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「はぁ~、まったくもう……口に出す?」『ゼウス捜索中!!』

 女神フレイヤが出現させた扉に入ると、そこはもう『天界』であった。


 興が冷めるほど簡単に天界へたどり着いた。


「さぁ、行きますか……ね」


 観光気分のロイヤルフィアンセーズに対し、緊張した面持ちの女神達。


 絶対神ゼウスはめったに人前に現れることはない。 

  

 ゼウスの捜索が非常に困難なことは女神達の表情を見れば一目瞭然であった。

 

 『絶対神ゼウスを見つけて愕かせた者は、ひとつ願いを叶えてくれる』


 女神達は願う。


 女神フレイヤは、未来のために。


 女神ノートは、愛する我が子のために。


 女神ムーアは、小説の書籍化のために。


 三大女神は3チームに分かれ、ゼウスの捜索にあたった。

 ※尚、勝ったチームのロイヤルフィアンセーズのメンバーにはご褒美で『女神リゾートペア宿泊券』が贈られます。


【天界 女神フレイヤチーム】


「着いた!ここが……天界!?」


 天界はマーサが想像した感じと真逆で、高層ビルが建ち並び、転生前の東京のようだった!


「もっとこう……雲・雲・雲!みたいなのを想像していたけど……王都より発展しているのはなんとなくわかるわ!」

 高層ビルを初めて見たレキは興奮している!


「天界も近代化が進んでつまらない世界になってしまったわ。だから絶対神ゼウスは自分を愕かせた者に願い事をひとつ叶えることにしたと言われているわ」

 女神フレイヤは哀れみの表情を天界へ向ける。


「毎日、咥えてくれるトモミンより、たまに仕方なく咥えてくれるレキのほうが興奮するって話?」


「全然違うわよ!」

 レキはツッコミ、女神フレイヤはマーサに哀れみの表情を向ける。


「アホな事言ってるバカは放っておいて行くわよ!ゼウスはあのハトのマークのスーパーのどこかにいるはずよ!絶対に先に見つけるわよ!」


「え!?い、○トーヨーカドー!?」

 転生前の記憶が呼び覚まされる!


「え?なに?イトウとカトウ?誰?」

 困惑するレキ。


「……気にしないで。さぁ!私たちは正面から入るわよ!」

 女神フレイヤチームはハトのマークの建物へ足を踏み入れた!


 【一方、女神ノートチーム】


「『惣菜コーナー』にはゼウスはいないか……」


 女神ノートチームは西口から建物へ入っていた。食品売場だ。おいしそうな商品を天使達が次々とカゴに入れている。


「ユキノ様!この『ころっけ』という品、食べたことない味です!うまうまです!」


 イクは未知の食べ物『ころっけ』の試食を堪能していた!


「う!!この『ちくわ天』……美味すぎる!!最高級ゴブリンステーキの10倍は美味いぞ!」


 ユキノはちくわ天を3つ口に咥えながら、他の商品に目移りしている。


「下界には揚げ物ないからね。ここはゼウスが監修した娯楽スーパーマーケット。味には特にこだわって、異世界の物もあるらしいわ」


 女神ノートは「やれやれ」といった表情で目をキラキラさせている二人を見る。


「ゼウスすごいな!この『なっとう』のにおい……マーサのバナンポジュースのようにクセになるな!」


 ユキノが納豆の蓋を開け、匂いをかぐ。


「……本当だ。いやなのにいやじゃない!待てよ……この『なっとう』を『ちくわ天』にかけて食べると……!!?旨っ!ネバネバ旨っ!すごいくさい!でも嫌じゃない!!」


 イクはちくわ天に納豆をかけて食べてみた。


「本当だ!すごいぞイク!口のまわりがネバネバで、においにクラクラしながら喉の奥に押し込むと熱々ネバネバでおかしくなりそうだ!!」


 ユキノは口に咥えたちくわ天に納豆を垂らしながら食べてみる!絶品だ!


「お、おい!ここには他の天使や『天員』という管理者もいるからあまり目立つな!!」


 女神ノートは悪目立ちする二人を慌てて注意する。


 天使達が大騒ぎしている二人に視線を向けてザワザワしていた。


「あの……『店内』でのお召し上がりは『試食品』以外はちょっと止めてください」


 紙の帽子にエプロンを着た『天員』が声をかけてきた。


「す、すいません!こいつら初めてで!ほら!お前達!行くぞ!」


「顔中がネバネバに!!?臭っ!!顔ネバネバ!!ああ……臭い!!……でも不思議と嫌じゃない」


 女神ノートは『ちくわ天納豆』に苦戦する勇者ユキノの腕を引っ張る。


「あふっん!!……この『おでん』という食べ物!口の中に熱い液体が流れて……あん!!熱い!!喉の奥まで……あん!熱い!!」


 イクは熱々おでんに悪戦苦闘中だ!


「ほらっ!行くよ!!」


 女神ノートは二人を引きずるように去っていった……。


「……」


 引きずられながら奥に行く二人を見つめる『天員』。


 ……なにあの下界から来た勇者達!エロ――!!変装してきてみたらすごいエロいんですけど――!!?


 『天員』は変装した絶対神ゼウスだった!


 絶対神ゼウスがめったに人前に現れないのは、ただの超人見知りだからだった!!


 ……いや~すごいの見ちゃったのぉ~。他の下界の連中も見てみてみるかのぉ……るんる~ん♪


 『天員(絶対神ゼウス)』はそそくさとバックヤードへ下がっていった……。


 【女神ムーアチーム】


「んっ!んっ!んはっ!さすが天界のバナンポ!大きすぎて口に入りきらないでっす!」


 天使ムーア、トモミン、サーフォンの三人は『青果コーナー』でゼウスを探していた。


 トモミンは天界でしか取れない『ジャイアントハイランドバナンポ』を口に入れていた!


「いや……けっこう奥まで入ったな!?その小さい体ですごいな……」


 女神ムーアが感心する。


「すごいです!トモミンさん!しかし、さすが天界!見たことのない食べ物がいっぱいです!このゴツゴツしたどす黒い食べ物なんて……なんか、すごいです!」


「それは『ごーや』というものだ!コラコラ、それをそんな風に両手で握ったり、手で擦ったりするな!」


 サーフォンの『ごーや』を持つ手つきがなまかしい!純粋なサーフォンだからこその手つき、初めて握られた『ごーや』がほんのり赤みを帯びる……。


「スキあり!てぃ!!」


 トモミンはゴツゴツした『ごーや』を後ろからサーフォンに突っ込む!!


 ガキンッ!!


 サーフォンの鋼鉄の下着がそれを阻む!!


「きゃ!もう!トモミンさん!私の鉄のショーツをこじ開けれるのはマーサ様だけですよ!」


「えへへ!ごめんごめん!試してみたくて!」


 好き勝手のトモミンとサーフォンに女神ムーアが注意する。


「お前達、あまり恥ずかしいことするな!」


「あ、あの……」


 天員(絶対神ゼウス)が声をかける!


「あ!天員さん!すいません!こいつら初めてで!」


 女神ムーアは慌ててゴーヤで遊ぶトモミンとサーフォンの手を掴み動きを止める。


「今、『石焼き芋』が焼き上がりましたので、どうぞ……」


 熱々の『やきいも』を三人にすすめる。


「わぁ――!おいしそう!!パクっ!熱い!でも皮までおいしい!熱くて皮までおいしいとは!ご主人様と同じです!(?)」


 トモミンが感動している!


「んん――!!あつあつホクホク!喉の奥に流れてくるこの熱いものは何――!?」


 悶えるサーフォンに天員さんが答える。


みつですね。これは『官能芋』という種類の芋で、蜜がすごいんですよ!」


「本当だ!喉に熱いものが流れるのがわかる!!んんっ!んぐっ!あんっ……喉に……熱いのが流れて……んぁ」


 天員の前で出してはいけない声をあげるトモミン!


「ほらっ!ゼウスを探しに行くよ!」


 女神ムーアは二人を引きずるように去っていった!


 ……はぁ……はぁ……こっちも……すっごいのぉ――!!


 天員(絶対神ゼウス)は人知れず興奮した!


 【一方、女神フレイヤチーム】


「ちょっと!まだ試着終わらないの!?」


 更衣室の前で女神フレイヤがレキの着替え終わるのを待っていた。


「すいません!かわいい下着がたくさんあって!!」


 試着室のカーテンからレキが顔だけ覗かせる。


「ちょっとトイレ行ってくるわ。早く決めなさいよ!」


 女神フレイヤは怒って行ってしまった!


「レキ……!?もう、出そう!!」


 試着中で半裸のレキの後ろからマーサの声が聞こえる!


「マーサ!声、出ちゃう!キスして!」


 レキは後ろで腰を振るマーサの方を向き、キスを求める!


 ……んっ……んぁ……んぅ~。


 ……レキ……我慢してる声、かわいい。


 ……ば、バカ!そんっなッ……こと……言わない……でッ!!


 ……あ、レキ!出る!!


 ……んあぁ――!?熱いの……いっぱい……。


 ……レキ、キレイにして……。


 バナンポをレキから抜く。


 ……もう……仕方ないわね。……んっ!ペロペロ……。


 レキはマーサのバナンポをキレイに舐めまわす。


 ……やっぱり、レキにしてもらうと、有り難みを感じるなぁ~。


 ……もう……バカ……何を言ってるのよ……。


 ……んっ!んん!?また、大きくなった!?


 ……あんた、何回出せば気が済むの?


 ……はぁ~、まったくもう……口に出す?


 ……お願いします。


 ……出す時、言ってよ……んっ。

 

 更衣室は……天国だった!


 バックヤードの扉のガラス越しに天員(絶対神ゼウス)が「あいつら絶対ヤッてるじゃろ――!!」と小刻みに揺れる更衣室のカーテンをガン見していた……。


 ……ねぇ~みへみへマーサ~、こんなひ出はぁ~。


 マーサに特別扱いされて、レキは嬉しかった!


 ……レキったら!また、大きくなっちゃったでしょ!!


 再びレキに抱きつくマーサ!


 ……あぁ――!!


 ゴソゴソ……。


「あの~」


「うはぁ――!!は、はい~!!」


 女神フレイヤに急に声をかけられて驚く天員(絶対神ゼウス)!!


 ……ふ、フレイヤ!?


 ……やばい!見つかってしまう!?


「Hカップのブラはどこですか?」


「あ、はいはい~。あちらですよ~」


 ヘコヘコと低姿勢で女神フレイヤを案内する絶対神ゼウス(天員に変装中)!


 女神フレイヤは天員を怪しむ!


 ……ん?どっかで聞いたことある声だな……?


「こちらです。こちらです~」


 小刻みに動く試着室のカーテンを横目に天員は女神フレイヤを案内した!!


 ……れ、レキ――!!出っ!!


 ……なかは……ッ!らめなのぉ……!!


 ※試着室の長時間の独占はお止めください!!

 

 <つづく!!>


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