……ああ……私の中が……あなたの形に変わる幸せ……。『縁日の過ち』
「ところで今、何勝何敗?」
「さぁ?」
マーサと女神フレイヤは『金の列車』の中の縁日で買った『わたあめ』を食べながら首をかしげた。
女神ムーアとノートは金魚すくいをしながら談笑している。
「まさか『金の列車』の中が『お祭り』だとは……絶対に金ピカになっていると思ったよ……えぃ!取れた!」
「ほんとにね。でも、遊園地の遊具だし、子供が「お金」使う場所だからじゃない?……てぃ!きゃ!金魚が胸に谷間に入っちゃった!」
浴衣姿に着替えた女神達が色っぽく金魚すくいを楽しむ。金魚すくいの金額は一回、三百ノーエッチだ!
ミニスカ浴衣にお面にわたあめ、大天使ラファエルが現れた。
「その通り!私の『金の列車』は『子供がはじめてお金を使える場所』すなわち、『はじめてのお使い列車』だ!!」
「……なんか、いい列車ね。えい!」
輪投げを楽しむ浴衣姿のレキ。
「で、勝負はどうするのだ?」
焼きとうもろこしを両手に二本、二刀流食いをしているユキノが聞く。
「別に何もしなくていいわよ。私の負けでいいわ」
わたあめを食べるのに苦戦し、口のまわりをベタベタにしながらラファエルは言った。
「……なっ!なんだと!不戦勝は許さないぞ!」
勇者ユキノは勝負は必ず真剣勝負でないと許させない!
「なんでよ。たぶん、あんた達、出しまくっているから、ここで勝たないと最後の『土の列車』行けないでしょ。私は空気が読める大天使なの。それに、私、彼氏いるし」
大天使ラファエルは英雄神ヘラクレスと付き合っていた!
「彼氏いるのに俺が出すのはまずいね!よし、ここは縁日を楽しんで次にいこう!」
マーサにNTR(寝取り)属性はない!
「そうですね。マーサ様のバナンポを知ってしまったら戻れなくなってしまいますしね」
マーサしか知らないサーフォンだが、マーサへの愛は、時にまわりを巻き込んで大事件を巻き起こす!
「……はぁ?ヘラクレスのがすごいわよ。比べないでくれる?」
ラファエルは分かりやすくムッとなり、言い返す。
チョコバナンポのチョコだけ舐めてから、最後にバナンポ(本物の果実)を食べるのがマイブームのトモミンが話に割って入る。
「ご主人様のバナンポは、入ってるのに包み込まれてる感じで……とにかく、すごいでっす」
わかるような!わからないような!
「なによそれ!意味わからないし!」
焼きとうもろこしを平らげたユキノも討論に参加する。
「確かに、入れられた者にしかわからない不思議な感覚だよな……中からマーサを感じる感じ?」
輪投げで取った景品『スライムローション(お風呂用)』を片手にレキも頷く。
「そうね。私は何も考えられなくなるのに、しっかり私のこと考えてくれてる感じ?意地悪だけど優しいのよ、あいつ」
どこで取ったか『たわわっ娘たゆんたゆんちゃんフィギア』を片手にイクも参戦。
「激しいのに心は穏やか。注がれる激流は清流のように心地よい。私の目指す剣の道の到達点を教えてくれているようです」
「あの……みんな、何を言ってるの?」
張本人のマーサが一番混乱している!
大天使ラファエルとロイヤルフィアンセーズの間に火花が飛び散る!
「なんなのよそれ!バッカじゃないの!?ヘラクレスの方がずっと逞しいし男前だし、お前達の豆鉄砲と比べるな――!!」
「ポッポー」
豆鉄砲と言われ、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして鳩のモノマネをするマーサ!心の広さは大海原に匹敵する!
勇者ユキノが一歩前へ出る「……はぁ?」
拳聖レキが拳を握る「……誰が」
剣聖イクが聖剣ゼックスカリパに手を掛ける「豆鉄砲……」
鉄仮面サーフォンの前方に鋼鉄の鉄仮面の盾が現れる「だって――!?」
ロイヤルフィアンセーズに火が付いた!
「豆鉄砲って、なんですか?」
トモミンだけ、よくわかっていなかった!
「みんな……いくよ」
勇者の合図でレキ、イク、サーフォンが無言で頷く。
ガバッ――!!
みんなで大天使ラファエルを担ぎ上げる!
「――!?なっ!お前達!何をする!?」
ロイヤルフィアンセーズに急に担がれて慌てて抵抗する!しかし、抵抗むなしく、そのまま縁日の奥にある休憩所に突入していく!
「トモミン!マーサを連れてきて!」
ユキノはラファエルを担ぎながらトモミンに言う。
「わかりました!ご主人様、行きましょう!」
「お、おう?……どうなっているんだ?」
トモミンに手を引かれ、訳が分からないといった状況のマーサ。
【休憩所】
「……これは、いったい」
マーサがトモミンに連れられ休憩所に入ると、布団の上で裸にされたラファエルが両手、両足を縛られ、もがいていた……。
「お前達!!あとでどうなるか覚えてなさい!!」
激しく抵抗する大天使ラファエル。
「トモミン、準備を」
「は、はい!」
何かを感じとりマーサのズボンを脱ぎ、急いで咥える。
……パクッ!
「んぅ~!んぐぅ~!ぢゅぷぷ……」
「はぅ!……いきなりでも気持ちいい!」
「あんたは黙って大きくしなさい」
なぜかレキに怒られるマーサ。
「失礼!」
「うわっ!何も見えん!」
剣聖イクには大天使ラファエルに目隠しをさせ、上半身を起こす。
「準備完了でっす!」
トモミンの口から黄金に輝きを放つ逞しいバナンポが姿を現す!
「なんの準備が――」
目隠しをされた大天使ラファエルがジタバタする!
「これが、あなたの言う……豆鉄砲よ!!」
サーフォンはラファエルの目隠しを勢いよく剥ぎ取る!
ドォ――――ン!!
目の前に彼氏ヘラクレスの数倍!いや数十倍に膨れ上がったマーサの光輝くバナンポが、その存在感を示していた!
「へ?……うそ」
信じられないといった様子のラファエル。
【豆知識】痩せてる男の子の方がバナンポが大きいという噂を聞いたことがあるぞ!
「あの……普通に恥ずかしいのですが」
いきなり初対面の人に、そそりたつバナンポを見せるマーサ!だが、恥ずかしさでいつもり気のせいか大きいぞ?
「どうだ?マーサの豆鉄砲は?」
勇者ユキノはマーサのバナンポを握り、ラファエルの頬にペシペシする。
「くっ……!確かに豆鉄砲ではなく、まるで大砲ね……。でも、こんなの入らないわよ!デカイだけで使えなかったら意味ないわよ!」
ラファエルはマーサのバナンポに赤面しながらも、負け惜しみを言い放つ!
「……そうだな」
そう言うと、ユキノは手早くラファエルを四つん這いにさせる。
「え?え?ちょっと!まじで?止めて!」
ラファエルの頬を冷や汗が伝う。
「ささっ!マーサ殿!ブスッと……」
イクがマーサの後ろへまわりマーサにピッタリくっついて、マーサを押す。
「はぁん!ちょっと入ってる――!」
ラファエル、ピンチ!!
「ちょ!ダメだって!無理やりはよくないよ!」
抵抗するマーサ。こんなときだけ常識人だ!
「いいから!早くしなさい!」
前からマーサの両手を掴み、引っ張る!
マーサの全体重がバナンポに集まり、大天使ラファエルへ侵攻する!
ズン!!
「ムリムリムリ――!!うぎゃぁ――――!!」
ラファエルの中にマーサのバナンポがすっぽりハマる!
「嫌っ!!だめっ!!裂けちゃ……あ、あれ?痛くない――!?」
ラファエルは未知の感覚に戸惑う!
「そうでしょ!マーサ様は、すごいんだから!」
なぜか勝ち誇った顔のサーフォン。
「ほらほら!まだまだこれからですよ!」
マーサにピッタリくっついて腰を動かすイク!
「あん!そんな!中でさらに膨らむ!?んぁ!嫌なのに!嫌じゃない!あん!激しいのに!ん!あ、優しい……!?入れられてるのに!んっ!ぽかぽかする!全てを包み込む暖かさ……これが……『愛』!?」
……だめ……私にはヘラクレスが!
大天使ラファエルから一筋の嬉し涙が流れる。
……ああ……私の中が……あなたの形に変わる幸せ……。
恍惚の表情を浮かべる大天使ラファエル!
「ああ!出そう!!」
「だ、だめ!今、出されたら……戻れなくなる――!!」
……中に出されたら……落ちちゃう!!
「それはまずい!てぃ!」
イクがマーサをラファエルから引き離し、すかさずバナンポに手を添える!
「よし、みんな!ご褒美を貰うぞ!」
ユキノの合図で四つん這いの大天使ラファエルの背中にロイヤルフィアンセーズ全員が顔を乗せ、口を開ける!
「出るぅ――!!」
しゃわぁ~ん!!
『はぁぁ~ん!!気持ちいぃ~!!』
マーサのバナンポジュースはまるでシャワーのようにロイヤルフィアンセーズに降り注いだ。
「背中が――熱……い――」
大天使ラファエルは、そのまま気を失った。
【金の列車 縁日場】
「おぉ~い!ラファエル~」
列車に大柄の男が乗り込んできた。
「あ……ヘラクレス!」
浴衣姿でたこ焼きを食べていたラファエルが振り向く。
「なんでも、人間の勇者達と戦うとか聞いたが大丈夫だったのか!?」
慌てた様子なヘラクレス。
「だいじょ~ぶよ。あの子達、すごくいい子なんだから」
勇者一向に顔を向け、笑顔を見せる。
「あ!ラファエルの彼氏さんですか?さすが、かっこいいですね!」
気づいたユキノが近づく。
「でしょ。ヘラクレスは天界一の男前なのよ!」
「おいおい、ラファエル。今日はご機嫌だな」
照れながら頭をかく。
「ヘラクレスさん!拳聖レキです!すごい腕が太いですね!私と腕相撲しませんか?」
レキはヘラクレスの強靭な肉体に興味津々だ!
「拳聖か!よし!勝負しよう!」
ヘラクレスもすっかりいい気分になり、腕を回しながら用意された樽の上に肘をつく。
「負けませんよ~」
レキも肘を付き、ヘラクレスの手を握る。
「では、レディ……ゴ――!」
イクの合図で試合が始まった!
「負けるなヘラクレス――!!」
ラファエルは精一杯応援する!
「ご主人様、がんばれ――!!」
トモミンも飛び跳ねながらマーサを応援する。
「レキ様、いけ――!!」
サーフォンも大興奮の名勝負だ!
「やるな剣聖!これならどうだ!」
「んぐぅ!!まだまだ――!!」
縁日は、この日一番の盛り上りを見せたのだった……。
「ん?なんだ?なんだ?」
縁日の焼きそばを口一杯に頬張りながらマーサも駆け寄り、ラファエルの一歩前に躍り出る。
「レキ――!!がんばれ――!!」
ラファエルの視線が自然にマーサに向けられた。
「……マーサ……ありがとう」
ラファエルは手でおなかの辺りをさすりながら誰にも聞こえない声で呟いた……。
<つづく……>
「なんか平和的解決したっぽいけど、ゼウス先生、あれ大丈夫なの?」
女神フレイヤは両手に山ほど金魚を持ちながらラファエルを顎で差す。
ラファエルはヘラクレスと腕を組みながらマーサにチラチラと熱い視線を送っていた……。
「ワシは何も見ておらぬぞ。ほっほっほ」
ゼウスは見て見ないふりをした!
ま、大人になれば色々あるよね!
※この物語はフィクションであり、異世界にはタレコミも文春の突撃もありません。
<ほらっ!つづくよ!!>




