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「はぁ――ん!!マーサのバカ――!!」最終話【永続究極魔法『生涯服従』】

「いよいよ最終決戦じゃ!これに勝てば人間界は存続。負けたら滅亡じゃ……もぐもぐ」


「そんな話だっけ?……もぐもぐ」


 絶対神ゼウスとマーサは二人仲良く『金の縁日列車』で買った焼きとうもろこしを頬張りながら談笑する。


「いよいよ、ワタシの出番ね!残念だけど、あなた達に勝ち目はないわ」


 なぜか『土の列車』からではなく、『木の列車』のテントから出てきた大天使バラキエルは大天使らしからぬ、みすぼらしいの白いワンピース姿でやってきた。


「そんなのは、やってみないとわからないだろう!」


 ユキノは満を持して『土の列車』に勢いよく乗り込む!


「わっ!さ、寒い!!」


 あまりの寒さにブルブル震える。


「過酷な『土の列車』は『大地の列車』!しかし、今は列車の中は暖房が効かず……『死の大地』なのよぉ~!」


 大天使バラキエルが得意げに語る!


「ただの故障中なんじゃ……」


 確信をつくマーサに大天使バラキエルは「そ、そうとも言うわ……」と目を泳がせる。


「ふぉふぉふぉ、『土の列車』は稼ぎが悪く不良債権じゃ」


 絶対神ゼウスは列車な貼られた『差し押さえ』の貼り紙を杖で差す。


「え!?営業してないの?」


 剣聖イクの問いにゼウスが答える。


「確か、閉店したのは昨年かのぉ?」


「つぶれてるじゃない!」


 拳聖レキは大天使バラキエルに『ビシッ!』と人差し指を向ける。


「つぶれてないわ!休業中よ!!」


 地団駄を踏む大天使バラキエル。


「勝負はどうするの?不戦勝でいいのかしら」


 鉄仮面サーフォンの問いに大天使バラキエルは得意げに答えた。


「勝負は『極寒』対決よ!私とあなた達、長く列車に居続けた方の勝ちよ!」


「我慢対決か!得意だな!いくぞ!みんな――!!」


 ユキノを先頭に『土の列車に乗り込んだ!』


 【土の列車マイナス零度】


 ヒュゥ――!ヒュゥ――!


「列車の中なのに冷たい風が吹いてるでっす!ハクチョン!」


 トモミンが可愛らしくクシャミをする。


「ふっふっふ、余りの稼ぎの少なさに懐が寒いと思ったら冷風が吹いて来やがったのさ!」


 「どんなもんだい!」といった表情のバラキエル。


「全然、自慢になってないぞ!うぅ~寒い……」


 イクが身震いをする。


「外には風呂を用意してあるわ!さっさと諦めて列車を降りないと凍え死ぬわよ!!」


 列車の外の五右衛門風呂風呂に三大女神が入っているのが見えた。


「あんたたち、負けたら承知しないわよ――!!」


 女神フレイヤが両手を上げて声援を上げる。


「ほらっ、胸が出ちゃうわよ。全く……」


 女神ノートが女神フレイヤの胸を両手で隠す。


「お、百合モノも今度書いて見ようかな?それにしても五右衛門風呂に女神三人は狭いな……」


 小説家を目指す女神ムーアも五右衛門風呂で幸せ気分だ。


「降りる――!!」


 列車の中では女神のお風呂遊びに参加しようと列車の出口に向かうマーサをレキが捕まえていた!


「負けるでしょ!バカ!!」


「こんな寒いとこ長くいれないよ……ハッ……ハッ……ハックショ~ン!!」


 ビュルル――!!


 マーサがくしゃみをすると鼻水がレキの額にピタッ!とくっつく!!


「キャ――!!なにするのよ――!!と、取れない!なんであんたは鼻水までネバネバするのよ――!!」


 伸びるマーサの鼻水に悪戦苦闘するレキ。


「マーサ様!任せてください!ファイアー!――!?魔法が……使えない?」


 サーフォンが火を起こそうとしたが魔法が発動しなかった!


「いい忘れていたが、魔法は一切使えない。列車の天井に水の泡がついているのがわかるか?」


 バラキエルは天井を指差す。


「ん?泡がついてるが?」


 ユキノが天井を見上げる。


「そうだ。水の泡だ。ただの泡じゃない。あの泡のせいで何をやってもうまくいかない。それこそ水の泡だ。魔法も、遊具としてもだ!」 


「……ダジャレ?」


 ユキノが聞き返す。


「いや……ただの真実だ」


 土の列車は、それはそれは悲しい……呪いの列車だった!


 【マイナス十度】


「寒いぃ~!気のせいか、さっきより寒くなってないか?」


 ユキノが、両手で体をさする。


 バラキエルは身動き一つしないでユキノを見る。


「この列車は人が乗ると三十分ごとに十度温度が下がるぞ。ワタシはすでに首が凍って動かない。だが、すでに借金まみれで首が回らないけどな」


 上手いこと言ったが笑えない!!


「寒さで……眠くなってしまいましたわ」


 サーフォンは寒さからの眠気でフラフラしている。


「サーフォンがんばって!寝たら死んでしまうわ!」


 レキがサーフォンをゆする!


 すでに遭難状態だ!


「は……い……ぐぅ」


 サーフォンは返事の途中で寝た!


「やばい!寝たら……死ぬぞ!暖めるもの……暖めるもの……そうだ!マーサ!バナンポでサーフォンを暖めて!」


「わ、わかった!」


 ユキノの提案でマーサはズボンを脱いでバナンポを出すと、必死でサーフォンの頬に擦り付ける!


 スリスリ……スリスリ……。


「……え~い!パクっ!」


 サーフォンは無意識にバナンポを咥えた!


 レキは「今、「え~い!」って言わなかった?」とサーフォンを覗き込む。


 サーフォンの顔色がみるみるよくなった!


「あぁ……バナンポに熱が集まると頭が冷えて眠くなる……ぐぅ」


 今度はマーサがバナンポを大きくしたまま寝た!


「マーサ!寝たら死ぬわよ――!」


 レキがマーサの頭を揺らすが、マーサは起きない!


「そうか!みんな!マーサにキスとバナンポを交互にするんだ!」


 ユキノの作戦はこうだ!マーサにキスをすれば頭に血が上る。バナンポを刺激すれば血が下がる。それを交互にすることでマーサそのものを『熱移動によるヒートポンプ』にしてしまおう!という、とんてもない作戦なのだ!


「バナンポ下からを舐める時にタマタマから舐めたほうが、バナンポが大きくなるでっす!」


 トモミンはたぶんよくわかっていない!


「わ、わかったわ……マーサ!起きて!……好き」


 ちゅ!


 レキはマーサにキスをした。


「はっ!カァ――!!レキ――!」


 頭に血が上りレキに襲いかかる!


「ちょ、ちょっとマーサ!寒いから脱がさないでして――!」


「……するのはいいんだ」


 冷静な剣聖イクのツッコミ!


「今だ!パクっ!」


 今度はユキノかバナンポを咥える!


「あう!!……バナンポ気持ちいい~。あれ?レキ、なんで脱いでるの?」


「これは、あんたが――!?」


 血流がバナンポへ向かい、急に冷静になるマーサ!


「次は私が……マーサ殿……す、好きです『ちゅ』」


「イク!はぁ――!舌を……そんなに!?」


 マーサの顔がどんどん赤身を帯びる!


「私の番でっす!トモミ~ントルネード!ズモモモモ――!!」


「あぁ!バナンポが洗車されてるみたい!!」

 ※マーサの独特な表現力です。


「マーサ様……唇を……好……き『ちゅ』」


「あっ……サーフォンの優しいキス!?か、体が……熱い……フォォ――!!」


 マーサの血流が体内を駆け巡り、全身がキャンプファイアーのように燃え上がる!!


「ああ!お前ら見ていたら体が熱い――!!」


 バラキエルが古びたワンピースをパタパタすると、ワンピースの裏には大量のカイロか貼ってあった!不正行為だ!!


 ……だが、みんなマーサに夢中でバラキエルの不正に気づかなかった!


「よし!マーサの体がどんどん熱くなってるぞ!パクっ!」


 まるで餅つきのように交代交代マーサにキスとバナンポをするロイヤルフィアンセーズ!そのスピードはさらに上り、マーサの体がどんどん熱くなる!


「んぁ!よし!バナンポOK!」


 ……ああ、ユキノ激しいって!

 

「ご主人様~!ちゅ!」


 ……トモミンの舌が入ってくるぅ~!


「しょうがないわね~。パクっ!」


 ……今度はレキ!?手と口が一体となって気持ちいぃ~!


「マーサ殿、好き――!ちゅ~!」


 ……イク!舌が絡み付く!


「マーサ様、いただきます。パクっ!」


 ……サーフォン!全体をもれなく舐められるぅ~!


 真っ赤に燃え上がるマーサの体全体に『紋章』が浮かび上がる!


「――!?あの『紋章』の形は……『ポセイドン』!?なぜ、亡くなったワシの兄様の紋章があやつに……」


 列車の外から覗く絶対神ゼウスが驚愕する!


「フォォ――!!フォォ――!!」


 マーサから青白い炎が火柱となって吹きあがる!


「すごい!列車の中が……暖かい!」


 ユキノが着ていた服を脱ぎ捨てる!


「まさか……年中、極寒のこの列車が暖まるほどの熱とは……お前達の勝ちよ」


 バラキエルは巻き起こる熱風に目も開けられない!たが、火柱の中心でとんでもないことが行われていた!


「今なら、なんでも出来る気がする――!!」


 マーサのバナンポが青白い炎をまとって肥大する!


「はぁ――ん!!お腹の中が……熱くてキツい――!?マーサ!ムリ――!」

 

 レキのお腹に青白い炎が浮かぶ!


 青白い炎を纏ったバナンポは次々とロイヤルフィアンセーズに襲いかかる!


「あぁ――!熱い!ダメ――!!」


 イクはマーサに突かれながら自ら服を脱ぎ捨てる!露になったお腹には青白い炎の紋章が浮かび上がる!


 ユキノ、トモミン、サーフォンのお腹にも次々に青白い炎の紋章が刻まれた!


「え!こんなの知らない!熱い――!!太い――!!」


「ご主人様――!!トモミン、壊れちゃいます――!!んにぁ――!!」


「マーサ様!!これ以上は……ダメ――!!」


 ロイヤルフィアンセーズは全員一緒に果てた!


 ドゥビドゥワドッパ――ン!!


『限界突破ぁあぁぁぁ――ん!!』


「あ、あれは!我が兄『ポセイドン』の失われた秘術『生涯服従』!?」


 窓の外では絶対神ゼウスが「マジか……」と呟く。それを聞いた女神ムーアが驚きの声を上げる。


「何っ!あの伝説の『一生、主に逆らえない』という永続究極魔法か!」


 『文芸の女神』ムーアはあらゆる文献・伝承・伝記を記憶している。


「彼女達のお腹の下のあたりに『M』の紋章が刻まれたわ!間違いないわ!」


 女神ノートも五右衛門風呂から出て列車の中を確認する。


「……だだ、○ックスしてるだけじゃないの?」


 五右衛門風呂から足を出しながらくつろぐ女神フレイヤだったが、列車をチラッと見て、こう言った……。


「あ!列車に火が……」


 全属性魔法無効効果が発動している土の列車だったが、マーサの熱い炎(?)には勝てなかったようだ。


「ふぇ?か、火事だ――!!みんな、逃げろ――!!」


 その後、マーサから発生した火柱は列車全体に燃え広がり、燃え上がる列車から全員、命からがら逃げ出した。


「……もともと経営が火の車だったのに、本当の『火の車』になって燃えちゃった。ハハッ!」


 全焼した列車を眺めなから立ち尽くす大天使バラキエル。笑い声が痛々しい。


「すいませんでした!」


 深々と謝るマーサ。転生前のスキルで腰を90度に曲げる謝罪は見事の一言。


『私達も……すいませんでした!』


 ロイヤルフィアンセーズの五人も深々と頭を下げた。


「よいよい。元々、廃列車じゃ。新しく南国の列車を作ってやるわい」


「ゼウス様!本当!?やっほぉ~い!」


 今日一番の笑顔を見せる大天使バラキエル。


 今度は暖かい列車になりそうだ!


「それよりマーサ、お主の力……見せてもらった。約束通り、女神ノートの赤ん坊の力を封印する指輪をお主に託す。まぁ、試すような事をしてすまなかったな。久しぶりに教え子に会えて、ワシも童心に返ったようで楽しかったわい」


 絶対神ゼウスは『コンドムの指輪』をマーサに手渡す。


「そんな約束だったっけ?」


 指輪を受け取りながら頭にハテナを浮かべるマーサ。


「その為に天界まで来たんでしょ。これで、地上は新しい魔王の出現を抑えられるわね。ゼウス先生、ありがとうございます」


 バスタオル姿の女神フレイヤはマーサから指輪を奪い取ると、絶対神ゼウスに一礼をしてから指輪を女神ノートに渡す。


「ありがとう。これで私の坊やも安心して暮らせるわ。ゼウス先生を見習って平和に暮らせるよう努めます」


 女神ノートは絶対神ゼウスに一礼する。


「用事も済んだし、地上に帰るか!」


 女神ムーアは激闘を目の当たりにして、早く帰って小説を書きたそうだ。


 長い戦いが終わった――。


「しかし、あの紋章はいったい……」


 マーサの紋章の謎――。


「まだお腹の中が熱いわね……」


 拳聖レキがお腹をさする。


 ロイヤルフィアンセーズに刻まれた『M』の刻印――。


「帰ったらメイドの仕事溜まってるかにゃ~」


 聖女トモミンが伸びをする。


 それぞれの日常が訪れる――はずだった――。


「これで世界が平和になりますね!マーサ様は救世主です!」


 マーサの前を歩いていたサーフォンが振り向き様にマーサを称える。


「救世主かぁ~。俺は助けるより、助けられるほうがいいなぁ~」


 救世主を救う者は――いない。


マーサ「――そして新たな物語が幕を開ける!」


 ナレーションの見せ場をとらないで……。


「疲れた!とっとと帰って寝るか!」


 ユキノを先頭に下界への扉を進む。


 数々の謎を残しつつ、束の間の休息を楽しむ余裕もなく、マーサとロイヤルフィアンセーズは次なる戦いへと身を投じることとなる――。


 負けるなマーサ!


 負けるなロイヤルフィアンセーズ!


 そこに、エロがある限り!


 【天界 ゼウスの部屋】


 女神の寿命は実は長くない。


 平均で300年、天使に至っては人間とさほど変わらない100年ぐらい――。


「さて、フレイヤ……願いをひとつだけ叶えてやるぞい。まぁ、願い事はだいたいわかるがの。彼女達の強すぎる力の封印じゃろ?じゃが、ワシの力でどうにかなるかのぉ~」


 絶対神ゼウスは誰にも干渉されない空間に女神フレイヤを招き入れていた。


「ええ、私は自身のスキル『転生』で、何度もこの世界をやり直し、何度も滅亡を経験しました。彼女達は悪くない。悪いのはスキル『勇者』とスキル『聖シリーズ』の力が強すぎるから。B型の彼女達だけではどうしても歪みが出来てしまい、力の暴走を抑えられない。でも、今回は……!!」


 そこまで話し、うつむくフレイヤ。


「マーサか。彼のおかげで彼女達もだいぶ和らいだな。わかった。マーサの精魂液をレベルアップさせて、より彼女達に馴染むようにしておこう。あとは、うまくエッチしてくれればよいが……」


「それは大丈夫でしょ。バカだから」


 即答する女神フレイヤ。


「やれやれ、まさか本当にエッチして世界を救う馬鹿者があらわれるとはの。エロ小説じゃあるまいし……」


「いいんじゃないですか?私、今の世界、好きですよ」


 女神フレイヤは絶対神ゼウスに笑顔を見せてから、ゼウスの部屋を出ていった。


「確かに、フレイヤのあんな笑顔は、しばらく見たことがなかったのぉ~」


 唯一悠久の時を生きる絶対神ゼウスは「『終焉』まであと半年か……」と意味深なフレーズを言いながら女神フレイヤから貰った配信モニターとやらのスイッチを入れた。


『あん!バカマーサ!こんなとこで入れないで!』


 モニターの中で下界へと続くドアからお尻だけ出した拳聖レキがマーサに後ろから入れられていた!


『天界と地上の間でドォ――ン!!』


 一生懸命、腰を振るマーサ!


 マーサの異次元の変態度は天界と地上をも凌駕する!!


『ああ!天界での最後の一撃!!出る――!!』


 ドビャァ――ン!!


『はぁ――ん!!マーサのバカ――!!』


「もうエッチしちょる――!!!!」


 誰にも干渉されない通称『ゼウスの部屋』に絶対神ゼウスの叫び声がこだました……。


 いつの間にか世界の命運を握っていたマーサ!


 少しずつ明らかになる真実!


 明かされる女神フレイヤの苦悩とマーサ転生の理由。


 半年後の『終焉』とは――!!?

 


 ♀♀♀♀♀♂異世界ハーレム生配信「転生したけどURスキル『AV男優』ってなに?」


 第四部『ロイヤルフィアンセーズ+三大女神VS絶対神ゼウスと七大天使』


        【ここに、完結!】


 次回、新章『戦場の中で咲く華嫁はなよめと双子の王子』乞う、ご期待!!

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