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 ガクガク!ブルブル!『振動の天使達』

 高級家具が安い!


 毎年ご好評をいただいている


 【刑務所作業製品『極み』】


 今年も大反響開催中でーす!


「ん?ここは?」


 ユキノ達は店のイベント会場にやってきた!


 女神ノートは複雑な表情で綺麗に仕上げてあるテーブルを触る。


「ここは、天界で犯罪を犯した人が刑務所で更正するために家具とか作って、たまに販売するのさ。どれも質が高くて安いから好評なのよ」


 元魔王のノートは「もしかしたら私がこれを作っていたかもね」と冗談交じりに笑ってみせた。


「天界でも、犯罪は起きるのですね……」


 イクは笑っていいのかわからず、少し悲しい顔をした。


「完璧な人間も天使もいないわよ。私みたいに下界に降りると『堕天』って言われるけど、下界に逃げる前に捕まると刑務所に入れられる。私はあんなとこ入りたくないね。そもそも自由がない」


 女神ノートの天使の羽は淡い白色で『堕天』の証だ。普段は隠しているが、やはり、気にしているようだ。


「天界も大変だね。商品を見てみようか」


 ユキノは女神ノートを気遣い、暗い空気を変えようと展示販売されている商品を見てみる。


 『仲間うちで作りました。これならお手上げと大好評。是非、お買い求め下さい』


 【窃盗団の金庫】


「欲しい――!!確かに品質は良さそうだ!」


 ユキノが商品に食いつく!


「商品にコメントがついてるのですね。わかりやすいですね。どれどれ……」


 イクはタンスに貼ってあるPOPを見てみる。


 『商品をご覧頂き、誠にありがとうございます。あの時、血で染まったハンマーもこうして役に立つことができ、嬉しく思っております』


「 恐いではないか!!」


 イクが大声でツッコミむ!


「イク、大声出し過ぎだよ~。この説明POPは……どれどれ……」


 ユキノが説明POPを手に取り、読んでみる。


 『どうもでタンス!これ、一生懸命作っタンス!最初は失敗ばかりだっタンスけど、最後まで諦めずに作っタンス!よかったら、買ってくダンス!この、自慢の高級ソファー』


「タンスじゃね~のかよ!!」


 ユキノは高級ソファーにビシッ!!とツッコミを入れた!


「……お前達、あんまり目立たないでおくれ」


 女神ノートは大声を出す二人に呆れて注意する。


「面白いな!イク、このテーブルは明るい色で良さそうだぞ!」


「本当ですねユキノ様!説明POPは……どれどれ……」


 商品名【赤いテーブル】


 『ほんとは黒色にしたかったのに、気がついたら赤色を塗ってました。あの時の光景が頭から離れません』


「病院連れてけ!!……ふぅ、疲れました」


 イクはツッコミをし過ぎて肩で「ハァハァ」と息をした。


「イク、あのマッサージチェアーを試したらどうだ?」


 ユキノはマッサージチェアーを指差す。


「刑務所作業商品にそんなものまであるのですか?説明POPは……どれどれ……」


 商品名【ゴッドハンド】


 『抜群の座り心地を実現!!まるでエステティシャンに揉まれてるかと、勘違いしてしまうほどの揉みほぐし!私が痴漢で捕まるまでの20年をすべて詰め込んだ究極の一品!』


「気持ち悪いわ――!!」


「イク!ちょっと座って見て!試したいことがあるの!」


 ユキノはイクを無理やりマッサージチェアに座らせた!


「え!?え!?ユキノ様!?」


「では、マッサージ『極み』スタート!」


 ユキノはリモコンのスタートボタンを押した!


マッサージチェアがウネウネと動きだす!


「はぁ――ん!!こ、この全身を撫でまわされる感覚は!?気持ちいいですが、マーサ殿のマッサージには負けます!」


 プルプルとおっぷにを揺らしながら快感に耐えるイク!


「よし!では!試したいことやってみるね!ん~……勇者来迎!バナンポ召還!」


 ユキノが両手を上げると額の紋が光輝き、なにやら呪文を唱えた!


「はぁ――――ん!!え!?え!?こ、これは!?」


 イクがマッサージチェアの上でのけ反る!


「で、できた!マーサのバナンポをイクの中に召還したんだ!マーサがバナンポだけ空間転移させてたから、できるかなって」


「ええええ!?私の中に……あぁ!熱い!確かにマーサ殿のバナンポが……おっきくなるぅ~!!?」


 イクはマッサージチェアの振動に合わせてビクンビクン跳ねる!


「お、おい!剣聖イク……そんなにマッサージチェア気持ちいいのか?」


 他の商品を見ていた女神ノートが戻ってきて、マッサージチェアに座ってビクンビクンしているイクを不思議そうに眺める。


「あっ!あっ!あぁ~ん!!だめ――!!」


 絶頂に達した!!


『ざわざわざわ……おい!そのマッサージチェア俺が買うぞ!』

『いや!俺が!』

『私が!!』


 イクの周りに天使達が寄ってきた!!


「やばい!イク!逃げるぞ!!」


 マッサージチェアーでぐったりしているイクの手をユキノが引っ張る!


「は、はひ~!ちょっと腰が……」


 イクに引っ張られ内股のまま逃げるようにその場を離れた。


「もう!逃げてばかりね!!」


 女神ノートも二人のあとを追い、三人は二階への階段を駆け上がった。


『マッサージチェアをくれ!!』

『俺も!!』

『私が先よ!!』


天員(変装したゼウス)「は、はい!少々お待ちくださいませ!!」


 ……こんなに売れたことないのにおかしいなぁ~???


 【一方、女神フレイヤチーム】


「……大丈夫?」


「……あんた、どうしたの?」


「い、いや……急に力が抜けて……」


 マーサは地面に『く』の字の形に折れ曲がってぐったりしていた!知らずにバナンポだけ召還され放出されたせいだ!ちなみに3回連続で出していた!!


 【その頃、女神ムーアチーム】


 女神ムーア、トモミン、サーフォンは家電売場でゼウスを探していた!


 ……ヴィィ――ン!


「この太さ、大きさ、振動……ご主人様のバナンポに似ています」


「こ、こら!マッサージ機をそんなふうに両手で持つんしゃないよ!」


 女神ムーアが電動マッサージ機を両手で持って咥えそうないきおいのトモミンを注意する。


「にゃにゃ!おっぷににすっぽりにゃ!!」


 トモミンは電動マッサージ機をサーフォンの胸の谷間に差し込んだ。


「やぁ――!?と、トモミンさん!だ、だめぇ~!もう!仕返しですわ!」


 サーフォンは胸の谷間から電動マッサージ機を取り出すと、トモミンの秘密の楽園の入り口に押し当てる。


 ヴ……ヴ……ヴ――!!


「にゃにゃにゃ――!?ダメにゃ~!!」


 プシャ――!!


 トモミンは勢いよくおもらしをする。


「こ、こらお前達!ちょっと拭くものもらってくるからな!」


 女神ムーアは、慌ててタオルを探しに行く。


「サーフォンも、漏らしなさい――!!」


 トモミンはサーフォンから電動マッサージ機を奪い取り、サーフォンの鋼鉄のショーツに押しつける!


 ブ……ブ……ブブブ――!!


「あ!!ハッ……ハッ……ハッ」


 ガクガクガクガク!!


 じょわあぁあ~


 サーフォンも、漏らした!


「トモミンさん……やりますわね……負けません!」


「にゃ!?」


 サーフォンはトモミンにアイマスクをつけ、手首を手芸屋の毛糸で縛り、電動マッサージ機を押しつける!!


 ヴィィィィン!!!!


「待って!無理無理!こんなの我慢できないにゃ!?」


「んぁ!やぁ!あっ!あっ!あっ!」


 プッシャャ――!!


「にゃ~!!見ないでぇ~!!」


 ガクガク!ブルブル!


 ビクッ!ビクン!ビクン!


 トモミンのサーフォンの間に大きな水溜まりが出来ていた!


 ……二人は足りない何かを求めるかのように、電動マッサージ機を体中を撫で回すのであった――。


「天員さん!こっちです!」


 女神ムーアが清掃用具を持っている天員を呼んできた。


「こ、これは……!?」


 大勢の天使達がまわりを囲む中、大きな水溜まりの中央でトモミンとサーフォンはお互いにキスをしながら「んぁ~ご主人様~」「あぁ……マーサ様が足りない……」と二人で求め合っていた!


 これはマーサ依存症の症状だ!


「これは早く女神フレイヤチームと合流した方が良さそうね……」


「あとは、やっておきますので、お客様は試着室で着替えてください」


 天員のてきぱきして行動に感謝し、女神ムーアは二人の手を取り、その場を離れた。


……マーサ……か。これは、ひょっとすると……ひょっとするかも……しれんのぉ~。


 天員に扮した絶対神ゼウスは真面目な顔で二人のオシッコ(?)を拭きながら……意味深につぶやいた。


  <つづく!>

 

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