「バナンポはいつものように洗いますか?」『露天風呂のすすめ』
【大浴場】
「さぁ!いよいよお風呂ですよ!お二人さん!!」
バスタオルを腰で巻き、大浴場へと案内する!
「物件の下見でお風呂に入れるなんて、やるわね!不動産屋!」
胸からバスタオルを巻いて二代目魔王ノート・ノーエッチが色っぽく入ってくる!
「はじめて、お前を褒めるよ。よくやったな!」
ノートの色っぽい姿に惚れ直す初代魔王ゲーテ!
「お待ちしてましたぁ~!トモチンです!」
メイド姿の聖女トモミンは偽名を使って接待をする!
「え!?トモミン!!?でも、トモチンって言ったか……人違いか……」
配信サービスVIP会員のゲーテは『トモミンちっぱいファンクラブ』会員ナンバー3番の熱狂的信者だ!!
「なんだ?ゲーテはロリコンがタイプだったか?」
トモミンに目が釘付けのゲーテをノートが睨む!
「い、いや!知り合いに似ててな!ワシはロリコンじゃないぞ!ノートが一番だ!!」
「あらやだ。嬉しいわ」
テレる二代目魔王!
「では!お風呂に入る前に体を洗いましょう!」
椅子に座ったマーサに、正面から抱きつくように体を合わせるトモミン!
「うんしょ!うんしょ!ノーク!!」
「くノ一のノークです!背中を洗います!」
トモミンに呼ばれ突如メイド姿のノークが現れ、マーサの背中に抱きつくように体を合わせる!
「ロリ体型のふたりに挟まれ、幸せなやつじゃな……」
「トモミ……トモチンの服が溶けて泡立ってる!!?」
鼻血を出しながらマーサに抱きつくトモチンを凝視する!
「当たり前です!ふたりのメイド服は石鹸で出来ています!」
「洗い残しを防止するためにご主人……不動産屋様が開発した『石鹸メイド服』です。メイド服が全部溶けるまで擦ると洗い残しゼロでっす!うんしょ!うんしょ!」
一生懸命マーサに体を擦り付けるトモミン!メイド服がみるみる溶けていく!
「なんて発想だ――!?天才か!?」
「私も着てみようかしら」
誘うような目でゲーテを見る。
「マジで――!!最高――!」
今日一番のテンションを見せる初代魔王ゲーテ!
「うんしょ!メイド服……全部溶けました!」
「こっちも全部溶けた!」
「極楽、極楽」
泡泡のマーサ!
「ご主人……不動産屋様、バナンポはいつものように洗いますか?」
「うん、お願いしようかな」
「では、ノーク、ちっぱいを合わせて!」
「お、おう!これ、恥ずかしいだよな……」
トモミンとノークはお互いのちっぱいを重ねてマーサのバナンポを包み込む!掛け声と一緒に上下に動き出す!
「いっちに、ぷにぷに、いっちに、ぷにぷに!」
「いっちに、ぷにぷに、いっちに、ぷにぷに!」
「いつもそんなことさせてるの――!?」
驚く初代魔王ゲーテ!
「すごいなお前、王子様なの!?」
二代目魔王ノート・ノーエッチも目を疑う、
変装しているが、マーサは王子だ!
「あ、出そう!ちょっと速めて!」
「いっちに!いっちに!いっちに!」
「いっちに!いっちに!いっちに!うわっ――!!」
ふたりの顔にバナンポジュースかかかる!
「トモミ……トモチン、お掃除終了しました!」
「ありがとうございました!」
トモミンとノークが正座をして深々頭を下げる。
「あ、ふたりはボク専用のメイドなので、城にはつきませんよ!」
人差し指を左右に振り、「ノンノン」と言う。
「では、私達は今、何を見せられていたのだろう?」
「……残念<ぼそっ>」
初代魔王は羨ましかった!!
「さぁ!実はこの大浴場!そこのガラス戸を開けると露天風呂になっています!!」
「え!!?そうなの!!?」
二代目魔王ノートの目が輝く!
駆け足でガラス戸まで行き、ゆっくりガラス戸を開けてみる!
ガラガラガラ――。
「わぁ!広い露天風呂!お猿さんやカピバラさんも温泉に浸かってる!!」
キョウハスシノキブン城は山に囲まれていて、自然の動物がたまに温泉に入りに来ます。
「あ!ゲーテちゃん?来ちゃった!」
カピバラに紛れて金髪の女性が温泉に入っていた!
「げげ!もしかしてマッチングアプリの『ベルゼブブちゃん』!?」
「誰よあんた!ゲーテ!あんたマッチングアプリは私としかやってないって!!嘘だったの!?」
なんだか雲行きが怪しくなったぞ!
「あの~、マッチングアプリってなんでしょう?」
修羅場に割り込むマーサ!
AB型のマーサは空気が読めない分、厄介ごとに首を突っ込む習性があるぞ!
「知らないの!?王都で流行ってる『女神印の出会い系マッチング端末『女神メール』』のことよ!」
女神メールとは、女神フレイヤが次なる商売に選んだ秘策で、端末を持っていればメールのやり取りが可能で、自分の好みの異性に会える夢の端末なのだ!ちなみに現在、一万ノーエッチ分のポイントを購入すると一万二千ポイント貰えるお得なキャンペーンを実施中だ!
「お二人の出会いは……」
「マッチングアプリよ!」
「お二人のご職業は……?」
「ノートは礼拝堂のシスターと聞いている」
「ゲーテは画家なのよ!売れっ子の!」
※マッチングアプリで出会える人物の身分を証明するものは一切ありません。
「まさか……偶然、初代魔王と二代目魔王がマッチングされていたとは……」
ある意味、ベストマッチである!
「ちょっと~そこの女だれよ~」
茶髪の馴れ馴れしい女が二代目魔王ノート・ノーエッチを指差す!
「黙れ小娘!!」
ピシャァ――――ン!!
魔王の言霊で辺りに雷が飛び散る!!
動物たちは逃げ、ベルゼブブは泡を吹きながら気絶した!一般人には魔王の発する言葉だけで体が硬直し自由を奪われる!
「ノーク!救助!」
「はいはい!」
トモミンの命令でノークはベルゼブブを露天風呂から出すと、担いでその場を去る。
「ご主人様、奥で治療してきます!」
トモミンがマーサに耳打ちする。
「わかった!」
トモミンが露天風呂を出るのを待って、マーサは激情した二代目魔王ノート・ノーエッチに近寄り、体に巻いたバスタオルを剥ぎ取る!!
「キャァ――!!!!!!」
ノートは慌てて体を隠す!
「お前!!何を!!?」
ゲーテがマーサに詰め寄る!
「バカヤロー!!こんなエロい体して浮気の心配してんじゃね――!!」
まさかの二代目魔王に説教を始めた!
「え!?え!?」
困惑するノート!
「なぜ俺がお前のおっぷにを揉んだり!お尻を揉んだり!温泉にお尻だけ浮かばせて、バナンポ入れたり出したり入れたり出したりしたいのにしないのは、なぜだかわかるのか――!!」
「お前!そんなこと思ってたの!!?」
ゲーテは怒りを通り越して呆れる。
「この城に……住んでもらいたいからだ……!!」
「……不動産屋さん」
なんかいい話に聞こえてきた……。
「最後に見てもらいたい場所がある。ついて来い!」
マーサはそういうと、最後のミッション『寝室』へと歩き出した。
「あなた……あの不動産屋さんに免じて許すわ」
「ノート……。もう、出会い系はやらない!ごめんな……」
ふたりは手をつなぎ、マーサのあとに続いて歩いていった……。
結局、ふたりは温泉に入ることが出来なかったが、そんなことよりもお互いの愛を確かめるように繋いだ手に力を入れた……。最初は不真面目に見えた不動産屋のマーサも、一生懸命に城の良さを伝えようとする姿に自然と感謝の気持ちが表れてきた。
次回、初代魔王ゲーテと二代目の魔王ノート・ノーエッチのふたりの夢の城がついに決定する!?
【次回予告】
寝室で寝ているサーフィンにマーサが悪戯するだけの話!本当にそれだけの話!!この話の終わり方で、そりゃないぜマーサ!でもそれがマーサだ!!いや、それでこそマーサだ!!思った道を駆け抜けろ!!
<つづく!!>




