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「族長!あん!これは!違っ!もう!止まって!だめ!あぁ――!!」『迷走中、スタートです!』

「次の競技は、これだぁ――!!」


 大司教イナリは競技場の巨大モニターを指差す。


 【バナッポー迷走中】

1.巨大お化け屋敷『陰陽堂』で鬼ごっこ。

1.天狗のお面を腰につけたハンター天狗に入れられたら脱落。

1.1秒毎に100ノーエッチ貰える。

 ※捕まったら没収。

1.途中に様々なミッションが発動する。


『お――!!』


 観客が沸き立つ!


「私はマーサ様以外のバナンポは入れられません!!」

 サーフォンが大司教イナリに抗議する!


「その点は大丈夫だ。ハンター天狗はアンドロイドで、腰につけた天狗のお面の鼻は入れる時に自動空間転移の術でマーサのバナンポと入れ代わる。なっ、大丈夫だろ」

 大司教イナリがマーサにウインクをする。


「なら大丈夫です!」

 サーフォンが仲間の元へ戻った。


 大丈夫だった!


「大丈夫なの?」


 マーサの目が点になる。


「我らも参加するわよ!」


 突如、客席から名乗りをあげたのは……ダークエルフ族長、カオーリュだ!どうやらダークナースオリンピックを単純に見に来ていたらしい!


「あ――!!マーサを誘拐したダークエルフ!」


 選手用ベンチに座っていたレキが立ち上がり拳を構えてカオーリュを威嚇する。


「男は関係ない!!勝ち取った資金でダークエルフの村を増築するためだ!」


「本当に?……あの男のモノが忘れられないだけでは?」

 隣で聞いていたカオーリュの側近、カンシが呟く。


「なぁ!!か、カンシ!わ、我は決してそのようなことは……」


 顔を真っ赤にするカオーリュ。


「おや~?マーサ殿、ダークエルフ族長と何かありましたか~?」


「え!?あ、いや……別に」


 感の鋭い剣聖イクが鋭い眼光をマーサに向けた。


 ロイヤルフィアンセーズセカンドの地位を誰よりも重んじているイクだからこその(?)眼光だ!


「あ、いや……別に」


 怪しい行いの典型的なキョドり方『同じことを2回言う』を披露するマーサ。


 そんなマーサを無視して大司教イナリは大きな声で大会の開催を宣言する。


「マーサに入れられていい全ての女性は参加OKだ!ただし、競技の様子は女神フレイヤ様の『女神の目(盗撮精霊)』による生配信がすでに決まっている!」


『わぁ――――!!!!』


 大歓声が沸き起こる!


 やはり、損得勘定で動く女神フレイヤの悪徳商売が絡んでいた!


 ※競技開始後、30分以内に女神チャンネル(アダルト有料版)にアップグレードすると制限魔法『モザイク』を打ち消す『丸見えメガネ(通称、丸メガネ)』が半額の5万ノーエッチで購入することができるぞ!

 ※競技開始後30分はオペレーターを増やして対応しますので、お早めに登録してください!


 というテロップがモニターに映し出される。


『うぉ――――!!』


 男性達の雄叫びが会場内を包み込む。


「やっぱり、今回も配信されるのね……」


「大丈夫でっす!捕まらなければいいでっす!」


 ため息をつくレキにトモミンは鬼ごっこと聞いてなんだか楽しそうだ。


 競技会場『陰陽堂』に移動した選手達は、そのおどろおどろしい雰囲気に恐怖を感じる。


「お化け屋敷怖いでっす」


 トモミンが震える。


「大丈夫!お化けは私が全部、ぶっ飛ばす!」


「ユキノ様、お化けに手を出したらいけませんよ」


 手をぐるんぐるん回す勇者ユキノに剣聖イクが注意をする。


 挑戦者達が集まる控え室のモニターに大司教イナリが映し出される。


『それでは諸君、ハンターから見事逃げ切り、賞金を獲得してくれ。ちなみに最後まで残った者には金メダルが送られる!』

 ※ちなみに、マーサとイナリはこれとは別で『バナンポ、バナッポーどっちで呼ぶか対決』を戦っています。


「見て!ハンター天狗よ!」


 陰陽見習いイッタン・モメンがモニターを指差す。


 そこには顔に形代を貼り付けたスーツ姿で股間に天狗のお面をつけたハンター3体と、目隠しをしたマーサが映し出されていた。


『み、見えない……でも、入れたい!』


 目隠しをされたバカなマーサが鬼さんこちら、手の鳴る方へ状態でフラフラ歩いていた。


「入れられたいけど、金メダルのため……マーサ様!今回は逃げさせてもらいます!」


 真面目なサーフォンも闘志を燃やす。


 今、戦いの火蓋は切って落とされた!


 【選手一覧】

勇者ユキノ……両刀使い。ロイヤルフィアンセーズフォース。

拳聖レキ……マーサの幼馴染み。ロイヤルフィアンセーズファースト。

剣聖イク……聖剣ゼックスカリパの使い手。ロイヤルフィアンセーズセカンド。

聖女トモミン……正聖女。マーサ専属メイド長。

鉄仮面サーフォン……スキル鉄仮面所有者。ロイヤルフィアンセーズフィフス。

シホン……ノウコウホルモン聖堂シスター。

アベノ・ハルカ……陰陽師団長。

ユリカペ……陰陽師団副団長。

イッタン・モメン……陰陽師団見習い。

カオーリュ……ダークエルフ族長。

カンシ……ダークエルフ族監視役。


「それでは、迷走中……スタート!」


 バァ――ン!!


 魔法空砲の爆音でついに競技がスタートした。


「まったく族長はこんなくだらない大会に参加などと……我ら至高のダークエルフ種が男にうつつを抜かすなどとわかったら、族長といえど投獄は免れまい。私がしっかり監視しなければ……」


 ダークエルフ族監視役カンシに黒い影が3つ近づく!


『ターゲット発見、捕獲します』


 顔に形代を貼りつけたスーツ姿のハンター天狗がカンシを拘束。


「しまった!くっ!離せ!」


 ジタバタするカンシを3体のハンター天狗が拘束。すぐさま腰ほどの高さの岩にカンシを固定。スカートをたくしあげ、ショーツを脱がし足を開かせて固定する。


「あっ!こら!やめろ!バカ!」


 3体のハンター天狗かおもむろに手を叩く。


 パン、パン、パン。


「え!?なに!?」


 パン、パン、パン。鬼さんこちら、手の鳴るほうへ~♪


 3体のハンター天狗が歌いだす。


 パン、パン、パン。鬼さんこちら、手の鳴るほうへ~♪


「ん?こっちか?入れたい~入れたい~」


 ゆっくりと目隠しをしたマーサがフラフラとやってくる。


 「ひゃ!ちょ、ちょっと!」


 カンシはマーサに腰を捕まれ、ビクッ!とする。


 え?入れられる?


 待って……私は至高のダークエルフ。


 男にうつつを抜かす族長には呆れたけど、私は大丈夫。


 ダークエルフの里は私が監視する。ダークエルフが未来永劫、至高の一族であるために。


 私が……。


「入れま~す」


 マーサがバナンポを全開にしてカンシに突入する。


 スブゥ――!!


「んぁ――!!か……はっ……え?」


 な、なに!?この体の中からくる衝撃的な刺激は……こんなの……我慢できない!!


「んぁ!!待って!!あはん!!やめて!あん!気持ちいい!!ダメ!!はぁん!!我慢できない!!はぁ――ん!!」


 はじめての感覚に我を忘れて喘いでいるカンシの前を偶然、ダークエルフ族長カオーリュが通りすぎる。


「……カンシ」


「ぞ、族長!!あん!やめて!族長が見てる!あん!!止まって!あん!声!出ちゃう!はぁ――ん!!」


 族長の前でだらしない顔を見せるカンシ。


「……あはっ!ふふふ……あはは……」


 カオーリュは不適に笑いながら走っていってしまった。


「族長!あん!これは!あん!違っ!あん!もう!止まって!だめ!イク!イッ……あぁ――!!」


 カンシは体をビクビク――!!とさせて果てた。


「俺も……出そうです!」


 マーサも限界をむかえる。


「待って!今、出されたら!私!私……!」


 ドビュルル――!!


「はぁ――――ん!!あはぁ……もう……戻れない」

 カンシは恍惚とした表情を浮かべながら気絶した。


 大型モニターに映し出されたカンシの捕獲の映像と共に『ターゲット確保』のテロップが表示される。


『わぁ――!!』


 盛り上がりをみせる『迷走中』!!


 どんどん伸びる閲覧人数と番組登録者!!


 超VIP席に座る女神フレイヤが席を立ちながら雄叫びを上げた!


「うひょぉ――――!!神回決定!!」


 逃げる美少女達!


 追うマーサ率いるハンター天狗!


 そんな中、最初のミッションが彼女達に告げられる!!


 <つづく!>

 

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