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「おっぱぉ~んアタァ――ク!!」『ダークナースオリンピック開幕!』

【ダークナースオリンピック】


「えっと……4年に一回開催されている国対抗のスポーツの大会に私達ロイヤルフィアンセーズに出てほしいって言われたの?」


「そ、そう!それがね!偶然、明日から開催なんだって!」


 レキの怪しむ眼差しにマーサの目は泳ぎまくっていた。


 シスター・シホンがマーサ達を見つけ駆け寄る。


「マーサさん!レキちゃん!私の昇格試験がダークナースオリンピックの成績により合否が決まるって言われたわ!」


 勇者ユキノが口を挟む。


「じゃ、やるしかないわね。ま、どっちみち面白そうだから出るけどね」


 勇者ユキノの独断でロイヤルフィアンセーズのダークナースオリンピック参加が決まった!


 ここに、国の名誉をかけた熾烈な闘いの火蓋が切って落とされた!


 『おっぷに』か『おっぱぉ~ん』か!


 『バナンポ』が『バナッポー』か!


 マーサと大司教イナリのくだらない兄弟ゲンカのためだとは口が裂けても言えません!!


『第一種目 おっぱぉ~んバレー』


 『ルール』

 ・Dカップ以上の女子3名による団体戦。

 ・紙風船をネットを越えて相手チームに落とせば1点。

 ・手は後ろで組んで、おっぱぉ~んだけで紙風船を飛ばさなければいけない。

 ・先に21点取ったチームが勝ち。


 ロイヤルフィアンセーズの前に大司教イナリがダンボール箱を持って現れる。


「ユニホームはこの胸の部分が空いた体操服を着てもらう」


 大司教イナリは胸の部分がぽっかり穴が空いた体操服を箱から取り出す。


「お前は天才か――!!?」


 マーサは泣きながら穴の空いた体操服を受けとる。


「ふふふ……だろぉ?」


「……似てる」


 大司教イナリとマーサのやり取りを不思議そうに見ていたイクであった……。


「トモミンは出場できない……」


 胸を押さえながら悲しむトモミン。


 胸の小さなトモミンでは紙風船をレシーブできない!でも悲しむ必要はない!なぜなら、ちっぱいは『正義』だからだ!争う必要がそもそもない!(陰陽教本第21節『ちっぱいは正義』より)


「そんな穴の空いた服、着れるわけないでしょ――!!」


 レキが猛反論する。


「レギュラーを発表する!」


 レキを押し退け、監督マーサが前に出る。


 ドキドキするロイヤルフィアンセーズ!


「レギュラーは……剣聖イク!鉄仮面サーフォン!シスター・シホン!」


「あ……そう」


 あんなにユニホームを着るのを嫌がっていたレキだったが、レギュラーを外されたら、それはそれで複雑な思いだった!

 

 【ダークナースオリンピック試合会場】


 急に始まったダークナースオリンピックにもかかわらず、木でできたダークナースドーム二個分の大きな会場にはハラミサガリ王国、サカナトイッタラマグロ共和国からも高額チケットを持った人々が来場していた。

 ※今回のチケットは配信サービス『女神チャンネル』の独占販売です。


「がんばれ!ロイヤルフィアンセーズ!」


「負けるな!サーフォン!がんばれサーフォン!」


 客席のプレミアムシート(100万ノーエッチ)にはハラミサガリ王国シャトーブリアン王とサカナトイッタラマグロ共和国大統領補佐シー・チキンが隣通しで座っているぞ!


 『わぁ――!!』


 観客の大声援!


 先に入場してきたのは大司教イナリチーム!


選ばれし3名の選手は陰陽師団長アベノ・ハルカ!陰陽師団副団長ヌリカペ!陰陽師団見習いイッタン・モメンだぁ――!!


 三人は穴の空いた体操服からおっぱぉ~んを出しながら登場する!


「団長!ものすごく恥ずかしいのですが!!私のいない間に何があったのですか!?」


 副団長ヌリカペは丸出しのおっぱぉ~んを両手で隠しながらハルカを問い詰める。


「すまぬ。またイナリ様のへきだ……」


 対するロイヤルフィアンセーズの選ばれし選手は剣聖イク!鉄仮面サーフォン!シスターシホンだ!!


 おや?シスターシホンの体操服は胸の部分が空いていないぞ?


「マーサ!そのユニホームは反則だ!たぞ!おっぱぉ~んが見えてない!!」


 大司教イナリが監督マーサの元へ駆け寄り、抗議する!


「ふっ……シホ姉ぇ!」


マーサは大司教イナリに「チッチッチ」と人差し指を立てながら言い、シスターシホンに合図を送る。


「もう……マーサさんたら……」


 合図を受けたシホンは胸の部分に横一直線に付けられたジッパーをゆっくりと開いた。


 少しずつ露になるおっぷに!


 左胸……右胸と……ぽろん♪ぽろん♪と体操服からこぼれ落ちる!


「なに――!!最初から丸出しではなく、少しずつ見せるだと――!!お前は天才か――!?」


 大司教イナリはマーサの前で崩れ落ち、号泣する。


「ふっふっふ……だろぉ?恥じらいのないエロは、ただの痴女だ!」


 マーサの訳のわからない名言が飛び出した!


「ま、マーサ殿!私のこのネクタイはどんな意味があるのでしょうか?」


 剣聖イクはセーラー服の上の部分『セーラーカラー』とネクタイだけを着けている。


「おっぷにが挟まる!それだけ!」


「……そうですか」


 剣聖イクはよくわからなかった。


「ネクタイが……おっぱぉ~んに……はさ、はさ、はさまって……」


 大司教イナリはイクのおっぷにを指差しながらガクガク震えているが放っておこう!


「あわわ!あわわ!試合が始まってしまう!」


 恥ずかしさのあまり顔に鉄仮面を装着しておっぷに丸出しにしているサーフォンが一番シュールだった!


 ピッピ――!!


 試合開始!


『記念すべき第一球!』


 審判をかって出たマーサと大司教イナリがコートの中央の両サイドの特等席で声を揃える。


 シスターシホンは紙風船をおっぷにに当て相手コートへ飛ばす。


 ぽい~ん。


 ぷる、ぷる~ん。


 シホンのおっぷにが芸術的に揺れる。


 マーサとイナリはそれを目が飛び出るほど凝視する。


 それは脳内でスローモーションになり『俺の人生』という作品名で心の中に永久保存された。


 マーサ&大司教イナリは声を揃えて叫んだ!


『100点満点!!』


「紙風船は!?」


 レキが紙風船の行方を追う。


「ちょっと、紙風船がライン際に落ちたわよ!どっちの点数!?」


 審判マーサ&イナリを問い詰める。


『あ、紙風船見てなかった』


 マーサとイナリは手で髪を掻きながら『てへへ~』と声を揃えた。


「バカなのあんたら――!!」


 とりあえず、ロイヤルフィアンセーズに1点入った!


「次、いきま~す!」


 ぷるぽよぉ~ん!


 シスター・シホンのおっぷにが見事なウェーブを見せる!


「甘いわ!」


 副師団長ヌリカペのおっぱぉ~んレシーブ!


 それに合わせるかのように師団長ハルカは高くジャンプする。


「おっぱぉ~んアタァ――ク!!」


 横に一回転したあと、おっぱぉ~んを紙風船に当てる!


 紙風船とは思えないスピードでロイヤルフィアンセーズのコートを襲う!


「くぅ!速い!間に合うか!?」


 剣聖イクは懸命におっぷにを突きだし、レシーブを試みるが、紙風船はイクのおっぷにの先端を擦りながら地面に突き刺さる!


「あはぁ――ん!!」


 イクの体に電気が流れる!!


 マーサとイナリは涙を流しながら声を揃えて得点をコールする。


『100億満点!!』


『どっちに!!?』


 コート上のハルカが大司教イナリに、シスター・シホンが変態マーサにそれぞれツッコミを入れる!


「あんたら黙ってなさい!私が審判やるわ!」


『紙風船になりたい……』


 感動の涙を流しながらイクに審判台から降ろされるマーサ。イナリもなぜか選手と同じ胸の部分が空いたユニホームを着た勇者ユキノに審判台から降ろされ、代わりにユキノが審判台に座る。


 勇者ユキノは「特等席!」と叫びながらおっぷにを揺らした。


 マーサと大司教イナリは退場処分となり、試合は再開!


「ああ!みんなの前で胸をさらけ出して恥ずかし――!」


 顔に鉄仮面を被っていておっぷにだけ丸出しのサーフォンが恥ずかしさに耐えきれず大声を出す。


「ああ!鉄仮面を被ったサーフォンさんが恥ずかしさのあまりコートの真ん中でうつ伏せになってしまったでっす――!」


 トモミンがうつ伏せでシクシク泣いているサーフォンを指差す。


「もらったわ!」


 体に巻いた布からおっぱぉ~んをポロンしているイッタン・モメンの容赦ないおっぱぉ~んアタック!


「恥ずかし恥ずかし恥ずかし――!」


 ぽよぉ~ん!


 サーフォンはその場でグルグル転がり、偶然おっぷにに当たった紙風船は空高く舞い上がる!


「あれは!ローリングおっぷに!」


「あんたは黙ってなさい!」


 審判を退場になってベンチに座ったマーサにレキが頭をコツンと叩く。


「ナイスサーフォン!シルフィード流居合……ぷにずり!!」


 サーフォンのトスに反応したイクは空高くジャンプし、おっぷにを高速で上下に揺らすことで紙風船を矢のような形に変形させ、相手コートに突き刺す!


 スバァ――ン!!


「すごいぞイク!いい擦り具合だ!」


「ありがとうございます(?)ユキノ様!」


 ユキノの声援に疑問を持ちながらも感謝する。


 大司教イナリ発案の変態競技にもかかわらず、思いのほか競技は白熱した。陰陽師副団長ヌリカペの類い稀な運動神経に陰陽師団長ハルカのおっぱぉ~んに形代を貼り、まるで生き物のように動かす『形代おっぱぉ~ん』、陰陽師見習いイッタン・モメンも自身に巻いた布を滑らせコートを縦横無尽に駆け巡る。

 対するロイヤルフィアンセーズも剣聖イクのおっぷにを剣に見立てたシルフィード流おっぷに術で得点を重ね、鉄仮面を被りながら地面を転がるサーフォンの『ゴロゴロおっぷにレシーブ』がことごとく仲間のピンチを救った。

 そして、自身の昇格試験を兼ねて試合に臨むシスター・シホンのおっぷに(熱意)がとくに弾け、ロイヤルフィアンセーズ優位で試合は進んだ。


「シスターおっぷにアタッ~ク!!」


 スバァ――ン!!


「ロイヤルフィアンセーズ得点!!20対19!ロイヤルフィアンセーズマッチポイント!」


 審判レキがコールする。


「ナイスおっぷに!」


 パチパチパチパチ。


 審判ユキノが拍手する。


「くっ!あんな大きなおっぱぉ~んを形代なしに自在に操れるなんて……」


 おっぱぉ~んに貼った形代がゆらゆら揺れる陰陽師団長ハルカが片ひざをつく。


「団長!まだ負けてません!」


 見習いイッタン・モメンが不屈の精神で立ち上がる。


「モメン……。団長!見習いに言われてやらないわけにはいきませんね!」


 副団長ヌリカペはおっぱぉ~んについた砂をはらいながら立ち上がる。


「お前達……」


 ハルカの目に輝きが戻る!


「ふっ……最後まで気が抜けないわね……」


 最初は嫌がっていた剣聖イクだが強敵との相手にニヤリと微笑む。


「これを決めて……私は昇格するわ!」


 シホンは紙風船をおっぷにで飛ばす。


 強打と見せかけてネット手前だ!


「くっ!モメン!」


 かろうじてレシーブに間に合うが相手コートに返すだけで精一杯だ!


「チャンスだ!サーフォン殿!」


「恥ずかし~」


 サーフォンのゴロゴロおっぷにトスで紙風船がイクの頭上にふわりと上がる。


「シルフィード流奥義!ガンキ・ぷにずり!!」


 足をVの字にしながら高速でおっぷにを上下に揺らす。


「えぇ!?そんなとこをそんなところに――!?」


 審判台に座る勇者ユキノが思わず立ち上がる!


「イクちゃん……もう、教えることは何もないわ」


 観客席の元剣聖でマーサの母、シルフィードが涙を流す。


 ズババァ――ン!!


 ピッピッ……ピ――!!


「得点!勝者!ロイヤルフィアンセーズ!!」


 レキが笛を吹き、ロイヤルフィアンセーズ側の右手を上げる。


「負けた……」


 崩れ落ちる大司教イナリにマーサが手を差しのべる。

 

「いい闘いだったな。これで、『おっぱぉ~ん』は明日から『おっぷに』と呼んでもらう……少し名残惜しいけどな」


 マーサは『おっぱぉ~ん』という言い方が少し気になってきていた!


「『おっぷに』か……それも悪くないな。しかし、次の『バナッポー』をかけた戦いは負けんぞ!!」


 次回、『バナッポー』か『バナンポ』か!?


 闘いは、更なる興奮と感動を呼ぶ(?)!!


 <つづく!>

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