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「W字開脚からの逆V字倒立!」『魂を燃やせ!アスレチック対決!』

「――っ!!その格好は!?」


 大天使サラフィエルは対戦相手の聖女トモミンの姿を二度見して、驚きの声を上げる!


 『火』の列車前でちっぱいを揺らしながら堂々と歩いているトモミンは……裸であった。


「ふっふっふ!これが私の大作戦!ご主人様はチラッと見える下着や無理やり脱がすことが大好きなので、最初から全裸だと逆に興奮しないのでっす!」


「さすがマーサ専属メイド長!考えたな!」


 勇者ユキノがトモミンに向けて親指を立て「ナイス!」の合図を送る。


「いや……ドキドキするけど」


 マーサのむき出しのバナンポが徐々にそそりたつ!


「な!!……なんであんたも裸なのよ!!」


 裸のマーサに頬を赤らめながら拳聖レキが叫ぶ!


「え!?トモミンが脱いでるのに俺が服を着てどうするの!!トモミンだけ恥ずかしい思いはさせないぜ!」


 サーフォンは「さすがマーサ様!お優しい!」とマーサをウットリと眺める。


 イクも「立派な騎士道ですね!」と感心した!


 レキは「そ……そうなの?」と自分が間違っているのだろうか?と途方にくれた……。


「早く列車に乗れ!オレの列車はアスレチックになってる!魂を燃やして三つのアトラクションをクリアできればマーサとやらがいくら出してもお前達の勝ちでいいいぞ!」


 ボーイッシュな赤いショートカットの大天使サラフィエルは短いキュロットスカートを揺らしながら先に列車に乗り込む。


「やった!出し放題!」


「なに我慢するの諦めてるのよ!!」


 喜ぶマーサにレキが叱る!


「食べ放題と勘違いしてない?」


 女神フレイヤはすでに諦めていた!


 心配する仲間の顔を背に、まずトモミンが列車への階段を上る。


「やん!ご主人様!お尻に顔を埋めないで~」


 続いて乗り込こもうと階段を上がるマーサがトモミンのお尻に顔を突っ込む!


「んが……むがむが(……ごめん)」


 ユキノは「うん、これはダメだな」と頷く。


 イクも「そうですね……次、がんばりましょう」と早くも次の列車の下見に行く。


 ひとりマーサを信じ続けるサーフォンは「みんな、すでに諦めてる――!!」と大声を上げた。


「一つ目のアスレチックは熱々ローションが入ったボウルを頭に乗せて、細い道を通ってもらうぞ!」


 ボウルを頭に乗せた大天使サラフィエルは器用に細い道を歩いてみせる!


「すごい!なんてバランス感覚なの!?落ちたら大変なのに臆することなく進むなんて!?」


 レキはサラフィエルの運動神経に脅威を覚えた。


 ジグザグに曲がった道の両側は熱いローション風呂になっているようだ!


「い、いきまぁ~す!!」


 頭にボウルを乗せた裸のトモミンがスタート地点に立つ!――と同時にひっくり返り熱々ローションを全身に浴びた!


 バシャァ――ン!!


「はぁ――ん!!あちゃちゃ!ネバネバぁですぅ――!!」


 四つん這いの格好でローションまみれになったトモミンの後ろ姿はまるでローマ字の『W』の文字に見えた!


「たまらん!W字開脚!!」


 訳のわからない言葉を発しながら、マーサはバナンポをトモミンの『W』目掛けて発進した!


 ズプゥン!!


「あぁ――!!いきなり奥ぅ――!!」


 トモミンは後ろから突かれた衝撃で足がピーンと伸びる!その姿はローマ字の『V』の逆!逆Vだ!


「W字開脚からの逆V字倒立!!高難度の大技!!」


「ユキノ様……何を言っているのです?」


 イクが興奮するユキノに問いかける。


 大天使サラフィエルも次々と技を繰り出す両選手から目が離せない!


 サラフィエルのアスリート魂に火がついた!


「なに――!!後ろから入れられたまま足で男の腰を掴み『O(オー)』の文字を作った!?w字開脚からの逆V字倒立からのO字大回転!!……こ、これは!?」


『H難度の大技だ――――!!』


 サラフィエルとユキノの声がハモる!!


「二人とも何を言ってるの――!?」


 困惑する剣聖イク!!


「フィニィッシュゥゥ――!!」


 マーサ選手が叫んだ!


 ドプッ!ドプッ!!


「にぁ――ん!!熱い情熱が注がれますぅぅ――!!」


「10点満点!!くっ!!……お前達の勝ちだ……」


 サラフィエルは膝をつき負けを認めるが、その顔は名演技を見れて満足感でいっぱいだった。


「さすが、マーサ!見事にまとめたな!」


 自然と拍手をする解説者のようなユキノにイクが戸惑う。


「すいませんユキノ様、さっきから何を言っているのか理解できません……」


 サラフィエルは次はお皿に乗った三つの梅干しを持ってきた!


「よ、よし!次の競技だ!次は『梅干しの種飛ばし競争』だ!口に含んだ梅干しの種を遠くへ飛ばした方の勝ちだ!」


 女神フレイヤ「……な、なんて下らない競技!!」と驚く。


「何事にも一生懸命……サラフィエルはそういう奴よ」


 絶対神ゼウスが、なんかいい感じにフォローする!


「じゃ、俺からやるか……ペッ!!」


 マーサが口に含んだ梅干しの種を飛ばした!記録は……3メートルだ!!


「ちょっと、あんた真面目にやりなさいよ!」


「いや、こんなもんだろ……」


 幼なじみレキの抗議に反論する。


「よし、オレの番だな!見ろ!」


 大天使サラフィエルは梅干しを口に咥えると、その場でクルクル回りはじめた!


「まずい!遠心力の力で相当な記録が出るぞ!」


 イクが高速で回転するサラフィエルに恐れをなす。


「サーフォン!ちょっと!」


 ユキノがサーフォンを呼び寄せ、何やら耳打ちをした!


「いくぞぉぉぉ~!!」


 サラフィエルが遠投の準備が完了した!


「サラフィエル!!見よ!鉄仮面にらめっこ!!」


 ユキノが大声を出し、サーフォンを指差す!


「な、なに!?」


 サラフィエルは高速に回りながらも、サーフォンを見る!


 その瞬間――サーフォンの顔を覆う鉄仮面が徐々に開き、サーフォンの変顔が現れた!


 あひょぉ~ん!!


「ぶふ――――!!」


 サラフィエルは、たまらず梅干しの種を吹き出した!


 記録……4メートル!!


 かろうじてマーサを上回る低スコアだ!!


「くっ!!卑怯な……ぷぷっ……ぷっ」


 サラフィエルは悔しがるが、思い出し笑いが止まらない!


「ゆ、ユキノ様~!!も――!!」


 ユキノに乗せられて、かなり恥ずかしい事をしてしまったサーフォンは、再び顔を鉄仮面で覆い、珍しく勇者ユキノをポカポカ叩いている。


「はっはっはっ!大成功!」


 ユキノはご満悦だ!


「最後はトモミンね!これは勝ったわね!!」


 レキが珍しく勝利を確信する!


 毎日、マーサのバナンポを咥えているトモミンは喉の強度、舌技、吸引力、肺活量とどれもSランクなのだ!


「がんばりまっす!」


 トモミンが梅干しを食べた!

 

 ……ごくり。


 全員が固唾を飲んで見守る……。


「にゃ――!!?ちゅぱい――!!……ペッ!」


 トモミンはそのまま梅干しを口から落とした!


 記録、0メートル!!


 トモミンは酸っぱいのが苦手だった!!


 ……か、かわいい――――!!!!


 それでも、全員、ほっこりした!!


「よ、よし!お、オレの勝ちだな!!これで一勝一敗!最後は『ブルブルローソクタワー』で決着だ!」


 ドドドド――!!

 

 大天使サラフィエルの足元から巨大なタワーが現れる!!


「ロウソクの形をしたタワーだと……」


 勇者ユキノは興味津々だ!


「はい、水」


「ちゅみません……ごちゅじんさま……」


 顔のパーツが中央に集まっているトモミンが舌を出しながら「ちゅぱい~」と言い、マーサから水を受けとる。


 最終競技『ブルブルローソクタワー』その名の通り振動する直径十メートルのローソクの形をしたタワーを登る競技(?)だ!


「ここまで登ってこれたらお前達の勝ちだ!」


 ブルブルローソクタワーの頂点で仁王立ちをする大天使サラフィエル!下からマーサが必死にキャロットスカートの隙間から見えるリボンのついたピンクと白の縞パンを覗いているぞ!


「えへへ……縞々」


「きゃ!」


 とっさにスカートを押さえ真っ赤になるサラフィエル!意外に乙女だぞ!


「お前!殺す!絶対、殺す――!」


 殺す殺す言う大天使。たぶん、一番言っちゃいけない言葉だ。


「と、トモミン、登ろう!」


 トモミンの後ろに隠れる情けないマーサ!


「では、行きまっす!」


 トモミンがブルブルローソクタワーにしがみつく!


 トモミンが頑張って登る!登る!登る!


 ブルブルローソクタワーは登れば登るほどタワーの振動が強くなるぞ!


 ブルル……。


「はぅ!振動が……あぅぅ……気持ちいいぃぃ~」


 ちっぱいや太ももが小刻みに揺れる!


 ……ピチャッ。


「ん?雨?」


 トモミンの真下にいるマーサの額に水滴が落ちる。


 ブルルブルルブルル!


「はぁぁぁ――!!上に行くほど振動が強まりますぅぅ――!!だ、ダメぇ――!!」


 ビジャビジャ――!!


「おぉ!本降りだ!」


 女性に一番言ってはいけない言葉を言うアホ丸出しのマーサ!


「ここで最後の仕掛け発動だ!」


 大天使サラフィエルはその場でクルクルと新体操の選手のように踊り出すとローソクタワーが揺れ、頂上に立てられたローソクからろうが垂れる!


 ポタポタポタ――!!


「にゃん!熱いにゃ!あっ!アチャアチャにゃ!!んぅ――!!」


「ふはは――!!このタワーの難易度は……SM難度だ!」


 SM難度とは、いったい!?


「あっ!!」


 トモミンがふいに手を離してしまい、タワーから転落してしまった!


「危ない!」


 ガシッ!!マーサは見事にトモミンを駅弁を売る売り子のような形でキャッチした!


 ずぷんっ!!


「んぁ――――――――!!!!」


 今までで一番深く入った!


 ビュルル~!


「あぁ……出ちゃった……」


 ロウソクにはアロマの香り付けがされていた。滴り落ちる溶けたろうを全身に浴びたトモミンは性的興奮を一気に高め、我慢などできようがなかったのだ!


「あぁ……深い……もうダメですぅ~」


 トモミンはマーサにしがみつきながらギブアップした。


「勝負には勝ったが、最後のは技はSM難度を超えるドSM難度だったな……100点満点だ」


 大天使サラフィエルが「試合には勝ったが勝負には負けたよ……」と合体しているマーサとトモミンに謎の拍手を送った……。


「負けたか……」


 トモミンを抱き抱えたまま、悔しそうに頭上の大天使サラフィエルを見つめるマーサ、その頂上はまだ遠く、今の自分達では辿り着くことができないと痛感する……。


 ……という真面目な表情で誤魔化しながらこっそりサラフィエルの縞々を覗くマーサであった!


「あん!ご主人様!また、中でおっきく――!?」


「あ……出る!!」


 ビュルル~!!


「にゃ~!!ご主人様……出し過ぎでっす~」


 足を両手で持たれたままマーサにしがみつくトモミンは足をパタパタさせている。


「とんだ茶番劇だったわね。次に行きましょう」


 呆れた女神フレイヤが移動を開始する。


「……はい。次がんばりましょう」


 マーサのアホさ加減に馴れているレキが女神フレイヤのあとをついていくが、ただひとり勇者ユキノはブルブルローソクタワーの頂上を眺めていた。


「SM難度……挑戦したい!!」


「ゆ、ユキノ様ぁ~」


 イクが「やめてください~」とユキノの腕を掴む。


「あぁ……あんなに深く……羨ましい」


 サーフォンはトモミンを抱えたまま歩き出したマーサをウットリとした目で見つめていた。


「あん!ご主人様~下ろしてください~!んぁ!」


「もうちょっと!もうちょっと!」


 変態マーサはトモミンを抱えたまま、みんなのあとを追った。


 ズンズン、ズン!


「あん!あん!ああん!!ご主人様ぁ~ん!!」


 いつものバカな展開に危機感がなくなる女神&勇者パーティー御一行!だが、次の『水』の列車を司る大天使ミカエルは大天使をまとめるリーダー的存在だ!


「女神を倒してワタクシが次の女神ですわ――!!」


 大天使ミカエルの野望が炸裂する!


 次回、『水の大天使ミカエル』こう、ご期待!!


「このゼウスソフトクリームには隠し味として天使の涙が入っておるのじゃ」


「うま――!!ゼウス先生、天才!!」


「じゃろ~」


 絶対神ゼウスと女神フレイヤは普通に遊園地を楽しんでいた!


 つづく!

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