「はぁ――――ん！！……速すぎ……」『王と群衆と異世界生配信』
【王都ハラミサガリ ユッケジャンクッパ城】
「皆の者！よく聞くがよい！！」
城の中庭に群衆を集め、壇上の上から威厳のある声を発している人物こそ、ハラミサガリ王国二十一代目当主『シャトーブリアン王』その人である。
『シャトーブリアン！！シャトーブリアン！！』
群衆の歓声が沸き上がる！
「うるせ――！！聞け――！！」
王の一喝！
『………』
群衆は怒られて静かになった！
これでいて、飾らない性格の『シャトーブリアン王』は、けっこう人気があった！
「先日、女神フレイヤ様からお告げがあったので、皆に伝える！これを見よ――！！」
王の合図とともに大きな布が外され、巨大なモニターが姿を現した。
「あれは！？箱の中に大きな誰かが入ってる！？」
村人Aが巨大モニターを指差す。
モニターの中に巨大な人が動いているように見えるぞ！
「あ――！あれは、勇者ユキノ様だべ！モンスターと戦ってるべ！！」
勇者ユキノの顔がアップになる！
「はわわ！剣聖イク様だべした！すんごい剣さばきだべした！」
群衆は食い入るようにモニターを見る！
「これは女神フレイヤ様から授かった『生配信用モニター』というものだ！
王の言葉で、女神からのご加護(贈り物)に群衆のボルテージは最高潮だ！
『おおおおお――！！』
「それと、この家でも見れる『小型生配信モニター』を販売する！！」
すかさず、王は小型モニターを群衆の前に掲げた！
『うおおお――！！！！』
群衆はさらに歓喜の声を上げた！
「ああ！男の股間に魔物のファイアーボールが当だったぞい！！」
配信モニターを村人Dが指差す！
映像の中でマーサの股間が燃え、焼きバナンポがあらわになった！
「きゃ――！！！」
若い村人(女)は両手で顔を隠し悲鳴を上げる！
※マーサのバナンポはバナンポ(本物)に自動的に修正が入ります。
「ああ！かわいい女の子が歌いながら男の股間に顔を近づけていく――！！」
トモミンは治療のため、歌いながらマーサのバナンポを咥えようとしている！歌声で支援魔法を唱えるトモミンは、直接咥えたほうが治療が早いのだ！
「あっ！あっ！く、咥える！？あ！！」
――プツン！
突然、画面が真っ暗になった！
「……ここからは有料です」
王は一言、言い放った！
『……………』
沈黙する群衆。
地球での生配信を断念した(地球でBANされた為)女神フレイヤの次の作戦はこうだ！
王にお告げを与え、民に生配信用のモニターを配布(費用は王国持ち)。
民は勇者ユキノパーティーの活躍を見ることができ、勇者ユキノパーティーは一躍有名に！
マーサのバナンポが活躍(？)する場面のみ高額の有料チャンネルを払うことで閲覧可能性となり、その分、資金も増え、お子様の安全も守れるという夢のビジネスを実現したのだ！
【後日 王都 街中】
『わ――！！勇者ユキノ様――！！』
「ねぇ……なんか、私達すごく人気ない？」
次の依頼を受けるために王都へと戻ってきた勇者パーティーに声援が送られる！
「当たり前です！勇者ユキノ様の噂は王都だけにとどまらず大陸中に知れ渡っていますとも！！」
自分のことのように誇らしげに喜ぶ剣聖イク。
「……いて！……痛っ！な、なんで俺は石を投げつけられるの？」
有料チャンネルを見た民がマーサに石を投げつける！
コンッ！
<マーサは1KPを獲得しました>
コツン！
<マーサは1KPを獲得しました>
コン！コン！
<マーサは1KP獲得しました>
<マーサは1KP獲得しました>
「……地味にKPが貯まっていく」
「美女4人に囲まれているからしょうがないですよ！ご主人様！」
そう言いながら群衆に手を振るトモミン。
「きゃ――！『聖女の歌姫トモミン様』に手を振ってもらえたわ――！！」
実は歌声で支援魔法を唱えるトモミンは王都でも人気が高く『聖女の歌姫』の二つ名で知られていた。とくに有料チャンネル派からは裏で『喉奥の天使』『ちっぱい神』と崇められていた。
「えへへ！なんか気分いいわね！」
ユキノは自慢のしっぽをフリフリして群衆を煽る。
『うおぉぉ――！！！！』
勇者ユキノが獣人族ではなく、獣人族にあこがれる人間族だということは高額の有料チャンネル料を払っている民には周知の事実である。
本物のしっぽではないのに、なぜあんなにフリフリできるのか！？有料チャンネル民の間ではこの『フリフリしっぽの謎』についてしばしば激論が繰り広げられていた。
「えへへ！フリフリ！」
『じ――――、えへえへ！』
群衆は勇者ユキノのしっぽに釘付けだ！
「それにしても、すごい歓声ですね」
もはやパレードのような勢いに剣聖イクは戸惑う。
『せ～の、イクパイ～！！』
剣聖イクに謎の声援が飛ぶ！
「ふふふ、聖剣ゼックスカリパの切れ味を試そうか……」
イクパイを揺らしながら、剣を構える。
『やめなさい！』
聖剣ゼックスカリパが慌ててイクをなだめる。
聖剣は民を切ったら魔剣になるらしいぞ！
「あっ！伝説のティッシュトッカー『幼なじみレキポロン』だ！」
「……誰が、なんだって？」
群衆を睨み付けるレキ！何のことだかさっぱりわからない！
「ま～、いいんじゃない？手を振っとこ！」
有名人になった気分のマーサは有頂天になって手を振っていた。
女神フレイヤは地球で配信した動画も編集して異世界でも配信していた！商売に抜け目がない！
地球で配信された動画サービス『ティッシュトップ』の木琴が奏でる音楽にのせて15秒でレキのおっぷにが服からこぼれ落ちる『レキポロン』動画は3000万再生を超えてる神ヒットを記録していた！
ちなみにマーサの二つ名は『歩くモザイク』『画面の外の奴』だ！配信される場合、マーサの姿はほとんど映っていないか、モザイクになっているからだ！かわいそうだから、黙っておこう！
こうして『勇者ユキノパーティー』は王国中にその名を轟かせるのであった――。
【夜 国王の寝室】
……国王シャトーブリアンや。
「はっ！頭の中で声が聞こえる！女神フレイヤ様のお告げだ！」
ベッドで就寝中の国王は慌てて正座をする。
……此度の『配信モニター』の普及、見事だったわよ。
「はは～！ありがたきお言葉！今宵はどのようなお告げを授けていただけるのでしょう！」
……これよ……次はこれを普及させなさい！
国王の前に丸いレンズが入った通称『丸メガネ』が置かれた。
「こ、これは！？」
……『無修正メガネ』よ！
「え、えっと……」
王は耳を疑った。
……『無修正メガネ』よ！何度も言わせないで！このメガネをかけると有料チャンネルのモザイクを消せるのよ！
「……」
……今、大事なとこ『モザイク』で隠れてるでしょ！丸見えよ！丸メガネで丸見え……ふふっ。
女神フレイヤはマーサと関わってからちょっとマーサに似てきた。
「……わかりました。『モザイク』というスキルを『無修正メガネ』で打ち消せる……と」
王はとても物分かりがよかった。
……そうよ！1個『10万ノーエッチ』ね！
それだけ言うと女神フレイヤの声は聞こえなくなった。
「……10万ノーエッチ」
国王は、そうつぶやくと配信モニター(有料チャンネルバージョン)の電源を入れ、ソッとそばに置かれた『無修正メガネ』をかけてみた……。
【映像の中のとある宿屋】
コンコン……。
「イク、起きてる？」
ユキノがドアから顔を出す。
「ユキノ様！もう寝るとこでしたが、どうしました？」
『武士道』と書かれたTシャツに、いつもの青と白の縞々ショーツを履いた剣聖イクは突然の勇者ユキノの来訪に驚く。
「あの……ちょっと、頼みづらいことなんだけど……」
ユキノがモジモジしながらイクを見る。
「ユキノ様！私はユキノ様の『剣』です！何なりとお申し付けください！頼られて私は嬉しいですよ！」
右手の拳を胸に当て、誇らしげに語る。
「そうか！やっぱりイクに言ってよかった！……あの、これなんたが」
そういうと、モフモフなしっぽを手に持ったユキノが部屋に入ってきた！
「……ユキノ様？」
「そろそろ『しっぽ』を新しくしようと思ってな！」
「……ユキノ様！？」
「自分では入れづらくてな！イクに頼もうかと！」
「……ユキノ様――！！？」
イクの問いかけの声が大きくなる。
「やっぱり……ダメか！？」
涙目になる勇者ユキノ。
「……も、もちろん大丈夫です！！」
イクは考えるのをやめた！考えすぎは体に良くない！
「では、お願いします……」
ユキノはベッドに四つん這いになり、スタンバイする！
「まず、古いしっぽを抜きますね……」
四つん這いのユキノのお尻から生えて(？)いるしっぽを握る。
「ん……あっ！イク！一気に抜いて！」
「は、はいっ！！やぁ――！！」
ユキノのしっぽが勢いよく抜ける！
スポ――ン！！
「はぁ――――ん！！……速すぎ……」
四つん這いのまま、お尻をさする。
「す、すいません！慣れてなくて！！」
慣れてたら大問題だ！
「次はこれね……。新しいの」
新しいしっぽをイクに手渡す。
「はい、ユキノ様！では、入れますね……さん……に～……いち！えい！」
カウントダウンをして新しいしっぽをユキノに押し込む。
「んあっ！入ってくる！……奥まで……お願い！」
「は、はい！！」
しっぽの根本の細長い棒を奥まで入れる！
「んはぁ――――！！……あ、ありがとう」
四つん這いになりながら、モフモフなしっぽをフリフリさせて喜ぶ！
「やっぱりイクに頼んで正解ね！入れるの上手かったわ！」
「え！？そうですか！？えへへ～」
よくわからないが、褒められて嬉しい！
「さわり心地いいよ！触って！触って！」
イクに向かってしっぽをフリフリしてみる。
「はい！では、失礼して……モフモフ……いいですね！」
モフモフの手触りは最高だ！
「ね！でしょ！イクも入れてみる！？」
さっき抜いた古い方のしっぽをイクに渡そうとする。
「へ！？……いや……あの」
さすがに躊躇する。
「あ！そうだよね……。私のお古は、嫌だよね……」
わかりやすく落ち込む。
「いや！そんなことはありませんよ！！」
落ち込むユキノに全力で応える！
「そうか！やっぱりイクは気に入ってくれると思ったんだ！ささっ！」
ユキノはイクをベッドに四つん這いにさせ、縞々のショーツを膝まで下ろす！
「へ！？いや、あの……ユキノ様！？」
四つん這いの格好で固まる。
「では！いきます！！」
しっぽの根本の細長い棒をイクのお尻の穴に当て……一気に押し込む！
「んあぁぁ――――！！ゆ、ユキノ……様……」
体を反るほどの初めての衝撃が、イクの体に流れ込む！
「うん！かわいい！お揃い！」
自分のしっぽをフリフリして見せる。
「お、お揃い！！？え、えへへへ……」
お揃いは、嬉しい！イクも『はじめてのモフモフしっぽ』をフリフリさせて喜ぶ！なんで動かせるなのかは謎だ！強いていえば、『モフモフ愛』だ！
【国王の寝室】
「……ああ！あんなとこまで丸見え！……こ、これは……絶対売れる――！！！！」
王は拳を握り、確かな手応えを感じるのであった……。
<つづく！>
【女神チャンネル ドキュメンタリー『勇者ユキノおはようアサインの軌跡』】
勇者ユキノは天性の指導者としての素質を持っている。
魔法しか能がないマーサが剣聖イクと渡り合えるほど剣術を修得できたのは、他ならぬユキノの指導があったからだ。
びゅるる！！
「んぁ！いっぱいでた。おはようアサイン終わりね」
マーサの布団の中から口をもごもごしながら勇者ユキノが顔を出す。
「あの、ユキノ……最後、顔にかけたいな……」
「え～洗うの大変だよ～。じゃ、今日、剣の素振り100回やったら明日の朝、かけていいよ」
「ほ、ほんと！がんばる！」
ブンブンブンブン！
マーサは剣を振りまくった！
【次の日の朝】
ちゅぱちゅぱちゅぱ。
「ああ！ユキノ！顔にかけるよ！」
びゅるる！！
「んぁ！いっぱい！！」
ぺろぺろ……。
顔に出たバナンポジュースを舐めとるユキノ。
「ゆ、ユキノ！今度は髪にかけたい！！」
「え～それはさすがに洗わないと……。じゃ、剣の素振り1000回できたら髪にかけていいよ」
「ほ、ほんと！がんばる！！」
ブンブン！ブンブン！ブンブン！ブンブン！
マーサは素振りを超がんばった！
『次の日の朝』
れろれろ……「手も使うね」しゅしゅ！
「ああ！でる！髪にかけるよ！！」
びゅるる！！びゅ――！！
「あん！！いっぱい！髪がベトベトだ～」
ベトベトの髪の毛を触るユキノ。
こうして来日も来日もユキノの要求をクリアしたマーサは驚くほど剣の腕前が上がったのだった！
「ありがと……それでね、今度は裏スジだけ舐められてイキたいな！でね、でたバナンポジュースを舐めとって、それをバナンポにかけてから、もう一回、今度は口の中でイキたいな！」
「マーサ……変態だね。いいよ。剣の稽古でイクに勝ったらしたげる」
「イクに！？が、がんばる！！」
『午後の稽古』
「ま、負けました……。マーサ殿、いつの間にそんな剣術を！？」
半裸のイクが剣を地面に刺しながら倒れる。
「はぁ……はぁ……勝った！！」
マーサはユキノを見る。
「おめでとう。明日の朝、楽しみにね」
マーサの剣術は、ついに剣聖と並ぶ腕前を手に入れた！！
『次の日の朝』
ぺろぺろ……ぺろぺろ……ぺろぺろ……。
「ああ！裏スジだけ丁寧に！！でる！！」
びゅるる！！
「じゃ、舐めとるわね」
ユキノはマーサのお腹にでたバナンポジュースを丁寧に舐めとる。
ちゅるる～。
「これをバナンポに垂らして……」
れろ～。
「あとはもう一回、普通に咥えればいい？」
口からバナンポジュースを垂らしながらユキノが聞いてくる。
「はい、お願いします！」
「咥えるね」
ちゅぱちゅぱ……んぐぅ～。
「あふ！朝から天国！！」
マーサの頭の中が天国だった！！
【国王の寝室】
モニターの中のユキノが、口の中にバナンポジュースを含んだまま立ち上がり、服を脱ぎはじめる。
『バナンポジュースを口に含んでから立ち上がって服を脱ぎ、バナンポジュースを自分のおっぷにに垂らす……。これでいい？マーサ』
裸になったユキノは口に含んだバナンポジュースを垂らした。
モニターをガン見していた国王が立ち上がる！！
「女神チャンネルVIP待遇高額有料チャンネル……すごすぎ―！！」
国王のガッツポーズが止まらない！！
1視聴1万ノーエッチ払わないと見れないが、見る価値のある内容だった！！
<おしまい>
