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「@§‡¶‰∞Å――!!!!」『ボクっ娘ウリエルと闇のキャンプ』

「やっとボクの番か……」


 眠そうに欠伸をしながら『木の列車』から降りてきた大天使ウリエルは、ショートカットに上は体操服、下は緑のジャージを着たボクっだ!


「次は誰が行く!?」


 マーサが彼女達を見渡す。


「わ、私もそろそろ~」


 剣聖イクが控えめに手を上げる!


「私でもいいぞ!」


 ユキノのしっぽがすごい勢いでフリフリしている!


「全員、乗っても大丈夫だよ。どうせ勝つのはボクなんだし」


 ジャージの下のおっぷにを揺らしながらボクっ娘ウリエルが挑発する!間違いない!ノーブラだ!


「では、お言葉に甘えて!みなさん!行きましょう!」


 優等生サーフォンを筆頭に全員、『木の列車』に乗り込んだ!


「ボクの列車の集客率は全列車の中でもナンバー1なんだ。負けるはずがないよ」


 自信満々の表情で一番最後に列車に乗り込む。


 果たして、どんな罠が待ち受けているのか!


 がんばれマーサ!負けるなマーサ!


 出し過ぎるなマーサ!!


 【列車の中】


「もう焼けたかな!?」


 マーサが焚き火で焼いている肉を箸でつつく。


「まだ半生よ!待ちなさい!」


 レキがマーサの箸を持つ手を叩く。


「こちらは出来ました!サカナトイッタラマグロ共和国名物『シーフードカレー』ですわ!」


「うまそう!サーフォン殿は料理上手ですな!」


 イクはサーフォンの作ったカレーを取り分ける。


「ファイアー!!」


「ユキノ様!焚き火はもう十分でっす!これではキャンプファイアーでっす!」


 燃え上がる炎にトモミンがあたふたしていた。


 満点の星空の中、ユキノお手製の燃えたぎる焚き火を囲み、彼女達はキャンプ飯作りを楽しんでいた。


 そう、『木の列車』の中は広大なキャンプ場が広がっていた!


「しかし、相変わらず列車の中は異空間ね……」


 レキが列車の中の星空を見上げる。


「キャンプ楽しいでっす!」


 トモミンは焚き火で焼いた『焼きバナンポ』を美味しそうに頬張る!


「楽しんでいるようだね!」


 暗闇の中から大天使ウリエルが現れた。


「もぐもぐ……普通に楽しんでいるけど、大丈夫なのか?勝負はしないのか?」


 ユキノが漫画のような大きな肉を頬張りながらウリエルに尋ねる。


「もちろんするさ!アレでね!」


 大天使ウリエルが指差した方向を見ると、ランプが灯り、テントが現れた。


「テント……ですね」


「テント……だね」


 サーフォンとレキは「だからなんだ」と言わんばかりにテントを眺める。


「誰でもいい。マーサとテントに入り、マーサが10分間出さなければ勝ちでいいよ」


『――――!!!!?』


 全員が驚きの表情を見せ、一斉にマーサを見る!


「なにみんな、『無理だ――!!』みたいな顔で俺を見るの……。あんなランプが中で照らしてて、影で丸見えなんだから、大丈夫だよ……」


 信用はゼロだ!(みなさんも日頃の行いには充分注意しましょう!)


「では、試しに私が……」


 鋼鉄の少女、鉄仮面サーフォンがマーサと一緒にテントに入った!テントの様子は中のランプのお陰でハッキリ見えるぞ!


「サーフォンのスキル鉄仮面は、すべての攻撃を無効化するレアスキルだから大丈夫だろ!」


 ユキノの解説だったが、イクがすぐさまテントの異変に気づく!


「あ、マーサ殿がサーフォン殿に覆い被さった!」


 ものの一分で雰囲気に飲まれるマーサ。


 シルエットがテントにハッキリ浮かび上がる!


「あ!サーフォンの鉄仮面がこじ開けられた!」


「足も開きましたでっす!」


 レキ、トモミンも、くっきり見えるテントの影を解説し始めた。


 ユキノは「あん!あん!あ――ん!!私の開かずの扉はマーサ様だけフリーパスですぅ――!!」と影を見ながらアフレコする!


「……うふふ……ふふ」


 レキは笑ってはダメだと思いながらもお腹の底から笑いが込み上げてきた!


 【テントの中】


「あん!あん!あ――ん!!そこは立ち入り禁止ですぅ――!!」


 大差なかった!!


 ドゥピュドゥピュ――!!


 散々、喘いで、滞在時間五分で失敗!


「……すいません」


 サーフォンがみんなの前で深々と頭を下げる。


「いや!テントすごいよ!密着感というか!解放感というか!」


 マーサの言い訳にレキは「あんたは黙ってなさい!」と一括する。


「しかし、困ったな。今度はトモミンと私の二人で行ってみるか」


「はいでっす!」


 今度はユキノとトモミンのチャレンジ!


「あ!テントに入る前にマーサのバナンポをトモミンが咥えた!」


 心配そうに見守るレキが情けない声で「あへ~」と言っているマーサに落胆する。


「ユキノ様がおっぷにをマーサ殿の顔にはさみました!テントに入る前に一回出す作戦ですね!」


 イクはユキノの右腕らしく、すぐに作戦を理解する。


「あ、トモミンがゴックンしたわ!いよいよね……」


 テントに入る否や、ユキノとトモミンの服がテントの外に放り出され、二人とも四つん這いの格好で突かれる様子がハッキリ見えた!


 【テントの中】


「あん!深い!マーサ――!!ダメ――!!大好き――!!」

 

 ドップッ!ドップッ!


「んあ――!!ご主人様ぁ――!!やぁ――ん!!激しっ!中にくるぅ――!!」


 ビュル!ビュルル――!!


 二人に一回ずつ出して、タイムは四分。失敗。


「……ダメだった」


 ユキノは頭をポリポリかいて反省する。


「ご主人様、いつもより激しかったでっす」


「キャンプ!恐るべし!」


「あんたは黙ってなさい!」

  

 レキがマーサの頭を小突く。


「では、レキ殿、一緒に行きますか……」


「そうね、もう四回出してるし……大丈夫かな?」


「ちょっと休憩させて~」


 イクとレキはマーサの手を引き、マーサは引きずられるようにテントに消えていく。


「あ!三人で仲良く座った!大丈夫そうです!」


 サーフォンが希望の光を見つける!


「いや!ご主人様が立ち上がり、レキ様のお口にバナンポを入れました!」


 トモミンが興奮して立ち上がる!


「イクはマーサのお尻を舐めはじめたな……」


 ユキノは両手を頭の後ろに組み「やっぱりな」とテントの影を見つめる。


「あ!ご主人様、五回目の発射!そのあと、四つん這いにされたイク様の上にレキ様が乗せられました!」


 サーフォンが解説をすると、テントからイクとレキの顔だけ出される!


「テントから顔だけ縦に並んでるな……」


 ユキノは「がんばれ~」とテントに向かって手を振る。


 二人とも「見ないで~」って顔をしている!


「ご主人様から魔力が溢れ出てます!高速にバナンポを出し入れする大技!『一房のバナンポ』でっす!」


「ごめんなさい!ごめんなさい!はぁ――ん!!!!」

 

 レキの喘ぎ声がユキノ達まで聞こえてきた。


「いや!ダメ!気持ちいい!気持ちいい――――!!」


 イクの喘ぎ声もレキの喘ぎ声と交互に聞こえてくる。


 イク&レキペアの採点!六分!失格!!


「……ただいま」


「レキ、イク……乱れすぎ」


 ユキノがビシッ!と二人に注意する、


『……すいません』


 恥ずかしさで顔を真っ赤にする二人。


「あ、忘れ物……」


 レキがテントに戻って上半身をテントに入れる。


「テントからお尻が出てる――!!?」


 テントの中に忘れ物をしたレキがゴソゴソしている姿に七回出したマーサがすぐに興奮して走り出す!


「入れないでか――!!」


 マーサはお尻をガッチリ掴むと、バナンポを思いっきり押し込んだ!


「はぁ――――ん!!!!マーサ、こら――!!んぁ――!!だめ――!!」


「レキ――!!」


「マーサ――!!」


 テント……恐るべし!!


「よし!ダメだな!あきらめよう!」


 まさかの勇者ユキノのギブアップ!


「やっぱり勝ったね。ボクの列車は人気があるのさ!」


 勝ち誇った顔の大天使ウリエル!


「……トモミンさん」


 サーフォンの目配せにトモミンが頷く。


「……うん。今だ!えい!!」


 サーフォンとトモミンは掛け声と共に大天使ウリエルをテントの中に押し入れた!!


「イタタ……もう、大天使のボクに何をするのさ……!!??」


 テントの中の大天使ウリエルに大きな影が迫る!!


「ボクっ娘……大好物……」


 大きな影は希望を奪う闇へとその存在を変える!


「よし、みんな、列車を降りよう!」


 ユキノの合図で彼女達は状況を察知し避難を開始した。


『了解!!』


 ウリエルに近づく闇は一瞬でウリエルの光を覆い尽くす!


「@§‡¶‰∞Å――!!!!」


 大天使ウリエルの声にならない声がテントから聞こえた!


 獣のような……魔物のような……雄叫びにも似た声に彼女達は耳を塞ぎながら列車を降りた……。


「まさか、ウリエルを負かすとは……」


 列車の外で絶対神ゼウスが驚きを隠せない表情で待っていた。


「やったわね!あなたたち!これでイーブンよ!」


 女神フレイヤがロイヤルフィアンセーズに賛辞を送る。


「尊い犠牲が出たが……私たちは前に進む!!」


 力強い眼差しで次の『金の列車』を見つめる勇者ユキノ。


 明日への未来を信じ、ただひたすら、前に進む!!


 行け!ロイヤルフィアンセーズ!


 戦え!ロイヤルフィアンセーズ!


 決して、後ろを振り返ることなく――!!


 <つづく!>


「ただいま――!!!!」


 遅れてスッキリした顔のマーサが列車から降りてきた。


「……おかえり」


 レキは何も聞かずにただ「おかえり」と返した……。


 聞かないほうが……いいことも、ある。


 ……あえて大天使ウリエルの敗因を述べるなら『ノーブラ体操服おっぷに』だったのかも知れない。


 今となっては、もう、どうでもいいのだが……。


「うぁ……腰が……マーサ……また、会えるかな……」


 ひょっこりと木の列車から顔を出したウリエルはマーサの後ろ姿を見えなくなるまで目で追っていた――。


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