきの美少女がひとり、修行をしていた。


 僕が物陰で覗いていると、マーサがスタスタとテレの前まで歩みを進めた。


「氷結の槍、ツンデレー・テレだな。俺はマーサ商会のマーサ。お宅の団長、浮気してるよ」


「いきなりなんだお前?死にたいのか?」


 テレはマーサに槍を向ける。


「マーサ殿!いきなりそれは!!」


 大剣の美少女が慌てて止めに入る。


「ほぅ。その剣、貴様、名のある剣士だな。お相手願おう!」


 テレは槍を大剣の美少女に向けた。


「残念ながら、お前の相手はあいつだ!」


 マーサは隠れている僕を指差した。


「ま、マーサさん!!」


「ん?弱小の勇者ヒトツマ・フーリンか?笑わせるな!回復しか能がないお前に氷結の槍の私の相手が務まるか!」


 仮にも勇者の僕にひどい言い方だ。


 マーサはカバンをゴソゴソして、何やら人形を取り出した。


「マーサ商会自慢の商品!『女神のマリオネット』!!ていっ!!」


 マーサが人形を上空へ放り投げると、辺りに光が降り注ぐ!


「くっ!なんだ!体が動かない!」


 テレの動きが封じられた!


「あ、あれ?僕も体が動かない!?あれ?勝手に動く!?」


 僕の体が自分の意思とは関係なく動きはじめる。あれ?マーサさんと同じ動きをしている?


 タコ踊りをしているマーサがニヤリと笑う。


「そう!このアイテムは俺とフーリン、五天女『絶頂剣のイク』と氷結の槍ツンデレー・テレの動きを真似てしまうアイテムなのだ!」


「マーサ殿……私は『絶頂剣』と呼ばれているのですか?」


 ガックリと肩を落とすイクさんと同じ動きをするテレ!


「くっ!あの女の動きを真似てしまう!」


「マーサさん!!これはいったい!?」


 僕はマーサさんに尋ねる。


「ん?わかりませんか?こういうことです」


 そういうと、マーサさんがイクさんの服をたくしあげ、おっぱいを露にする。


「きゃ!マーサ殿!いきなり何を!」


「お前!!や、やめろ!!」


 マーサさんの動きを真似た僕が、テレの服をたくしあげ、おっぱいを出していた!


「わぁ!!ごめんなさい!ごめんなさい!」


 僕は目の前に露になったテレのおっぱいに焦って謝りながら目をつむる。


「イクより小ぶりのおっぷにだね。味はどうかな?」


 マーサさんがイクさんのおっぱいを舐める。


 僕も同じ動作をする。


「あん!マーサ殿!そこ、噛まないで!」


「ひゃん!フーリン!てめぇ!殺す!んぁ!」


 僕もテレのおっぱいの先端を甘噛みする。


「では、下のほうの味も確かめよう」


 マーサさんがイクさんの青と白の縞々ショーツを脱がせ、足を広げさせる。


「ま、マーサ殿!?は、恥ずかしい……」


「フーリン!や、やめて!そこは!」


 まさかのイクさんと同じ青と白の縞々ショーツを履いていたテレ。


 僕はテレのショーツを脱がせ足を広げさせる。


 マーサさんと僕は同時に彼女の足の間に顔を潜らせた。


 ちゅ。


『あぁ――ん!!』


 彼女達の声がハモる。

 

 ちゅぱちゅぱ!ちゅるちゅちゅ――!!


 マーサさんの動きをコピーしている僕の舌が異次元のスピードで動き回る!


『あん!だめ!すごっ!やぁん!!イっちゃう!イっちゃうってば――!!はぁ――ん!!』


 足をバタバタさせ、悶絶する彼女達。


 ぐったりする彼女達を見下ろしながら、僕はパンツを脱いだ。


「お?フーリンさん。立派なモノをお持ちで」


 マーサさんが僕のあそこを見てからかう。


「マーサ殿……早く入れて」


 イクさんが両手を上げてマーサさんを待ち構えていた。と、すると……。


「フーリン!お前!そ、それを私に入れるのか!?私、初めてで!!無理だろ!そんな大きいの!!」


 テレもイクさんと同じように手を広げているが、顔は涙目だ。


「マーサさん!!」


 マーサさんに中止を求めるよう僕は叫んだ。


 マーサさんは僕に微笑みながら話した。


「そうです。フーリンさんに足りないのは自信です。あなたはすごい。あとは行動するだけです。微力ながらお手伝いさせていただきます。バナンポ道四十八手……体で覚えてください!!」


 ズドォ――ン!!


「かはっ!!!!!!」


 僕はマーサさんの動きとシンクロし、テレの初めてを奪った!


「いきますよ!ひとつ!ふたつ!みっつ!!」


 次々と体位を変えながら彼女達に襲いかかった!


 ズンズン!パンパン!!ペシペシ!


「あん!マーサ殿!やぁ!こんな格好!!んぅ!!深い!!はぁ~ん!!」


 ズリュ!ズリュ!ピチャッピチャッ!


「バカ!フーリン!!あん!ムリムリ!!んぁ!!あなたの形になっちゃう!!だめぇ――!!」


「……よんじゅうはち!!これで最後だ!よんじゅうきゅぅ――!!でる――!!」


「僕も!!でる!!」


 びゅるる!!びゅ――!!


「はぁ――ん!!マーサ殿……」


「いやぁ――ん!!フーリンでお腹がいっぱい……んはぁ!!」


 テレが目の前で僕から出たモノでドロドロになっている。


 なんだこの征服感は……。


 これが自信。


 そうか、マーサさんはこれを僕に教えようと……。


「フーリンさん」


 マーサさんがニコッと微笑む。


「マーサさん!!ありがとうございます!!」


 僕は晴れ晴れたした顔をしていた。


「フーリンさん。バナンポ道裏四十八手というものもあるのですが……」


「マーサさん!!……やります!!」


 僕は即答した。


「え!?フーリン?嘘でしょ。ちょっと休憩させて……はぁ――ん!!」


 テレは再び悶絶フルコースを味わった!!


【数時間後】


「騎士団長マジメ、明日からこの演習場は『ダンチョー竜兵団』のものだからな。お前のフィアンセの副団長ポメラーニアは俺が可愛がってやるぜ」


「くっ!!勝負に勝ってから言え!」


 『忠』の勇者オトコギ・ダンチョーが騎士団長マジメを連れて演習場に入ると驚きの光景を目の当たりにする。


「おい!これはどういうことだ?」


 自分のフィアンセ、氷結の槍ツンデレー・テレが最弱勇者ヒトツマ・フーリンの腕にしがみついていた。


「あらダンチョー。私、あなたとこ婚約は破棄するわ。フーリンの魅力に気づいたの」


「なんだと~!!フーリン!貴様!!」


 ダンチョーはフーリンに剣を向ける。


「ダンチョー。あなた達には失望した。僕がこの国を変える!!」


 剣を構えるフーリンの姿に騎士団長マジメが驚く!


「あれは!?シルフィード流剣術!?」


「ふっ……偽物の勇者を名乗るとは笑止千万!勇者はユキノ様ただひとり!!」


 フーリンは今度は剣聖イクと同期していた!


 そして、イクは唯一の剣聖!めちゃめちゃ強い!


 いつもマーサのせいで変態剣士にされているが、本当は強いんだぞ!!(なんか、ごめんなさい!)


「フーリン!てめぇ!!死ねぇ!!」


 ガキン!!


 ダンチョーの剣はフーリンのかざした剣先で止まった。


「ダンチョー……あなたのしたことは許されることではない!シルフィード流奥義『去勢』!!」


 スバババ――ン!!


「ぎゃ――!!」


 ダンチョーのバナンポがご臨終した!!


 『忠』の勇者、オトコギ・ダンチョーの失脚はすぐに街中に知れ渡った。


 <次回!『食』の勇者カンバン・ムースメVS五天女『神舌サーフォン』バナンポジュース対決!!>


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